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ChatGPTで作った文章は使える?著作権・SEO・社内ルールの注意点

公開 更新 読了 約14分

ChatGPT をはじめとする生成 AI で、ブログ記事、サービスの紹介文、メールの下書きを作る会社が増えています。一方で、「AI が書いた文章をそのまま公開してよいのか」「著作権や法律に触れないか」「Google の評価が下がらないか」が分からず、社内で使い方を決められていないという声もよく聞かれます。

生成 AI で作った文章は、各サービスの利用規約の範囲で業務や商用に使えますが、既存の著作物に似ていれば人が書いた場合と同じく著作権侵害になり、事実の誤りもそのまま残ります。公開する前に、人による事実確認と加筆、既存の文章との類似の確認、入力してよい情報の社内ルールをそろえることが前提です。

この記事では、文化庁「AI と著作権に関する考え方について」、OpenAI の利用規約、Google 検索のガイダンスなど 2026年10月時点の公式情報をもとに、生成 AI で文章を作るときのリスク、著作権の考え方、社内ルール、SEO への影響、記事作成の実務の手順を解説します。

ChatGPT とは:文章を「予測して作る」生成 AI

ChatGPT は OpenAI が提供する対話型の生成 AI で、指示(プロンプト)に応じて文章を作りますが、事実を調べて答える仕組みではなく、もっともらしい言葉の並びを予測して文章を作るものです。

ChatGPT は 2022年11月に公開され、同じような生成 AI には Google の Gemini、Anthropic の Claude、Microsoft の Copilot などがあります。現在は Web 検索の結果を参照して出典のリンクを示す機能もあり、公開当初の「学習した時点より新しい情報には答えられない」という弱点はかなり小さくなりました。

パソコンで作業する人と、画面の中でチャットに応答するAIロボットのイラスト

それでも、誤った内容がもっともらしく書かれる問題(ハルシネーション)はなくなっていません。Google は、生成モデルは事実を取り出すのではなく可能性の高い単語の並びを予測するため、不正確な情報が含まれることがあると説明しています(Google 検索セントラル:生成 AI コンテンツの使用に関するガイダンス)。OpenAI の利用規約にも、出力は常に正確とは限らず、利用者が用途に照らして正確さを確かめる必要があると書かれています。

この記事は 2023年1月に、ChatGPT の使い心地や法律との関係を検証する内容で公開しました。当時と 2026年10月時点で、文章を業務に使ううえで前提が変わった点を整理します。

項目2023年初めの状況2026年10月時点
最新の情報学習した時点までの情報で答えるWeb 検索を使い、出典のリンクを示せる(出典の読み違いは起こりうる)
出力の権利「商用利用はできない」とする解説もあったOpenAI の規約では、法律で認められる範囲で出力の権利は利用者に帰属する
著作権の考え方「法律が追いついていない」と言われた文化庁が 2024年3月に現行法での考え方を、7月にチェックリストを公表
検索での扱い評価が下がるのか不明確だったGoogle は作り方ではなく品質で評価し、価値のない大量生成はスパムポリシー違反と明示
法人での利用入力した情報の扱いが不安視された法人向けプランでは、入力と出力を初期設定で学習に使わない

生成 AI で文章を作るときの 4 つのリスク

業務で生成 AI の文章を使うときのリスクは、「内容の誤り」「既存の文章との類似(著作権)」「入力した情報の扱い」「検索での評価」の 4 つです。

リスク起きること主な対策
内容の誤り(ハルシネーション)存在しない制度、数字、出典、商品がもっともらしく書かれる数字・固有名詞・制度・日付を公式情報や一次資料で確認する
既存の文章との類似他社の記事や書籍と似た表現が出て、著作権侵害になる特徴的な文を検索して類似を確認する。既存作品の題名などをプロンプトに入れない
入力した情報の扱い顧客情報や未公開情報がサービス側で学習などに使われる法人向けプランや学習に使わない設定を使い、入力してはいけない情報を決める
検索での評価独自の情報のない記事を量産すると、評価されないかスパムと判断される自社の事例・数字・見解を加え、読者の役に立つ記事だけを公開する

この記事の旧版で、ChatGPT に「朝食にバナナと牛乳を 1 か月続けた感想」というコラムを書かせて検証した際も、AI は食事も睡眠もしないのに体験談を書き、追加の指示に合わせて、栄養素とホルモンの関係について根拠の確認できない説明を自然な文章でつなげました。健康・医療、お金、法律に関わる内容は、誤りが読者の損害につながるうえ、医薬品医療機器等法(薬機法)や景品表示法などの表示の規制も関係するため、専門家の確認を欠かせません。

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著作権の考え方:文化庁「AI と著作権に関する考え方について」の要点

文化庁の考え方では、AI で作った文章が既存の著作物に似ていて(類似性)、その著作物をもとにしている(依拠性)と認められれば、人が書いた場合と同じく著作権侵害になります。

文化審議会著作権分科会の法制度小委員会は 2024年3月15日に「AI と著作権に関する考え方について」を取りまとめ、文化庁は同年7月31日に、事業者向けの「AI と著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」を公表しました。いずれも現行の著作権法の解釈を整理したもので、法的な拘束力はありませんが、企業が判断するときの基準になります。

「学習の段階」と「生成・利用の段階」は分けて考える

AI の開発のために著作物を学習させることは、著作権法第30条の4により、原則として権利者の許諾なく行えます。ただし、学習した作品の表現をそのまま出力させる目的の学習などは例外とされています。生成 AI を使って文章を作る企業が主に関わるのは、もう一方の「生成・利用の段階」で、ここでは通常の著作権侵害と同じ基準で判断されます。

侵害になるかは「類似性」と「依拠性」で判断する

類似性は、既存の著作物の創作的な表現と似ているかどうかです。依拠性は、既存の著作物をもとに作ったかどうかです。文化庁の考え方では、生成 AI の学習データにその著作物が含まれていたことが分かれば、利用者が元の作品を知らなかったとしても、通常は依拠性が推認されるとしています。また、チェックリストでは、既存の作品の題名や固有名詞をプロンプトに入れると、利用者がその作品を認識していたと推認される要素になると説明しています。

つまり「AI が書いたので自分は知らなかった」は理由になりません。公開する前に、特徴的な文や言い回しを検索して、既存の記事や書籍と似ていないかを確かめることが必要です。チェックリストでは、依拠していないことを後から説明できるよう、生成の過程(プロンプトなど)を確認できる状態にしておくこともすすめています。

AI が作った文章に著作権は発生するか

簡単な指示を出して生成しただけの文章は、人の「思想又は感情を創作的に表現したもの」とはいえず、著作物にならないと考えられています。一方、人が具体的な表現を指示したり、生成した文章に加筆・修正したりして、創作的に関わった部分は著作物になりえます。AI が出したままの文章は、他社にまねされても権利を主張しにくいため、自社の言葉で書き加えることは、品質だけでなく権利の面でも意味があります。

利用規約で確認すること

OpenAI の利用規約(2026年1月1日発効)では、法律で認められる範囲で、入力した内容の権利は利用者に残り、出力の権利も利用者に帰属するとされています。ただし、ほかの利用者にも似た出力が返ることがあり、その出力までは対象になりません。また、AI の出力を人が書いたものだと偽ることは禁止されています。ほかの生成 AI サービスを使う場合も、出力の権利、商用利用の可否、入力データの扱いを利用規約で確認します。

社内ルールで決めておくこと

生成 AI を業務で使う前に、使ってよいツール、入力してはいけない情報、公開前の確認手順、記録の残し方を社内ルールとして決めます。

ルールの項目決める内容の例
使ってよいツールとプラン会社として契約した法人向けプランを使う。個人向けプランを使う場合は、学習に使わない設定にする
入力してはいけない情報顧客名や個人情報、未公開の数字や計画、契約の内容、他社の文章や書籍の全文
公開前の確認事実確認、類似の確認、表記のルール、責任者の承認の順番と担当者
専門分野の扱い健康・医療、金融、法律、補助金などの記述は、専門家または担当部署が確認する
記録の残し方使ったツール、プロンプト、生成した日、人が直した箇所を残す
AI の使用の示し方記事の作り方を読者にどう説明するか、社としての方針を決める

OpenAI の案内では、ChatGPT Business・Enterprise・Edu と API は、初期設定で入力と出力をモデルの学習に使わないとされています。個人向けの Free・Plus・Pro では、設定の「データ コントロール」で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、それ以降の会話が学習に使われなくなります(OpenAI ヘルプ:モデルの学習を無効にする方法)。

個人情報については、個人情報保護委員会が 2023年6月2日に生成 AI サービスの利用に関する注意喚起を出しています。個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、利用目的の範囲内かを十分に確認し、入力した個人データが回答の作成以外(機械学習など)に使われないことを事前に確かめるよう求めています。

なお、2025年9月には、AI の研究開発と活用の推進を目的とした「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI 法)」が全面施行されました(内閣府:AI 法 全面施行)。文章の作成にあたって個別に確認するのは、引き続き著作権法、個人情報保護法、表示に関する法律と、各サービスの利用規約です。

SEO への影響:Google は生成 AI の文章をどう扱うか

Google は文章の作り方ではなく内容の品質で評価するため、生成 AI を使うこと自体は問題になりませんが、読者への価値を加えずに大量のページを作るとスパムポリシー違反になります。

Google のスパムに関するポリシーでは、利用者の役に立つことではなく検索順位の操作を主な目的として大量のページを作ることを「大量生成されたコンテンツの不正使用」とし、その例として、生成 AI などを使って価値を加えずに大量のページを作ることを挙げています。前述の生成 AI コンテンツのガイダンスでも、生成 AI はテーマの調査や文章の構成づくりに役立つとしたうえで、公開前の事実確認を求め、その対象には title、説明文、構造化データ、画像の代替テキストも含まれるとしています。

また、有用で信頼性の高いコンテンツの作成に関するガイドでは、「誰が、どのように、なぜ」作ったかを読者に分かるようにすることをすすめ、読者が作り方を気にするような内容では、AI や自動化の使用を説明することが有益だとしています。

評価されにくい使い方問題になりにくい使い方
キーワードだけを変えた記事を大量に公開する構成案や下書きに使い、自社の事例・数字・見解を人が加える
他社の記事を AI で言い換えて公開する自社の取材メモや資料をもとに、AI で文章を整える
AI の出力を確認せずにそのまま公開する数字・固有名詞・制度を一次情報で確認してから公開する
誰が書いたか分からない記事を並べる運営会社と、内容に責任を持つ担当部署を明示する

AI 検索の回答に引用されるかどうかも、検索で見つかることと、ほかのページにない一次情報があることが土台になります。一般論だけを AI でまとめた記事は、検索でも AI の回答でもほかのページと区別されにくくなります。検索と AI 検索の違いはSEOとLLMO(AIO・GEO)の違いで解説しています。

生成 AI で記事を作る実務の手順

生成 AI を記事作成に使うときは、人が「何を書くか」と「事実」を決め、AI には構成案・下書き・推敲の補助を任せ、最後に人が確認して公開する流れにします。

  1. 目的と読者、キーワードを決める(人):誰のどんな疑問に答える記事か、読んだ後に何をしてほしいかを決めます。
  2. 自社の一次情報を集める(人):事例、実際の数字、お客様からよく聞かれる質問、担当者の見解など、ほかで読めない情報を集めます。
  3. 構成案を作る(AI と人):AI に見出しの案を出させ、検索した人の疑問に順番に答える構成になるよう人が直します。
  4. 下書きを作る(AI):見出しごとに、入力してよい範囲の一次情報をメモとして渡して下書きを作ります。
  5. 加筆・修正する(人):自社の言葉、具体例、判断の理由を書き加え、言い回しをそろえます。
  6. 事実確認をする(人):数字、固有名詞、制度、日付を公式情報で確認します。AI が示した出典は、実在するか、本当にそう書かれているかを開いて確かめます。
  7. 類似を確認する(人):特徴的な文を検索し、既存の記事や書籍と似ていないかを確かめます。
  8. 公開して計測する(人):title・説明文・画像の代替テキストも確認して公開し、検索順位や読まれ方を見て書き直します。

構成の作り方や本文の書き方の基本は、SEO記事の書き方で解説しています。

よくあるご質問

ChatGPT で作った文章を商用に使ってもよいですか?

OpenAI の利用規約では、法律で認められる範囲で出力の権利は利用者に帰属するとされており、業務や商用で使えます。ただし、出力が既存の著作物に似ていた場合の責任は使った側にあるため、公開前に類似の確認と事実確認を行います。ほかのサービスを使う場合は、それぞれの規約を確認してください。

AI で書いた記事は、Google の検索順位が下がりますか?

AI を使ったこと自体で順位が下がることはありません。Google は作り方ではなく内容の品質で評価します。ただし、価値を加えずに大量のページを作ることはスパムポリシー違反とされているため、自社ならではの情報を加え、内容を確認した記事だけを公開します。

AI で作った文章に著作権はありますか?

文化庁の考え方では、簡単な指示で生成しただけの文章は著作物にならないと考えられています。人が具体的に表現を指示したり、加筆・修正したりして創作的に関わった部分は、著作物になりえます。

記事作成を外部に頼むとき、AI の使い方は確認したほうがよいですか?

確認をおすすめします。AI をどの工程で使うか、事実確認と類似の確認を誰が行うか、納品物の著作権がどうなるかを契約前に確かめます。当社も AI を調査や下書きの補助に使いますが、キーワードの設計、お客様固有の情報の取材、事実確認、公開後の計測と書き直しは人が行い、原稿は必ずお客様の事実確認を経て公開します。納品した記事の著作権は、お支払いの完了後にお客様へ譲渡します。

まとめ

ChatGPT などの生成 AI で作った文章は、規約の範囲で業務や商用に使えますが、既存の著作物に似ていれば人が書いた場合と同じく著作権侵害になり、事実の誤りもそのまま残ります。文化庁の考え方とチェックリスト、個人情報保護委員会の注意喚起、Google のスパムポリシーを踏まえ、使ってよいツールと入力してはいけない情報、公開前の事実確認と類似の確認、記録の残し方を社内ルールにしてから使うことが大切です。検索で評価される記事にするには、AI に任せる部分と、人が一次情報を加えて確認する部分を分けて進めます。

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この記事は 2023年1月27日 に公開し、2026年10月23日 に内容を確認・更新しました。