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サイテーションとは?AI検索で第三者の言及を増やす方法とステマ規制

公開 読了 約15分

ChatGPT や Google の AI による概要に「埼玉で◯◯に強い会社は」と聞いても自社が出てこない。調べてみると「AI に推薦されるにはサイテーション(第三者からの言及)や口コミが必要」と書かれている。そこで、取引先に紹介文を頼む、口コミを書いてくれた人にお礼をする、といった方法を考える方もいるはずです。

AI 検索でも第三者の情報は回答の材料になりますが、増やすべきは事実にもとづく言及であり、依頼したことを隠した口コミや紹介文はステルスマーケティング規制や Google のポリシーに反するため、業界団体・取引先・メディア・口コミで正規の言及を増やし、自社サイトと内容をそろえることが近道です。

この記事では、サイテーションの意味、AI 検索で第三者の情報が使われる理由(各社の公式の説明で確認できる範囲)、中小企業が増やせる言及と頼み方、消費者庁の資料にもとづくステマ規制の基本とよくあるケース、効果の確かめ方を解説します。

サイテーションとは:社名やサービスが第三者の場所で言及されること

サイテーションは、自社以外のサイトや媒体で社名・サービス名・所在地などが言及されることを指す、主に SEO の分野で使われる言葉で、リンクのない言及も含みます。

他のサイトから自社サイトへ張られたリンク(被リンク)とは区別され、店舗や事業所の検索では、社名・所在地・電話番号(NAP:Name・Address・Phone)の表記が各所でそろっているかとあわせて語られることが多い言葉です。言及には、自社で直せるものと直せないものがあります。

言及の種類例自社で直せるか主に載る情報
自社が管理する外部の掲載Google ビジネスプロフィール、SNS のプロフィール、求人媒体の会社紹介直せる社名、所在地、事業内容、URL
団体・公的な名簿業界団体や商工会議所の会員名簿、自治体の認定・登録の一覧依頼すれば直せる社名、所在地、業種
取引先・協力会社のサイト協力会社一覧、導入事例、共同の取り組みの紹介依頼が必要社名、取引の内容
メディア業界紙・地域紙の記事、取材記事、展示会やセミナーの登壇者紹介直せない(誤りの訂正は依頼できる)事業内容、取り組み、代表者の発言
口コミ・レビューGoogle のクチコミ、口コミサイト、SNS の投稿直せない利用した人の評価と体験
ブログ・フォーラム・動画個人のブログ、Q&A サイト、動画の紹介直せない評判、他社との比較

AI 検索で第三者の情報が使われる理由(各社の公式の説明)

主な AI 検索は、質問に応じてウェブを検索し、見つけたページをもとに回答して出典を示す仕組みのため、自社サイトだけでなく第三者のサイトに書かれた自社の情報も回答の材料になります。

サービス公式に説明されている仕組み
Google の AI による概要・AI モード検索のインデックスから関連するページを取り出して回答を作り、関連する検索を追加で行うこともある。ブログ、動画、フォーラムのディスカッションなど、ウェブ上で製品やサービスについて語られていることを表示できる(Google 検索セントラル:生成 AI 機能に向けた最適化のためのガイド)
Google のローカル検索(地図)順位は関連性・距離・知名度の組み合わせで決まり、知名度はビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づく(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
ChatGPT の検索質問を検索語に書き換えて提携する検索サービスに送り、回答に出典を付ける。関連性と信頼性を考えた複数の要素で結果を並べ、掲載は保証されない(OpenAI Help Center)
Perplexityリアルタイムでインターネットを検索し、回答に番号付きの出典を付ける(Perplexity Help Center)

ここから言えるのは、「ウェブ上で自社について何が書かれているか」が回答の材料になりうる、ということです。ただし、どの情報源をどれだけ重く扱うかは、どの会社も公開していません。Google は、ウェブ全体で作為的な「言及」を集めることは一見役立ちそうでも実際にはそれほど役に立たないとし、コアのランキング システムが高品質なコンテンツを重視し、ほかのシステムがスパムを防いでいることを理由に挙げています。言及の数を増やすことより、正しい情報が各所でそろっていることを目指します。この考え方はAI検索時代のブランドとは何かでも解説しています。

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中小企業が増やせる言及:7つの場所と頼み方

中小企業がまず増やせるのは、自社で直せる掲載情報と、実際の取引や活動にもとづく第三者の言及で、どれも「事実を正確に載せてもらう」ことが目的です。

場所やること注意すること
1. Google ビジネスプロフィールオーナー確認を済ませ、名称・所在地・URL・カテゴリ・説明文を会社概要と同じにする。クチコミに返信するクチコミの依頼に対価や条件を付けない
2. 業界団体・商工会議所会員名簿の社名・事業内容・URL を最新にしてもらう退会した団体の名称を自社サイトに残さない
3. 取引先・協力会社協力会社一覧や導入事例への掲載を、事実の範囲で相談する推薦の文章を自社が用意して頼む場合は、依頼したことが分かる形にしてもらう
4. メディア・業界紙新しいサービスや受賞、地域での取り組みをプレスリリースで知らせ、取材に応じる費用を払って記事として載せる場合は「広告」「PR」などの表示が必要
5. 展示会・セミナー出展者一覧や登壇者紹介に、会社の説明文と URL を正確に載せてもらう説明文は会社概要と同じ内容にする
6. 求人媒体・SNS会社紹介とプロフィールを会社概要と同じ表記にする自社のアカウントでの発信は、自社の発信として行う
7. 口コミ取引や納品が一区切りしたときに、すべての顧客に同じ方法で依頼する評価の高さや内容を指定しない

依頼するときは「会社を説明する一文」を渡す

名簿や紹介ページへの掲載を頼むときは、何を・誰に・どこで提供している会社かを1文にまとめた説明文と、正式な社名・所在地・URL をそのまま渡します。たとえば「例:◯◯株式会社は、埼玉県◯◯市で、食品メーカー向けにステンレス製の架台とタンクの設計・製作を行う会社です。」のような文です。相手が書き写すときの表記ゆれを防げます。外部の掲載情報を洗い出して直す手順は、ChatGPTで自社が出てこない理由と、会社情報をAIに正しく伝える方法にまとめています。

Google のクチコミの頼み方

  1. パソコンのブラウザでビジネス プロフィールを開き、「クチコミを読む」から「クチコミを増やす」を選んで、依頼用のリンクか QR コードを作る(Google ビジネス プロフィール ヘルプ:クチコミをリクエストする)
  2. 納品・検収・契約の更新など取引が一区切りしたときに、すべての顧客に同じ文面で依頼する
  3. 依頼文では評価の高さや書く内容を指定しない。例:「このたびはご依頼ありがとうございました。もしよろしければ、Google のクチコミでご感想をお聞かせください。良かった点・改善してほしい点のどちらでも構いません。」
  4. 届いたクチコミには事実を確認して返信する。否定的なクチコミには、投稿者の個人情報に触れず、直接連絡できる方法を案内する(クチコミを増やすためのヒント)

BtoB の取引では、取引先の担当者が会社の方針で口コミを書けないこともあります。依頼は一度にとどめ、書いてもらえなくても取引に影響しないことを伝えます。プロフィールの整え方はGoogleビジネスプロフィールの登録と使い方で解説しています。

ステマ規制の基本:消費者庁が示すルール

2023年10月1日から、広告であるのに広告であることを隠す表示(ステルスマーケティング)は景品表示法違反となり、規制の対象は商品やサービスを提供する事業者(広告主)です。

景品表示法第5条第3号にもとづく告示「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年内閣府告示第19号)によるもので、SNS やレビューの投稿のほか、テレビ・新聞・雑誌などの表示も対象です。企業から依頼を受けて投稿するインフルエンサーなどの第三者は、原則として規制の対象になりません(消費者庁:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。)。

消費者庁の運用基準では、問題になるかを次の2点で判断するとされています。

  • 事業者の表示であること:事業者が自ら行う表示(従業員による表示を含む)と、第三者に行わせる表示が対象です。明示的な依頼や指示がなくても、やり取りの内容、対価の内容と提供する理由、関係の継続性などから、事業者が内容の決定に関与したと判断される場合があります。
  • 一般消費者が事業者の表示だと判別しにくいこと:事業者の表示であることが書かれていない場合のほか、周りより小さい文字や薄い色、末尾の見えにくい位置、大量のハッシュタグに紛れさせるなど、書き方が不明瞭な場合も含まれます。

明瞭な表示の例として、「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」の文言や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章が挙げられています。事業者自身のウェブサイトや SNS アカウントは、事業者の表示であることが明らかなものとして扱われますが、自社サイトでも第三者の客観的な意見のように見せるページは、事業者の表示であることを明瞭に示す必要があります。

違反すると、消費者庁から措置命令(表示の取りやめ、一般消費者への周知、再発防止策など)を受けます。2024年6月には、Google マップのクチコミ欄に星5または星4の投稿をすることを条件にインフルエンザワクチンの接種費用を割り引いていた診療所の表示について、運営する医療法人に措置命令が出されました(消費者庁:医療法人社団祐真会に対する景品表示法に基づく措置命令について)。

口コミ・紹介のよくあるケース:法律と Google のポリシー

景品表示法では問題になりにくいケースでも Google のポリシーでは禁止されていることがあるため、言及を増やす方法は両方を満たすものに限ります。

ケースステマ規制での扱い(消費者庁の Q&A・運用基準)Google のクチコミのポリシー
クチコミを書いた人に割引や粗品を渡す(内容は指定しない)通常は事業者の表示に当たらないとされる禁止(投稿と引き換えのインセンティブ)
星5や好意的なコメントを条件に割引する事業者の表示に当たり、明瞭に示さなければ違反(措置命令の事例あり)禁止
販売や営業に関わる社員、その家族が客として投稿する販売促進に関わる立場の社員の投稿は事業者の表示に当たりうる禁止(雇用・家族関係などの利益相反)
口コミの投稿を業者に依頼する・購入する事業者が内容の決定に関与した表示に当たる禁止
対価と引き換えに低評価の削除や書き換えを頼む自社に都合のよい内容に改めさせた場合は事業者の表示に当たりうる禁止
事実と違う内容のクチコミの訂正を頼む客観的な事実に反する内容の修正を依頼するだけなら当たらない違反と思われるクチコミは Google に報告できる
報酬を払ってブロガーやメディアに紹介を頼む内容を指定しなくても事業者の表示に当たる可能性が高く、「◯◯社から依頼を受けて」などの明示が必要(クチコミとは別に)有償のリンクは rel=”sponsored” などを付けないとリンクスパムに当たる
取引先に推薦コメントを頼み、取引先のサイトに載せてもらう自社が文案を用意するなど内容の決定に関与すれば、事業者の表示とされる可能性がある―

出典:消費者庁:ステルスマーケティングに関するQ&A、Google マップ:禁止または制限されているコンテンツ、Google 検索セントラル:スパムに関するポリシー

Google は、インセンティブを付けずに実体験にもとづく投稿を募ることは認めていますが、否定的なクチコミを妨げることや、好意的なクチコミだけを選んで募ることは禁止しています。

なお、景品表示法は一般消費者の誤認を防ぐための法律で、企業どうしの取引だけに向けた表示にどこまで当てはまるかは個別の判断になります。ただ、Google のクチコミや口コミサイトは誰でも読めるうえ、Google のポリシーは業種を問わず適用されるため、BtoB の会社でも同じ基準で運用するのが安全です。個別のケースの判断は、弁護士や消費者庁の景品表示法に関する相談窓口に確認してください。

自社サイトに第三者の声や事例を載せるときの注意

自社サイトは事業者の表示であることが明らかですが、お客様の声や事例を載せるときは、実在する声を、選び方と内容を偽らずに載せます。

  • 実際にいただいた声だけを、本人や取引先の了承を得て載せる
  • 内容を書き換えない。要約や編集をした場合は、そのことを書き添える(運用基準には「弊社から○○先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。」という表示の例があります)
  • アンケートの回答から好意的なものだけを選んで載せる場合は、選んで載せていることが分かるようにする。無作為に選んだ回答を変更せずに載せる場合は、事業者の表示には当たらないとされています
  • 依頼して書いてもらったインフルエンサーなどの投稿を「お客様の声」として載せない。載せる場合は、依頼した投稿であることを明示する
  • 社名を出せない事例は、業種・規模・課題・結果で示す。当社も掲載許諾の方針により、制作実績では社名を出さず、業種とサイトの構成・設計の考え方を公開しています

言及が増えたかを確かめる方法

社名で検索したときの外部の掲載、Google のクチコミ、AI の回答、第三者のサイトからの流入を決まった周期で記録し、変化を見ます。

確認すること方法頻度の目安
社名で検索したときに出る外部サイトGoogle で社名を検索し、上位20件程度の掲載先と内容を記録する3か月ごと
外部の掲載内容が会社概要と一致しているか上の一覧で社名・所在地・事業内容を照らし合わせる3か月ごと
Google のクチコミの数と返信の状況Google ビジネスプロフィール毎月
AI の回答に自社が出るか、内容が正しいか決めた質問を ChatGPT・Gemini・Perplexity などに聞き、回答と出典を保存する毎月
第三者のサイトからの流入GA4 の参照元毎月
社名での検索の表示回数Search Console の検索パフォーマンス毎月

OpenAI も、検索結果や出典が不完全・古い・誤っている場合があるとしています。AI の回答は同じ質問でも日によって変わるため、1回の結果で判断せず、数か月分の傾向で見ます。計測の手段はLLMO・AI検索の計測ツールと確認方法で比較しています。

よくあるご質問

サイテーションは被リンクと同じですか?

同じではありません。被リンクは他のサイトから自社サイトへのリンクで、サイテーションはリンクの有無にかかわらず社名やサービスが言及されることを指します。どちらも、実際の取引や活動にもとづいて自然に生まれたものであることが前提です。

口コミを書いてくれたお客様にお礼の品を渡してもよいですか?

Google のクチコミについては渡しません。消費者庁の Q&A では、書く内容を指定しない割引などは通常ステマには当たらないとされていますが、Google はクチコミの投稿と引き換えに割引や無料の商品・サービスを提供することを禁止しています。

BtoB の会社でもステマ規制は関係ありますか?

景品表示法は一般消費者の誤認を防ぐ法律のため、適用されるかは表示の内容や読む人によって個別に判断されます。ただ、口コミや紹介記事は一般の人も読めること、Google のポリシーは業種を問わないことから、BtoB でも依頼した事実を隠さない運用をおすすめします。

社員が SNS で自社のサービスを紹介してもよいですか?

紹介すること自体は問題ありませんが、販売や営業に関わる社員が宣伝として投稿する場合は事業者の表示に当たりうるため、宣伝であることが分かるように書きます。消費者庁の Q&A では、「◯◯社の社員です」と所属を書くだけでは、必ずしも明瞭とはいえないとされています。

プレスリリースを配信するのはステマになりますか?

会社名で出すプレスリリースは会社の発表であることが明らかなので、通常は問題になりません。媒体が自ら企画・編集した取材記事も原則として対象外ですが、通常の商慣習を超える謝礼を払って記事にしてもらう場合や、記事広告として掲載する場合は、「広告」「PR」などの表示が必要です。

まとめ

AI 検索で第三者の情報が使われることは確かですが、増やすべきなのは事実にもとづく正しい言及です。要点は次のとおりです。

  • サイテーションはリンクのない言及も含む第三者の言及で、まず自社で直せる掲載情報をそろえる
  • 業界団体・取引先・メディア・展示会には、会社を説明する一文と正式な社名・所在地・URL を渡す
  • 口コミはすべての顧客に同じ方法で、対価や評価の条件を付けずに依頼する
  • 依頼したことを隠した口コミ・紹介はステマ規制の対象になりうる。法律で問題になりにくくても Google のポリシーで禁止されている方法がある
  • 外部の掲載・クチコミ・AI の回答を決まった周期で記録して変化を見る

当社のSEO・AI検索(AIO)対策では、自社サイト・Google ビジネスプロフィール・外部サイトの会社情報をそろえる作業と、AI の回答の月次の記録を行っています。

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この記事は 2026年10月26日 に公開し、2026年10月26日 に内容を確認・更新しました。