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LLMOの計測ツールと効果測定:AI検索での引用を確かめる方法と記録表

公開 読了 約16分

AI検索への対策を始めると、次に悩むのが「効果をどう測るか」です。ChatGPTやGoogleのAIによる概要で自社が紹介されているのか、紹介されて訪問や問い合わせにつながっているのかを、社内に数字で報告したい。その一方で、「AIでの表示順位が分かる」とうたう有料ツールの案内も届き、何を使えばよいのか判断しにくくなっています。

結論から言うと、LLMO(AI検索)の効果は1つのツールでは測れず、AIでの表示はSearch Console(Google)とBing Webmaster Tools(Copilotなど)、AIからの訪問と問い合わせはGA4、回答の中身は決めた質問での手動確認で測るのが基本です。確認する質問が30個程度までの会社サイトなら、無料の公式ツールと手動確認の組み合わせで足ります。

この記事では、測りたいこと別のツールの使い分け、無料で足りるかの判断基準、手動確認の手順と記録表、有料ツールを検討する条件と確かめる点を、2026年10月時点の各社の公式情報にもとづいて解説します。各ツールの画面の詳しい見方は個別の記事に任せ、ここでは「何で、何を測るか」の組み立てに絞ります。

LLMOの効果測定で測ること:4つに分ける

LLMOの効果は「AIに読まれているか」「AIの回答に表示・引用されたか」「AIから訪問と問い合わせが来たか」「回答の中身が正しく、自社が候補に挙がるか」の4つに分け、それぞれに合う手段で測ります。

測ること手段(ツール)費用分かること分からないこと
読まれているかサーバーのアクセスログ、robots.txt無料(サーバーの機能による)AIの検索用クローラーがどのページを読みに来たか、拒否していないか読んだ内容が回答に使われたか
表示・引用(Google)Search Console「生成 AI パフォーマンス レポート」無料AIによる概要・AIモードで自社へのリンクが表示された回数(ページ・国・デバイス・日別)クリック数、どの質問で表示されたか
表示・引用(Microsoft)Bing Webmaster Tools「AI Performance」無料Copilotなどで引用された回数、引用されたページ、AIが情報を探すのに使った語句の一部回答のなかでの位置や紹介のされ方
訪問・問い合わせGA4(「AI アシスタント」チャネル、キーイベント)無料ChatGPT・Gemini・ClaudeなどのAIのリンクから来た訪問、着地したページ、問い合わせ回答を読んだだけの人。GoogleのAI機能からの訪問は「オーガニック検索」に含まれ、分けられない
訪問・問い合わせ(間接)Search Console「検索パフォーマンス」(社名を含む検索語)無料AIで知った人が社名で検索し直した動きの目安増えた理由がAIかどうか
回答の中身決めた質問をAIに入力して記録(手動確認)無料(作業時間)自社が候補に挙がるか、説明が正しいか、どのページが引用されたか確認した質問以外での扱い
回答の中身(自動)有料のAI可視性ツール月額(ツールによる)多数の質問の定期確認、競合との言及の比較Google内部の評価。ツールが決めた条件以外での回答

この表のうち、公式に数字が出るのは表示・引用と訪問の「量」までです。どの質問でどう紹介されたかという「中身」は、どの公式ツールでも分からないため、手動確認か有料ツールで補います。

無料で使える公式ツールの役割

公式の無料ツールは、Search ConsoleがGoogleのAI機能での表示、Bing Webmaster ToolsがCopilotなどでの引用、GA4がAIからの訪問、アクセスログがAIのクローラーの巡回を受け持ち、それぞれ測れる範囲が違います。

Search Console の生成 AI パフォーマンス レポート

AIによる概要とAIモードで、自社のページへのリンクが表示された回数を確かめるレポートで、2026年8月31日にすべてのサイトに提供されました。Googleも生成AI機能向けの最適化ガイドで、生成AI機能でのパフォーマンスの測定にこのレポートを使うよう案内しています(Google 検索セントラル:生成 AI 機能向けの最適化ガイド)。指標は表示回数だけで、検索語句での絞り込みはありません。画面の見方と月次の記録の方法は、Search Consoleの生成AIレポートの見方で解説しています。

Bing Webmaster Tools の AI Performance

Microsoft Copilot、BingのAIによる要約、一部の提携先のサービスで、自社のページが情報源として引用された状況を確かめるレポートです。2026年2月に公開プレビューとして始まりました(Bing Webmaster Blog)。Bing Webmaster Toolsにサイトを登録すると、次の項目を見られます。

  • 引用の合計:期間中にAIの回答で情報源として示された回数
  • 引用されたページの数:1日あたりに引用された自社のページの数の平均
  • AIが情報を探すときに使った語句(grounding queries):引用全体のうちの一部の例
  • ページ別の引用の数と、引用の推移

2026年6月には、語句を目的別に分ける「意図」、テーマ別にまとめる「トピック」、ある語句での引用のうち自社が占める割合「引用シェア」、前の期間との比較が、プレビューとして加わりました(Bing Search Blog)。Microsoftは、引用シェアは観察のための指標で、順位や競合との勝ち負けを示すものではないと説明しています。Search Consoleの生成AIレポートでは分からない「どんな語句で引用されたか」の例が見られるため、手動確認の質問を選ぶ材料にもなります。

GA4 の「AI アシスタント」チャネル

ChatGPT・Gemini・Claude・CopilotなどのAIの回答のリンクから来た訪問を、2026年5月に加わった「AI アシスタント」チャネルで確かめられます。ChatGPTは回答内のリンクに utm_source=chatgpt.com を自動で付けると、OpenAIが案内しています(OpenAI:Publishers and Developers FAQ)。GoogleのAIによる概要・AIモードからの訪問は「オーガニック検索」に入るため、Search Consoleで補います。確認の手順はGA4でChatGPT・AI検索からの流入を確認する方法にまとめています。

サーバーのアクセスログ

AIのクローラーがページを読みに来た記録は、GA4には表れず、サーバーのアクセスログで確かめます。OAI-SearchBot(ChatGPTの検索)、PerplexityBotなど、検索用のクローラーの名前で記録を絞り込み、サービスや料金のページが読まれているかを見ます。ログの見方はサーバーによって違うため、サーバー会社や制作会社に確認します。クローラーの種類と許可の考え方はAIクローラーをrobots.txtで許可すべきかで解説しています。

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中小企業は無料の組み合わせで足りるか:判断の基準

確認する質問が30個程度まで、対象が1社・1つの事業で、競合との比較を毎月の報告に入れる必要がなければ、有料ツールを使わず無料の組み合わせで足ります。

判断の項目無料の組み合わせで足りる有料ツールを検討する
確認する質問の数30個程度まで、月1回50個を超える、または毎週確かめたい
対象1社・1つの事業・日本語複数のブランドや事業、複数の言語
競合との比較数社を手動の記録で見れば足りる競合との比較を定期的に経営層へ報告する
担当者の時間月に半日ほど確保できる確保できない、担当者が変わっても同じ条件で続けたい
計測の土台Search Console・GA4・手動の記録をこれから始める無料の計測がすでに回っていて、足りない部分がはっきりしている

手動確認にかかる時間は「質問の数×AIの数×回数」で見積もれます。例:20個の質問を4つのAIで2回ずつ確かめると月160回の入力になり、1回1〜2分なら3〜5時間ほどです。この時間を確保できるうちは手動で十分で、確保できなくなったときが有料ツールを検討する目安になります。先に手動で3か月ほど記録を続けると、どの質問で変化が出やすいかが分かり、有料ツールを使う場合も質問を選びやすくなります。

手動確認の手順と記録表

手動確認は、質問を型ごとに決め、同じ条件で毎月入力し、自社の言及・引用・説明の正しさを1回ずつ記録して、月ごとに集計します。

質問の決め方:5つの型

質問の型例(架空の板金加工会社の場合)確かめること
社名を直接聞く例:「◯◯株式会社はどんな会社ですか」所在地・事業内容・設立などが正しいか
地域+業種例:「埼玉県で精密板金の試作を頼める会社は」候補として挙がるか、何番目か
課題例:「ステンレスの薄板を溶接するとゆがむのはなぜ」自社の記事やページが引用されるか
費用・条件例:「板金の試作を1個だけ頼むと費用はどのくらい」料金のページが使われるか、金額が正しいか
比較例:「◯◯株式会社と△△株式会社の違いは」違いが事実どおりに説明されるか

質問は、営業や問い合わせで実際に聞かれたこと、Search Consoleで表示回数の多い検索語句、Bing Webmaster ToolsでAIが使った語句から選ぶと、見込み客の聞き方に近づきます。

確認の手順

  1. 質問を10〜20個決め、5つの型に2〜4個ずつ振り分ける
  2. 確認するAIを決める(例:ChatGPT、Gemini、Perplexity、GoogleのAIモード、Microsoft Copilot)。AIモードは2025年9月9日から日本語で順次提供されています(Google 公式ブログ)
  3. 条件をそろえる。毎月同じ週に、同じ端末・同じログインの状態で行う。ChatGPTは一時チャットを使い、個人に合わせない設定にすると、メモリーやカスタム指示を使わずに回答します(OpenAI ヘルプ:一時チャット)
  4. 1つの質問を2〜3回ずつ入力する。AIの回答は、同じ質問でも毎回変わるため
  5. 回答ごとに記録表へ1行ずつ書き、回答の画面か文章を保存する
  6. 月末に集計し、言及率・引用の数・誤りの数を前月と比べる
  7. 言及されない質問や誤りのある質問について、その質問に答える自社のページがあるか、会社情報が古くないかを確かめて直す

記録表の例

記録表は、1回の入力を1行にします(内容は説明のための架空の例です)。

確認日AI質問(型)回自社の言及引用された自社のページ説明の正しさ一緒に挙がった会社
例:10月6日ChatGPT埼玉県で精密板金の試作を頼める会社は(地域+業種)1あり(3社中2番目)試作のサービスページ正しい3社
例:10月6日ChatGPT同上2なし——4社
例:10月6日Gemini◯◯株式会社はどんな会社ですか(社名)1あり会社概要誤り(移転前の所在地)—

月ごとの集計

記録表の行を数え、月ごとに次の3つを出します。

  • 言及率:自社が挙がった回数÷確認した回数。社名を直接聞く質問は、挙がるのが当然なので計算から外す
  • 引用の数:回答に自社のページへのリンクが付いた回数と、引用されたページの一覧
  • 誤りの数:事実と違う説明の件数と、その内容
月確認した回数自社の言及(言及率)自社のページの引用誤り
例:7月120回18回(15%)9回3件
例:8月120回24回(20%)12回1件
例:9月120回27回(23%)15回0件

件数が少ないうちは、率よりも回数と中身の変化を見ます。誤りが出た質問は、AIがどこの情報を使ったかを回答の出典から探し、外部の古い掲載や自社サイトの古い記述を直します。直したあとも同じ質問を続けて記録し、誤りが消えたかを確かめます。

有料ツールを検討する条件と、確かめること

有料のAI可視性ツールは、多数の質問を自動で定期的に確かめ、競合と比べる作業を省くためのもので、手動の確認が回らなくなってから、試用で日本語の質問を確かめたうえで検討します。

次の表は、2026年10月24日に各社の公式サイトで確認できた製品の例です。機能と料金は各社の説明を整理したもので、当社が性能を評価したものではありません。料金は米ドルで、変わることがあります。

製品公式サイトに書かれている主な機能対象として書かれているAI料金の記載
Ahrefs Brand RadarAIの回答での言及・引用の数、競合と比べたAIでのシェアAIによる概要、AIモード、ChatGPT、Perplexity、Gemini、Copilot(独自の質問の追跡ではClaudeも)AI Visibility Index 月199ドル〜、独自の質問の追跡 月50ドル〜(Ahrefsの有料プランには一定数を含む)
Semrush AI Visibility ToolkitAIでの見え方の比較、質問の調査と追跡、AIクローラーの確認GoogleのAIモード、ChatGPTなど月99ドル(有料の追加ツール)
Otterly.AI決めた質問へのAIの回答の定期確認ChatGPT、GoogleのAIによる概要、Perplexity、Copilot(Claude・AIモード・Geminiは追加料金)月29ドル(15の質問)〜

契約の前には、次の点を試用や問い合わせで確かめます。

  • 日本語の質問と、日本の地域の設定で確かめられるか(公式サイトに記載がない場合は試用で確かめる)
  • 対象のAIと、確認の頻度(毎日・毎週など)
  • 登録できる質問の数の上限と、増やしたときの料金
  • 数字の出し方:実際の回答を集計した値か、検索数などから推計した値か
  • データを書き出せるか、解約したあとも記録が手元に残るか
  • 最低契約期間と、試用の有無

どのツールの数字も、そのツールが決めた条件でAIに質問した結果の集計です。Googleは前述の最適化ガイドで、サードパーティのツールがGoogle内部のランキングシステムやAIシステムにアクセスすることはできないと明記しています。「AIでの順位」や「スコア」は参考値として扱い、Search Console・Bing Webmaster Tools・GA4の数字と自社の記録を判断の軸にします。

計測の始め方と、毎月の流れ

計測は、最初の月に基準となる数字を記録し、その後は毎月同じ時期に同じ手順で数字を集め、その月に直したページと一緒に1枚にまとめます。

  1. 準備(初月):Search Console・GA4の権限を確かめ、GA4で問い合わせ完了などのキーイベントを設定し、Bing Webmaster Toolsにサイトを登録する。手動確認の質問のリストを決める
  2. 基準値の記録(初月):生成AIレポートの表示回数、Bingの引用の合計、AIアシスタント経由の訪問、社名を含む検索語の表示回数、手動確認の言及率を書き残す
  3. 毎月の書き出し(月初):前月分の数字を同じ手順で書き出す。直近のデータは暫定値で変わることがあるため、月が変わって数日たってから行う
  4. 手動確認(毎月同じ週):質問のリストを同じ条件で入力し、記録表を集計する
  5. 1枚にまとめる:数字の前月比と、その月に直したページ、分かったこと、来月直すことを書く
  6. 質問の見直し(3か月ごと):言及が続かない質問の言い方を見直し、新しいサービスや季節の質問を足す

数字が動いた理由をあとからたどれるように、「いつ、どのページを、どう直したか」を同じ表に残すことが大切です。AIの回答は検索の順位より変動が大きいため、1か月の増減ではなく、3か月の傾向で判断します。

よくあるご質問

AIでの表示順位を調べられるツールはありますか?

GoogleのAI機能での「順位」を公式に確かめる方法はありません。Search Consoleの生成AIレポートの指標は表示回数だけで、Googleはサードパーティのツールが内部のシステムにアクセスできないと説明しています。有料ツールが示す順位やスコアは、そのツールの条件で質問した結果の集計として扱います。

ChatGPTで自社が引用された回数を確認する公式の方法はありますか?

2026年10月時点で、OpenAIのパブリッシャー向けのよくある質問には、引用の回数を確かめる管理画面の案内はありません。案内されているのは、回答内のリンクに付く utm_source=chatgpt.com を使って、GA4などで訪問を確かめる方法です。引用の回数そのものは、手動確認か有料ツールで記録します。

手動確認は、だれが担当すればよいですか?

社内の担当者を1人決め、同じ条件で続けるのが確実です。担当者が変わると、端末やログインの状態が変わって結果を比べにくくなります。外部に任せる場合も、質問のリストは自社の営業やお客様からの質問をもとに社内で決め、記録表を受け取れるようにします。

有料ツールの数字とSearch Consoleの数字が合いません。どちらが正しいのですか?

測っているものが違うため、合わないのが普通です。Search Consoleは実際の検索でAI機能に自社のリンクが表示された回数、有料ツールはツールが決めた質問を入力したときの結果です。どちらかを正解とするのではなく、施策の前後で両方が同じ方向に動いているかを確かめます。

まとめ

LLMO(AI検索)の効果は、1つのツールではなく、測ることごとに手段を分けて測ります。要点は次のとおりです。

  • GoogleのAI機能での表示はSearch Consoleの生成AIレポート、Copilotなどでの引用はBing Webmaster ToolsのAI Performance、AIからの訪問と問い合わせはGA4で測る
  • どの質問でどう紹介されたかは公式ツールでは分からないため、質問を5つの型で決めて手動で記録する
  • 質問が30個程度まで・1社1事業なら、無料の組み合わせで足りる
  • 有料ツールは、手動が回らなくなってから、日本語の質問と数字の出し方を試用で確かめて選ぶ
  • 直したページの記録と並べ、3か月の傾向で判断する

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この記事は 2026年10月26日 に公開し、2026年10月26日 に内容を確認・更新しました。