「自社のサービス名で検索すると、AIによる概要に競合他社のページは引用されているのに、自社のページは出てこない」「制作会社から『AIモード対策』を提案されたが、何をすれば引用されるのか判断できない」。Google検索の上部に表示される「AIによる概要(AI Overviews)」と、対話形式で調べられる「AIモード」が日本語でも使えるようになり、こうした相談が増えています。
Contents
AIによる概要・AIモードとは:引用元はGoogle検索のインデックスから選ばれる Googleの公式見解:特別な最適化は不要で、SEOの基本がそのまま有効 引用元になるための前提条件:まず技術面を確認する 引用されやすいページの書き方:読者の質問に、自社の情報で、先に答える 見出しを質問の形にし、直後の1〜2文で答える 自社にしかない一次情報を入れる 比較や条件は表に、手順は番号付きのリストにする 誰が・いつ書いた情報かを示す 構造化データの役割と限界を知っておく ページの種類別:最初に直すページと書く内容 やってはいけないこと 効果の確かめ方:Search Console・GA4・手動の確認を組み合わせる 手動で確認するときの手順 よくあるご質問 AIによる概要やAIモードに自社のページを表示させたくない場合は、どうすればよいですか? 検索順位が低いページでも引用されることはありますか? FAQの構造化データは今も入れたほうがよいですか? AIによる概要とAIモードで、対策を分ける必要はありますか? まとめ
結論から言うと、AIによる概要・AIモードで引用されるために、AI専用の特別な最適化は必要ありません。Google検索に登録されてスニペット(検索結果の説明文)を表示できる状態にしたうえで、検索した人の質問に、自社にしかない情報で先に答えるページを作ることが、引用元に選ばれるための基本です。
この記事では、Googleが公式に説明している引用の仕組みと「やらなくてよいこと」、引用元になるための前提条件、引用されやすいページの書き方とページの種類別の直し方、やってはいけないこと、効果の確かめ方を、2026年10月時点の公式ドキュメントにもとづいて解説します。
AIによる概要・AIモードとは:引用元はGoogle検索のインデックスから選ばれる
AIによる概要とAIモードは、Google検索のインデックスに登録されたページを検索の仕組みで探し、その内容をもとに回答を作って、根拠となるページへのリンクを表示する機能です。
GoogleのAI機能とウェブサイトに関するドキュメント によると、AIによる概要は質問の要点を把握するための要約と関連リンクで、通常の検索結果より役に立つと判断された検索でだけ表示されます。AIモードは、比較や検討が必要な質問をまとめて投げかけられる対話形式の検索です。
どちらも、元の質問に関連する複数の検索を同時に行って回答を組み立てる「クエリ ファンアウト」という手法を使う場合があります。たとえば「コーポレートサイト 制作 費用」という質問に対して、「保守費用」「見積もりの内訳」のような関連する検索の答えになるページもリンクとして選ばれることがあります。
項目 AIによる概要 AIモード
表示される場面 通常の検索結果の上部。表示されない検索も多い 利用者がAIモードを選んで質問したとき
向いている質問 要点をすばやく知りたい質問 比較・検討が必要な質問、続けて聞く質問
引用されるページ Google検索のインデックスから、回答の根拠になるページ 同じ。ただし使うモデルや手法が異なるため、選ばれるリンクは同じとは限らない
つまり、引用元になれるかどうかは、まず「Google検索に登録され、検索で評価されているページかどうか」で決まります。Google以外のAIとの違いやSEOとの関係はSEOとLLMO(AIO・GEO)の違い で解説しています。
Googleの公式見解:特別な最適化は不要で、SEOの基本がそのまま有効
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件や特別な最適化はなく、通常のSEOのベストプラクティスがそのまま有効だと公式に説明しています。
2026年5月に公開されたGoogle検索の生成AI機能向けの最適化ガイド では、生成AI機能はGoogle検索の中核となる順位づけと品質の仕組みに基づいているため、生成AI向けの最適化はSEOそのものだという立場が示されています。同じガイドには、ネット上で広まっている対策のうちGoogle検索では必要のないものも挙げられています。主なものを、実務での扱い方とあわせて表にまとめます。
よく勧められる対策 Googleの公式の説明 実務での扱い
llms.txtなどAI向けのファイルを作る Google検索はこれらを使わない。作っても検索での表示や順位に良くも悪くも影響しない Google対策としては不要。ほかのAIサービス向けに置くのは自由
文章をAI向けに細かく分割する(チャンク化) 必要ない。理想的なページの長さもない 読者に必要な長さで書く
AI向けに文章を書き換える 生成AI検索のためだけの特別な書き方は不要。同義語や意味を理解できる 人が読んで分かりやすい構成にする(次章で解説)
検索語の言い回しごとにページを量産する 順位やAIの回答を操作する目的で行うと、スパムポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」に違反する 1つの話題は1ページで深く答える
外部サイトで自社の言及を不自然に増やす 不自然な言及は見た目ほど役に立たない 実際の取引・取材・事例紹介で言及される状態をつくる
AI向けの特別な構造化データを入れる 生成AI検索に構造化データは必須ではなく、特別なschema.orgのマークアップもない リッチリザルトのために、表示内容と一致させて使い続ける
「AIでの順位が分かる」外部ツールに頼る どの外部ツールもGoogle内部の順位づけやAIの仕組みにはアクセスできない 参考値として扱い、公式のレポートと手動の確認を優先する
Googleは2026年5月に、Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー が生成AIの回答にも適用されることを明確にしました。「AIに引用させる裏技」とうたう手法は、検索全体の評価を下げるおそれがあります。
Service
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引用元になるための前提条件:まず技術面を確認する
AIによる概要・AIモードでリンクとして表示されるには、ページがGoogleのインデックスに登録され、スニペット付きで表示できる状態であることが条件です。
条件を満たしても表示が保証されるわけではありませんが、満たしていなければ内容がどれだけ良くても引用元にはなりません。次の項目を上から順に確認します。
確認すること 確認する場所 よくある原因 担当の目安
1. 重要なページがインデックスに登録されているか Search Console「ページのインデックス登録」、URL検査 noindexの消し忘れ、canonicalの誤り、どこからも内部リンクがない 確認は社内、原因の修正は制作会社
2. スニペットを止める設定がないか ページのHTML(meta robots)、URL検査で取得したHTML nosnippet、max-snippet:0、data-nosnippetの付けすぎ 制作会社
3. Googlebotがクロールできるか robots.txt、サーバー・CDN・WAFのボット対策 セキュリティ設定でボットを一括で拒否している 制作会社・サーバー管理者
4. 「検索の生成 AI」設定が「含める」になっているか Search Console「設定」→「検索の生成 AI」 誤って「除外」を選んでいる(初期値は「含める」) 社内で確認
5. 重要な情報が文字で書かれているか ページの文字を選択できるか、ページのソースに文字があるか 料金表や会社概要が画像・PDFだけで載っている 確認は社内、修正は制作会社
6. 構造化データがページの表示と一致しているか リッチリザルト テスト、ページの表示 表示していない価格や住所を構造化データだけに書いている 制作会社
4つ目の「検索の生成 AI」設定は、2026年8月31日に全サイトで使えるようになったSearch Consoleの設定です(Search Console ヘルプ:検索の生成 AI 設定 )。初期値は「含める」なので、誰かが「除外」に変更していないかを確認すれば十分です。重要なページがインデックスに登録されない場合の調べ方は、Googleでインデックスされない理由と解決方法 を参考にしてください。
引用されやすいページの書き方:読者の質問に、自社の情報で、先に答える
引用されやすいページとは、検索した人の質問に見出しと最初の1〜2文で答え、その根拠として自社にしかない情報を示しているページです。
Googleは「生成AIのためだけの特別な書き方は不要」としています。一方で、最適化ガイドと有用で信頼性の高いコンテンツの作成に関するガイド では、独自の視点や経験にもとづく内容、見出しで構成が分かる文章、誰が作ったかが分かることを重視しています。以下はAI専用の技法ではなく、読者にとって分かりやすいページの条件で、ChatGPTなどGoogle以外のAIでも同じように役立ちます。
見出しを質問の形にし、直後の1〜2文で答える
見出しには読者が知りたいこと(「◯◯の費用はいくらか」など)を書き、その直後に答えを言い切り、条件や理由は後に続けます。答えが段落の最後にあると、読者にもAIにも要点が伝わりにくくなります。当社の保守サービスを例に、書き換えの前後を示します。
書き方 文章の例
変更前 「Webサイトの保守費用は、サイトの規模や作業内容、契約の形によって大きく異なります。まずは保守でどのような作業が必要かを整理しましょう。」(金額は段落の最後まで出てこない)
変更後 「当社のWebサイト保守は月2万円〜(税別)で、WordPress本体・プラグインの更新、週次のバックアップ、稼働監視が含まれます。軽微な修正などの更新作業も任せる場合は月3万円〜です。」
自社にしかない一次情報を入れる
Googleの最適化ガイドは、誰でも書ける一般的な知識をまとめただけのコンテンツより、経験や専門性にもとづく独自の内容を重視するとしています。中小企業が出しやすい一次情報は次のとおりです。
自社の料金と、その内訳・条件(何が含まれ、何が含まれないか)
作業の手順と、工程ごとの日数
対応できること・できないこと(地域、業種、規模、他社が制作したサイトへの対応など)
お客様から実際に受けた質問と、その回答
自社で試した設定や手順と、その結果(公開できる範囲の数字)
「◯◯とは」の定義だけで終わるページは、他社のページと区別がつきません。「自社の場合はどうするか」「どんな条件で変わるか」を書くことで、そのページを引用する理由が生まれます。
比較や条件は表に、手順は番号付きのリストにする
料金プランの違いや対応範囲のように複数の項目を比べる内容は表に、申し込みから納品までの流れのような順番のある内容は番号付きのリストにします。読者が必要な行だけを読めるうえ、項目と値の対応がはっきりします。
誰が・いつ書いた情報かを示す
ページの発信元(運営会社名と事業内容)と、公開日・更新日を表示し、会社概要のページへリンクします。Googleのガイドは、内容を実質的に変えずに日付だけを新しくすることを避けるべき行為として挙げています。変わりやすい情報は「2026年10月時点」のように確認した時点を本文に書き、内容を見直したときだけ更新日を変えます。
構造化データの役割と限界を知っておく
構造化データ(JSON-LD)は、会社名・所在地・記事の公開日などを機械が読める形で示すものです。Googleは、生成AI機能のために構造化データは必須ではないとする一方、リッチリザルトの対象になるために使い続けることを勧めています。
注意したいのは、「AI対策」としてよく勧められてきたFAQの構造化データです。Googleは2026年5月7日からFAQのリッチリザルトを検索結果に表示しなくなり、6月にはその解説ページも削除しました(Google 検索セントラルのドキュメント更新履歴 )。よくある質問をページに載せる価値は変わりませんが、マークアップを付けること自体で引用が増えるわけではありません。どの構造化データも、ページに表示している内容と一致させることが前提です。
ページの種類別:最初に直すページと書く内容
企業サイトで最初に直すのは、一般論のコラム記事より、発注を検討する人が質問しやすい「サービス」「料金」「よくある質問」「会社案内」「事例」のページです。
ページ 聞かれやすい質問の例 書く内容
サービスページ 「◯◯を頼める会社は?」「◯◯ではどんな作業をしてもらえる?」 冒頭の1〜2文でサービスの内容・対象・地域を説明する。含まれる作業と含まれない作業、期間、進め方
料金ページ 「◯◯の費用はいくら?」「月額はいくらかかる?」 プランごとの金額(税別か税込か)、含まれる内容、金額が変わる条件、別途かかる費用
よくある質問 「他社が作ったサイトでも頼める?」「どのくらいの期間で終わる?」 実際に受けた質問を疑問文の見出しにし、1文目で答え、2文目以降で条件や例外を書く
会社案内 「◯◯(社名)はどんな会社?」「どこにある?」 正式名称、所在地、事業内容(具体的なサービス名)、対応エリア、設立年
事例 「◯◯業のサイトを作った実績はある?」 業種・規模・課題・行ったこと・期間を、公開の許可を得た範囲で具体的に
コラム記事 「◯◯とは?」「◯◯のやり方は?」 定義は短くし、自社の手順・判断基準・確認した時点を書く。関連するサービスページへのリンク
会社案内の書き方と、社外に載っている会社情報のそろえ方は、ChatGPTで自社が出てこない理由と、会社情報をAIに正しく伝える方法 で詳しく解説しています。
やってはいけないこと
ユーザーに見えない文章を入れる、言い回しごとにページを量産する、日付だけを更新するといった「AIに引用させるための操作」は、Googleのスパムポリシーや品質の考え方に反し、検索全体の評価を下げるおそれがあります。
行為 避ける理由
AI向けの文章を隠しテキストで埋め込む スパムポリシーの「隠しテキストと隠しリンクの不正使用」に当たる
関連する検索語ごとに似たページを大量に作る、生成AIの記事を確認せずに大量公開する 「大量生成されたコンテンツの不正使用」に当たる。ページ数を増やしてもサイトの品質は上がらない
内容を変えずに更新日だけ新しくする Googleのガイドが、ページを新しく見せるために日付だけ変える行為を避けるよう求めている
架空の著者や監修者を載せる Googleのガイドは、虚偽の著者情報を欺く行為としている
ページ全体にnosnippetを付ける スニペットにもAIによる概要にも使われなくなる。表示を止めたい場合以外は付けない
効果の確かめ方:Search Console・GA4・手動の確認を組み合わせる
効果は、Search Consoleの「生成 AI パフォーマンス レポート」でAI機能での表示回数を、GA4で検索からの訪問と問い合わせを、手動の確認で回答の中身を見て、3つを合わせて判断します。
確認するもの 場所 分かること 分からないこと・注意
AI機能での表示 Search Console「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」 AIによる概要・AIモードで自社へのリンクが表示された回数。ページ・国・デバイス・日付別 クリック数は出ない。表示が少ないサイトではレポートが表示されないことがある
検索全体の表示とクリック Search Console「検索パフォーマンス」(検索タイプ「ウェブ」) 通常の検索とAI機能を合わせた表示回数・クリック数・検索語 AI機能の分だけを切り分けることはできない
サイトに来た後の行動 GA4「オーガニック検索」チャネルのランディングページとキーイベント 検索から来た人が最初に見たページと、問い合わせにつながったか AIによる概要・AIモード経由の訪問は、通常の検索からの訪問と区別できない
回答の中身 Googleで実際に検索して確認 自社が引用されているか、説明が正しいか、一緒に挙がる会社 回答は検索のたびに変わることがある
生成 AI パフォーマンス レポートは、2026年6月に一部のサイトで始まり、8月31日に全サイトへ提供されました(Google 検索セントラル ブログ 、Search Console ヘルプ )。書き直したページの表示回数を、書き直しの前後の期間で比べると効果を確かめやすくなります。
手動で確認するときの手順
自社のサービスについて、発注を検討する人が入力しそうな質問を10〜20個決める(例:「コーポレートサイト 保守 月額」「他社が作ったホームページ 修正 頼める」)
月に1回、同じ質問をGoogle検索とAIモードで入力し、AIによる概要が表示されたか、自社のページがリンクされたかを確認する
引用されたページのURL、説明が正しいか、一緒に挙がった会社名を表に記録する
引用されていない質問は、その質問に答えている自社のページがあるか、そのページがSearch Consoleでどの検索語で表示されているかを確認する
3か月分の記録を並べ、書き直したページの前後で変化を比べる
回答は検索のたびに変わることがあるため、1回の結果で判断しないことが大切です。GA4でAI経由の訪問を確認する手順は、ChatGPTやAI検索からの流入をGA4で確認する方法 で解説しています。
よくあるご質問
AIによる概要やAIモードに自社のページを表示させたくない場合は、どうすればよいですか?
サイト全体ならSearch Consoleの「検索の生成 AI」設定で「除外」を選び、ページ単位ならnosnippetやdata-nosnippetなどのプレビュー制御を使います。robots.txtでGoogle-Extendedを拒否しても、Google検索への掲載には影響しないため、AIによる概要の表示は止まりません。
検索順位が低いページでも引用されることはありますか?
可能性はあります。関連する複数の検索を同時に行う手法により、Googleは通常の検索より幅広いリンクを表示できると説明しています。ただし、引用元は同じ順位づけと品質の仕組みで選ばれるため、検索で評価されていないページの引用は期待しにくいのが実情です。
FAQの構造化データは今も入れたほうがよいですか?
Googleは2026年5月7日からFAQのリッチリザルトを表示していないため、検索結果の見た目を変える目的では効果がありません。よくある質問をページに載せること自体は読者の役に立つため、続ける価値があります。構造化データは、会社情報(Organization)やパンくずリストなど、表示内容と一致させられるものを正しく整えることを優先します。
AIによる概要とAIモードで、対策を分ける必要はありますか?
分ける必要はありません。どちらもGoogle検索のインデックスと順位づけの仕組みを使い、Googleは追加の要件はないとしています。使うモデルや手法が異なるため表示されるリンクが違うことはありますが、確認する前提条件とページの書き方は同じです。
まとめ
AIによる概要・AIモードの引用元は、Google検索のインデックスから、通常の検索と同じ順位づけと品質の仕組みで選ばれます。Googleは特別な最適化は不要としており、やるべきことは、インデックス登録・スニペット表示・クロールの許可といった前提条件を満たしたうえで、読者の質問に見出しと最初の1〜2文で答え、自社にしかない料金・手順・事例で裏付けるページを作ることです。効果は、生成 AI パフォーマンス レポート、GA4、手動の確認を月1回続けて判断します。
当社のSEO・AI検索(AIO)対策 では、検索順位に加えて、AIモードを含むAI検索で自社がどう説明されているかを毎月記録し、サービスページ・料金・FAQ・会社案内を「質問に先に答える」構成に書き直します。診断・初期対応は20万円〜(税別)で、順位やAIの回答に変化が出るまでは通常3〜6か月を見込みます。
関連記事:LLMO(AIO)対策とは:中小企業のサイトで今日からできる10項目 /AIクローラーをrobots.txtで許可すべきか /ChatGPTやAI検索からの流入をGA4で確認する方法