「E-E-A-T を意識したサイトにしましょう」と言われても、従業員数十名の会社のサイトで何をすればよいのかは分かりにくいものです。専門家の監修者を立てる、記事ごとに著者のプロフィールを作る、といった大きなメディア向けの対策は、そのまま中小企業の会社サイトに当てはまるわけではありません。
Contents
E-E-A-T とは:信頼できる情報かを見る4つの観点 E-E-A-T について誤解しやすい3つの点 1. E-E-A-T はランキング要因そのものではない 2. 品質評価者が個々のサイトの順位を決めているわけではない 3. AI 検索でも土台は変わらない 中小企業サイトで E-E-A-T を示す6つの方法 1. 運営者情報:誰が責任を持つサイトかを明らかにする 2. 実績:数字は数え方と時点を添える 3. 事例:自社にしか書けない経験を書く 4. 書き手・監修:実在する発信者を正確に示す 5. 公開日・更新日:表示と構造化データをそろえる 6. 出典:変わりやすい事実は公式情報にリンクする 業種別:優先して示す情報 E-E-A-T のチェックリスト 当社サイトでの実装例 やってはいけないこと よくあるご質問 記事に個人の著者名を出さないと評価されませんか? 実績が少ない小さな会社はどうすればよいですか? 監修者は付けたほうがよいですか? AI で書いた文章は不利になりますか? E-E-A-T が良くなったかはどう確かめますか? まとめ
E-E-A-T は Google がコンテンツの信頼性を見分けるための観点であり、それ自体が順位を決める要因ではないため、中小企業の会社サイトでは「誰が運営し、何をしてきた会社か」を読む人が確かめられる事実(運営者情報・実績・事例・書き手・更新日・出典)をページに載せることが、E-E-A-T を示すいちばん確実な方法です。
この記事では、Google の公式の説明をもとに E-E-A-T の意味と誤解しやすい点を整理し、中小企業サイトでの示し方、業種別に優先する情報、チェックリスト、当社サイトで実際に行っている実装を紹介します。
E-E-A-T とは:信頼できる情報かを見る4つの観点
E-E-A-T は、経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)の頭文字で、4つのうち最も重要なのは信頼性です。
Google は、有用で信頼できるコンテンツを見分けるときの観点として E-E-A-T を説明しています。以前は E-A-T と呼ばれていましたが、2022年12月に「経験」が加わりました。Google によれば、4つのうち信頼性が最も重要で、ほかの3つは信頼性を支える要素であり、すべてを満たさなければならないわけではありません。健康、お金、安全、社会の福祉に大きく関わるテーマ(YMYL:Your Money or Your Life)では、E-E-A-T がより重視されます(Google 検索セントラル:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 )。
要素 意味 中小企業の会社サイトで示すもの
経験(Experience) 実際に行った・使った経験にもとづいているか 自社で手がけた事例、現場や工程の写真、実際の手順、やり方を変えた理由
専門性(Expertise) その分野の知識や技能があるか 資格・許認可、有資格者や技術者の在籍、設備、専門分野の具体的な解説
権威性(Authoritativeness) その分野の情報源として認められているか 業界団体への加盟、認証、表彰、取引先やメディアでの紹介(第三者の言及)
信頼性(Trustworthiness) 正確で、正直で、安全で、信頼できるか 正確な会社情報と連絡先、料金や条件の明示、出典、公開日・更新日、https
信頼性の意味は、Google が公開している検索品質評価ガイドラインの概要資料で「ページが正確で、正直で、安全で、信頼できる程度」と説明されています。同じ資料では、サイトの責任者が誰かが明確であること(別名やユーザー名でもよい)も確認の観点に挙げられています(Google:検索品質評価ガイドラインの概要 )。
E-E-A-T について誤解しやすい3つの点
E-E-A-T は「点数を上げるための作業リスト」ではなく、読む人が信頼してよいかを判断できる材料をそろえるための考え方です。
1. E-E-A-T はランキング要因そのものではない
Google は、E-E-A-T 自体は順位に直接影響する要因ではなく、E-E-A-T の優れたコンテンツを見分けるために複数の要素を組み合わせて使っていると説明しています。SEO スターター ガイド でも、E-E-A-T はランキング要因ではないと書かれています。著者欄や監修者の表示を付けただけで順位が上がるわけではなく、ページの中身が正確で役に立つことが前提です。
2. 品質評価者が個々のサイトの順位を決めているわけではない
Google は、検索の仕組みが意図どおりに働いているかを確かめるために、検索品質評価者に検索結果を評価してもらっています。評価者は E-E-A-T の判断について訓練を受けていますが、ページの掲載順位を操作することはできず、評価のデータが順位のアルゴリズムに直接使われることもありません。評価ガイドラインは「Google が目指す良いページの姿」を知る参考資料として読むのが適切です。
3. AI 検索でも土台は変わらない
Google の「AI による概要」や AI モードは、通常の検索と同じコアのランキング・品質のシステムの上に作られており、表示されるための特別なファイルやマークアップは必要ないと Google は説明しています(Google 検索セントラル:生成 AI 機能に向けた最適化のためのガイド )。信頼できる情報をそろえることは、検索結果と AI の回答の両方に共通する土台です。
Service
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中小企業サイトで E-E-A-T を示す6つの方法
中小企業の会社サイトでは、新しいページを増やすより先に、運営者情報・実績・事例・書き手・公開日と更新日・出典の6つを、読む人が確かめられる形で既存のページに載せます。
方法 載せる場所 具体的に書くこと 主に示す要素
1. 運営者情報 会社案内、全ページのフッター 正式名称、所在地、代表者、設立、事業内容、許認可・登録番号、連絡方法と返信の目安 信頼性
2. 実績 トップ、サービス、会社案内 取引実績のある業種、件数(数え方と時点)、有資格者・設備、認証 専門性・権威性
3. 事例 事例・実績のページ 課題、対応、結果、工程、期間、写真。社名を出せない場合は業種・規模・課題 経験
4. 書き手・監修 記事・コラム、専門的な解説 書き手(個人名、または会社・部署名)、経歴、監修者の資格と監修した範囲 専門性・信頼性
5. 公開日・更新日 記事、料金、制度の解説 公開日と更新日を表示し、内容を確認・修正したときに更新する 信頼性
6. 出典 記事、料金、制度・法令の解説 法令・統計・ツールの仕様は公式情報にリンクし、確認した時点を書く 信頼性
1. 運営者情報:誰が責任を持つサイトかを明らかにする
会社案内に正式名称・所在地・代表者・設立・事業内容を、登記や名刺と同じ表記で載せ、全ページのフッターから会社案内へリンクします。取引先が確認する適格請求書発行事業者の登録番号、業種によっては許認可の番号も載せます。項目と表記のそろえ方はホームページの会社概要の書き方 で詳しく解説しています。
2. 実績:数字は数え方と時点を添える
制作件数・施工件数・取引社数などの数字を載せるときは、何を数えたか、いつ時点かを書きます。取引先の社名は掲載の許可を得たものだけにし、許可がない場合は業種で示します。「業界No.1」「満足度◯%」のように根拠を示せない表現は、信頼を下げるだけでなく、景品表示法の優良誤認表示に当たるおそれがあります。消費者庁は、効果や性能の表示について合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、提出できなければ不当表示とみなされる仕組みを設けています(消費者庁:表示規制の概要 )。
3. 事例:自社にしか書けない経験を書く
Google は、コンテンツがどのように作られたかを示すことは読む人にとって有用だとしています。会社サイトでいえば、事例ページに「どんな課題に、どの工程で、どれくらいの期間をかけて、どう対応したか」を、写真や数字とともに書くことが経験を示すことにつながります。一般論の説明だけでは、ほかのサイトとの違いが出ません。お客様の声を載せる場合は、実在するお客様の了承を得て、内容を変えずに載せます。
4. 書き手・監修:実在する発信者を正確に示す
Google は、著者情報が期待されるコンテンツには正確なバイライン(署名)を付けること、虚偽の著者情報を使わないことを求めています。個人名を出さない方針の会社は、会社名や部署名で発信者を示し、会社案内へリンクして責任の所在を確かめられるようにします。監修者を載せる場合は、実在し、本人の了承を得た人だけにし、資格と監修した範囲を書きます。構造化データ(Article)では、著者に人なら Person、組織なら Organization を使い、名前の欄には名前だけを入れます(Google 検索セントラル:記事(Article)の構造化データ )。
文章の作成に AI を使う場合、Google は、生成 AI の出力には誤りが含まれうるため、公開前にすべての内容を人が事実確認することが欠かせないとしています。自動化を大きく使った場合は、その使い方を読む人に説明することも勧めています(Google Search Central:Guidance on Generative AI Content )。
5. 公開日・更新日:表示と構造化データをそろえる
記事や制度の解説には、「公開」「更新」と分かる形で日付を目立つ場所に表示し、構造化データの datePublished・dateModified と同じ日付にします。未来の日付や、ページに書いた出来事の日付は入れません(Google Search Central:Byline dates )。内容を変えずに日付だけを新しくすることは、Google が自己評価の質問の中で注意を促している行為です。
6. 出典:変わりやすい事実は公式情報にリンクする
補助金・法令・ツールの仕様・統計のように変わりやすい事実は、官公庁や公式ヘルプのページにリンクし、「2026年10月時点」のように確認した時点を書きます。出典があると、読む人が自分で確かめられるうえ、古くなったときに見直す場所も分かります。
業種別:優先して示す情報
読む人が確かめたいことは業種によって違うため、6つの方法のうち、自社の業種で問い合わせ前に確認される情報から先に整えます。
業種 読む人が確かめたいこと 優先して載せる情報
製造業 仕様に合うか、品質と納期を任せられるか 設備一覧、加工できる材質・サイズ・ロット、品質管理の体制、認証の範囲、加工事例
物流・運輸 安全に、指定どおりに運べるか 許認可、対応エリア・車両、保管の設備、安全への取り組み、取扱品目の事例
医療・介護・福祉 安心して任せられるか(健康に関わるため YMYL に近い) 有資格者の在籍、サービスの内容と料金、制度の説明と出典、監修者、施設の写真
建設・不動産 許可を持つ実在の会社か、実績はあるか 許可・免許の番号、所属団体、施工・取扱の実績、有資格者
IT・ソフトウェア 導入して問題が起きないか 機能と料金、導入事例、セキュリティの体制、サポートの範囲
士業・コンサルティング 専門家として信頼できるか(お金・法律に関わる) 担当者の資格と経歴、所属する会、報酬の目安、解説記事の出典と更新日
E-E-A-T のチェックリスト
次の項目を公開前と年に1回確認すると、E-E-A-T にかかわる情報の抜けと古さを防げます。
区分 確認すること 確認の方法
運営者 全ページから会社案内に移動できるか フッターとメニューを確認する
運営者 社名・所在地・代表者が登記や名刺と同じ表記か 登記事項証明書、名刺と照らし合わせる
運営者 連絡方法と返信の目安が書かれているか 問い合わせページを確認する
実績 件数に数え方と時点が書かれているか トップ・会社案内の数字を確認する
実績 取引先の社名は掲載の許可を得ているか 許可の記録と照らし合わせる
事例 課題・対応・結果が自社の言葉と数字で書かれているか 事例ページを読み、一般論だけの箇所を探す
書き手 記事の発信者(個人または会社)が分かるか 記事ページの上部・末尾を確認する
書き手 監修者は実在し、了承と監修範囲が明記されているか 監修の依頼記録を確認する
日付 公開日・更新日が表示され、構造化データと一致しているか ページの表示と、Google のリッチリザルト テストを確認する
出典 法令・制度・料金相場に公式の出典があるか リンク切れと内容の変更を確認する
正確さ 終了したサービスや改正前の制度が残っていないか 記事を1本ずつ見直す
表現 根拠のない「No.1」「必ず」などがないか サイト内を検索する
安全 すべてのページが https で表示されるか ブラウザで主要ページを開く
会社情報は構造化データ(Organization)でも同じ値を記述しておくと、検索エンジンが会社を正しく理解しやすくなります。書き方は構造化データ Organization の書き方 で解説しています。
当社サイトでの実装例
当社は2026年10月に自社サイトをリニューアルし、運営者・料金・実績・記事の書き手と日付について「読む人が確かめられる事実」を増やしました。
行ったこと 内容 対応する観点
会社概要の整備 所在地の表記を法人番号公表サイトの本店所在地と一致させ、適格請求書発行事業者の登録番号、顧問税理士・顧問弁護士、取引実績のある業種を掲載。会社情報の構造化データを会社概要の表と同じ値にした 信頼性
料金と進め方の公開 料金ページで料金を公開し、制作の流れ、Web制作ガイドライン、役務提供に関するポリシーを掲載 信頼性
制作実績の公開方法 掲載許諾の方針により社名・URL・画面は出さず、業種・サイトの種類・構成・設計の考え方を1件ずつ35件公開 経験・専門性
記事の発信者と日付 記事ごとに公開日と更新日を表示し、構造化データ(Article)にも同じ日付を記述。発信者は運営会社として示し、記事の末尾から会社案内へリンク 信頼性
記事の棚卸し 公開していた185本を1本ずつ見直し、内容が重なる記事の統合、古い情報の書き直し、テーマと関係のない記事(ほかの会社のサービスの評判記事など)の整理を実施。事実は公式情報で確認して出典をリンクする方針にした 信頼性・専門性
社名を出せない実績でも、業種・構成・判断の理由を具体的に書けば、経験と専門性は伝えられます。中小企業の多くは取引先の社名を公開できないため、この書き方は応用しやすい方法です。
やってはいけないこと
E-E-A-T を「見せかける」ための表示は、見抜かれたときに信頼を大きく損なうため、事実と違う情報は載せません。
架空の著者や監修者、実在しない資格・経歴を載せる
根拠を示せない「No.1」「満足度◯%」「必ず成果が出る」を書く
内容を確認・修正していないのに更新日だけを新しくする
依頼したことを隠して口コミや推薦コメントを書いてもらう(景品表示法のステルスマーケティング規制の対象になりえます。詳しくはサイテーションとAI検索、ステマ規制 で解説しています)
AI で一般論の記事を大量に作って公開する(Google のスパムに関するポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」に当たるおそれがあります)
事業と関係のないテーマの記事で検索流入だけを集める
よくあるご質問
記事に個人の著者名を出さないと評価されませんか?
著者名がないことだけで評価が決まるわけではありません。会社として発信する記事であれば、会社名や部署名で発信者を示し、会社案内で責任の所在を確かめられるようにすれば信頼性は示せます。健康・お金・法律など専門家の判断が求められるテーマでは、資格を持つ担当者の名前と経歴を出すことを検討します。
実績が少ない小さな会社はどうすればよいですか?
件数よりも中身で示します。1件の事例を、課題・対応・結果・工程まで具体的に書く方が、件数だけを並べるより経験が伝わります。創業前に積んだ経験は、事実の範囲で代表者のプロフィールや会社案内に書けます。
監修者は付けたほうがよいですか?
医療・介護・法律・税務など YMYL に当たるテーマの解説では、資格を持つ監修者がいると読む人が判断しやすくなります。一般的なサービス紹介や会社案内では必須ではありません。付ける場合は、実在し本人の了承を得た人だけにし、監修した範囲を明記します。
AI で書いた文章は不利になりますか?
Google は、生成 AI はテーマの調査や独自のコンテンツの構成づくりに役立つとする一方で、AI の出力には誤りが含まれうるため、公開前に人が事実を確認することを求めています。価値を加えずに大量に作ることはスパムに関するポリシー違反になりえます。AI を使う場合も、自社の事例・数字・判断を加え、事実を確かめてから公開します。
E-E-A-T が良くなったかはどう確かめますか?
E-E-A-T 自体の点数はありません。社名での検索数(指名検索)、問い合わせの件数と内容、Search Console の表示回数、AI に自社のことを聞いたときの回答の正確さなど、信頼の結果として表れる数字を月ごとに記録して比べます。
まとめ
E-E-A-T は順位を直接決める要因ではなく、読む人と Google が「信頼してよいか」を判断するための観点です。要点は次のとおりです。
4つのうち最も重要なのは信頼性で、中小企業サイトでは確かめられる事実を載せることが基本
運営者情報・実績・事例・書き手・公開日と更新日・出典の6つを、既存のページに加える
業種ごとに問い合わせ前に確認される情報から優先して整える
架空の著者、根拠のない No.1 表示、日付だけの更新、依頼を隠した口コミはしない
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