SEO記事の作成を外注したのに、届いた原稿はどこかで読んだような一般論で、自社のサービスにもつながらない。修正を頼んでも意図が伝わらず、結局社内で書き直した。記事作成代行やWebライティングの外注では、こうした失敗がよく起こります。原因の多くは書き手の腕より、依頼する側が「何のための記事か」と「自社だけの情報」を渡せていないことにあります。
Contents
外注で任せられること、社内に残ること 依頼前に決める6つのこと 依頼書(ブリーフ)の項目と記入例 外注先の種類と選び方 依頼から公開までの流れ 納品後の確認チェックリスト 生成AIの利用について外注先に確認すること 契約で確認すること:著作権・修正・支払い よくあるご質問 SEO記事の外注費用はどのくらいかかりますか? 専門性の高い分野でも外注できますか? 構成案は自社で作ったほうがよいですか? 導入事例やインタビュー記事も依頼できますか? まず1本だけ試すことはできますか? まとめ
記事作成を外注するときは、依頼前に「目的・読者・対策キーワード・着地ページ・自社だけが出せる情報・社内の確認者」を決めて依頼書(ブリーフ)にまとめ、構成案の段階で一度確認すると、意図とずれた記事になりにくくなります。
この記事では、外注しても社内に残る仕事、依頼前に決めること、依頼書の項目と記入例、外注先の種類と選び方、依頼から公開までの流れ、納品後の確認、生成AIの利用について確かめること、契約で確認することを、2026年10月時点の情報で解説します。費用の内訳と記事単価の考え方は「オウンドメディア運用代行の費用 」にまとめています。
外注で任せられること、社内に残ること
記事作成の外注で任せられるのは調査・構成・執筆・入稿・計測の手間で、自社の事例・数字・見解と、自社に関する事実の確認は社内からしか出せません。
作業 外注先に任せられること 社内に残ること
キーワード・検索意図の調査 調査とキーワードの提案 どのテーマを優先するかの判断
構成案 見出しと、各見出しで書く内容の作成 構成案の確認と承認
執筆 原稿の作成、図解・表 —
自社の情報(事例・数字・見解) 取材での聞き取りと文章化 情報の提供、取材への協力、取材先の手配
事実確認 公的な情報・公式の情報での確認 自社のサービス内容・料金・実績の確認
入稿・公開 WordPressへの入稿、title・description、内部リンク 公開の承認
計測・リライト 記事ごとの順位・流入の確認、書き直しの提案 目標の決定、次に書くテーマの判断
外注する利点は、社内の担当者が本来の業務に時間を使えることと、検索の仕組みや書き方を知っている人の進め方を使えることです。一方で、すべてを任せれば成果の出る記事が届くわけではありません。外注先が自社について知っているのは、依頼書と取材で渡した情報だけだからです。
依頼前に決める6つのこと
依頼の前に決めるのは、記事の目的、読者、対策キーワード、着地させるページ、自社だけが出せる情報、社内の確認体制の6つです。
目的:記事を読んだ人にしてほしい行動を、数えられる形で決めます(例:資料ダウンロード、問い合わせ、採用への応募)。「認知を広げる」だけでは、書く内容も成果の測り方も決まりません。
読者:業種・役職・検討の段階まで決めます(例:工場の設備担当者で、設備の更新を考え始めたばかりの人)。
対策キーワードと検索意図:その言葉で検索する人が何を知りたいのかを一文で書きます。キーワードの調査は外注先に任せてもよいですが、どのテーマを優先するかは自社で決めます。
着地させるページ:記事から案内するサービスページ・料金ページ・事例を決めます。
自社だけが出せる情報:事例、数字、社内の手順、営業がよく受ける質問、自社の見解など。検索結果の上位の記事にない情報が、記事の価値になります。
社内の確認体制:誰が、いつまでに、何を確認するか(構成案・原稿・公開前)を決めます。確認する人が多いと修正の意見が割れるため、最終判断をする人を1人決めておきます。
あわせて、予算・本数・期間の目安も決めておきます。当社では、1つのテーマにつき8〜12本の記事を役割を分けてそろえると、テーマ全体での順位が安定しやすいと考えています。1本ずつではなく「このテーマで何本」という単位で相談すると、外注先も記事同士の役割を分けた構成を提案しやすくなります。
Service
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依頼書(ブリーフ)の項目と記入例
依頼書は1記事につき1枚にまとめ、書き手が迷いやすい「誰に・何を・どこへ案内するか・書いてはいけないこと」を先に書いておきます。
次の表は、部品加工の会社が試作の相談を増やすための記事を依頼する場合の記入例です。
項目 書くこと 記入例(例:)
記事の目的 読んだ人にしてほしい行動 試作の相談フォームからの問い合わせを増やす
読者 業種・役職・検討の段階 機械メーカーの設計・開発担当者。試作を頼める会社を探し始めた段階
対策キーワード 主なキーワードと関連語 「金属 試作 小ロット」(関連語:試作 依頼 流れ、試作 見積もり)
検索意図 検索する人が知りたいこと(一文) 小ロットの試作を頼める会社の探し方と、依頼の流れ、見積もりに必要な情報を知りたい
記事の結論 冒頭で言い切ること 図面・材質・数量・希望納期がそろえば、試作の見積もりは早く出せる
必ず入れる情報 自社の事実(資料を添付) 対応できる材質、最小ロット、見積もりに必要な情報、納期の目安
一次情報の出し方 取材・資料・データ 製造部長に30分のオンライン取材。過去の試作の進め方を例として聞く
書いてはいけないこと 機密や、断定を避けたい表現 取引先名、価格の断定、他社への批判
着地ページと内部リンク 案内するページ 試作加工のサービスページ、相談フォーム、関連記事2本
文字数の目安 検索意図に答えられる範囲 5,000字前後(水増しはしない)
参考資料 社内資料・公的資料・競合の記事 社内の加工事例集、検索上位の記事のURL(内容はまねない)
表記のルール 文体・用語・数字 です・ます調、社名の正式表記、「試作」と「試作品」の使い分け、数字は半角
生成AIの利用 使ってよい工程と、してはいけないこと 調査と構成の補助は可。社内資料をAIに入力しない
納品の形 原稿の形式と、入稿の有無 Googleドキュメントで納品し、WordPressへの入稿まで依頼する
確認者と期限 誰が、いつまでに確認するか 構成案と原稿は製造部長が3営業日以内に確認
納期 構成案と原稿の期日 構成案◯月◯日、原稿◯月◯日
文体・用語・表記のように全記事に共通するルールは「執筆レギュレーション」として1つの文書にまとめ、記事ごとの依頼書にはその記事に固有の内容だけを書くと、依頼の手間が減ります。構成案の作り方は「記事構成の作り方 」で解説しています。
外注先の種類と選び方
記事作成の外注先は、クラウドソーシング、フリーランスのライター、記事制作会社、Web制作・マーケティング会社の4つに分かれ、社内に記事を設計・編集できる人がいるかどうかで向き不向きが変わります。
外注先 任せられる範囲 社内に必要なこと 向いている依頼 注意点
クラウドソーシング 執筆が中心 構成・編集・品質の判断、書き手の選定 構成が決まった記事、定型の記事 書き手によって品質の差が大きい。指示と確認の手間がかかる
フリーランスのライター(直接) 執筆、取材。構成まで頼める人もいる 契約と進行の管理 専門分野の記事、取材記事 1人に頼るため、繁忙などで止まることがある。取引の条件を書面で示す
記事制作会社 構成から執筆・編集まで 方針の決定、自社の情報の提供、事実確認 まとまった本数の記事 窓口と書き手が別の場合は、一次情報を渡さないと一般論の記事になりやすい
Web制作・マーケティング会社 キーワード設計から入稿・計測・改善まで 方針の承認、事実確認 サイトの改善や問い合わせの導線とあわせて進めたい 工程が多い分、費用は高くなりやすい。どこまで含むかを確認する
どの外注先でも、次の点を確かめてから選びます。
自社と近い業種・テーマで書いた記事を見せてもらえるか
執筆の前に構成案を確認できる進め方か
取材ができるか(オンライン・対面)、取材の回数と時間
事実確認を誰が、何を根拠に行うか(出典のリンクを付けるか)
修正の回数と範囲、入稿や内部リンクの設定まで含むか
公開後に順位や流入を確認し、書き直しを提案してくれるか
生成AIをどの工程で使い、どう確認しているかを説明できるか
1本から試しに依頼できるか
フリーランスのライターに直接依頼する場合は、フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月1日施行)に注意します。従業員のいないフリーランスに業務を委託する事業者は、業務の内容・報酬の額・支払期日などを書面やメールで明示する必要があり、従業員を使用する事業者や役員が2人以上いる法人は、成果物を受け取った日から60日以内のできるだけ早い日に支払期日を定めて支払う必要があるとされています(公正取引委員会:フリーランス・事業者間取引適正化等法のパンフレット )。個別の取引が対象になるかどうかは、所管の窓口や専門家に確認してください。
依頼から公開までの流れ
依頼は「依頼書の共有 → 構成案の確認 → 取材・執筆 → 原稿の確認 → 入稿・公開 → 計測とリライト」の順で進め、構成案の段階で方向を合わせることが、手戻りを減らすいちばんの方法です。
工程 外注先がすること 発注者がすること 確認のポイント
1 依頼書の共有・打ち合わせ 不明点の質問、必要な資料の依頼 依頼書と資料を渡し、目的と読者を説明する 目的と着地ページが伝わっているか
2 構成案 見出し、各見出しで書く内容、参考情報、案内の位置を作る 構成案を確認し、足りない論点や入れたい事例を伝える 検索意図に答える順番か、自社の情報を入れる場所があるか
3 取材・執筆 取材、執筆、図解・表の作成 取材に協力し、追加の資料を出す 取材の日程が納期に間に合うか
4 原稿の確認 修正への対応 事実と表現を確認し、修正をまとめて伝える 次の章のチェックリスト
5 入稿・公開 入稿、title・description、内部リンク、構造化データの設定 プレビューで表示を確認し、公開を承認する スマートフォンでの表示、リンク先
6 計測・リライト 順位・流入を確認し、書き直しを提案する 次に書くテーマと直す記事を決める 問い合わせなど目的の行動につながっているか
当社の場合は、初回のヒアリングで既存記事の流入と重なりを確認し、2週間でキーワードマップ(テーマごとの対策キーワード・優先順位・着地ページ)を作ってから、記事ごとに構成案 → 執筆・取材 → 事実確認・入稿・公開へと進みます。公開後は毎月、記事ごとの順位と流入を確認して、書き直す記事と次の記事を決めます。
納品後の確認チェックリスト
納品された原稿は、事実・検索意図・独自性・権利・公開設定の観点で確認し、修正は理由と直し方を添えて1回にまとめて伝えます。
観点 確認すること
事実(一般) 数字・制度・ツールの名称や仕様が、公式の情報や一次情報で確かめられているか。出典がリンクされているか
事実(自社) 自社のサービス内容・料金・実績・手順の記述が正しいか
検索意図 冒頭で、検索した人の問いに答えているか。見出しだけで要点が分かるか
独自性 自社の事例・数字・見解が入っているか。上位の記事の言い換えになっていないか
読みやすさ 結論が先にあるか。専門用語に説明があるか。表や手順のリストが使われているか
表記 執筆レギュレーションどおりか(文体・用語・社名の表記)
権利 他サイトの文章をそのまま使っていないか。画像の出典と利用の条件は確かか
導線 着地ページへのリンクと案内があるか。リンクの文言で行き先が分かるか
公開設定 title・description、URL、アイキャッチ、構造化データが設定されているか
修正を頼むときは、次のように伝えると意図が伝わりやすくなります。
場所・理由・直し方をセットにする(例:「3つ目の見出しの費用の説明に、当社では見積もりが無料であることを加えてください」)
好みではなく、依頼書の目的と読者に照らして伝える
社内の複数の人の意見は、確認者がまとめてから1回で送る
事実の誤りと、表現の好みを分けて書く
生成AIの利用について外注先に確認すること
生成AIの利用は一律に禁止するより、どの工程で使うか、事実と権利の確認を誰がするか、何を入力してよいかを、依頼の前に取り決めておくのが現実的です。
Googleは、生成AIを使ったコンテンツも検索の基本事項とスパムに関するポリシーを満たす必要があるとし、読み手への価値を加えずに大量のページを生成するとポリシー違反になるおそれがあること、公開前に事実確認を行うこと(title・description・構造化データ・画像の代替テキストも含む)を示しています(Google 検索セントラル:生成AIによるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス )。また文化庁は、AIの生成物が既存の著作物と似てしまう場合があるため利用前に類似のものがないかを確認すること、生成に使った指示(プロンプト)などの過程を確認できる状態にしておくことが望ましいことを示しています(文化庁:AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス )。
確認項目 外注先に聞くこと
使う工程 調査・構成・下書き・校正のどこで生成AIを使うか
事実確認 AIの出力に含まれる数字・固有名詞・制度の説明を、誰が何で確かめるか
一次情報 自社の取材内容や事例を、どのように記事に反映するか
類似の確認 既存の記事や文章と似ていないかを、どう確認するか
入力する情報 依頼書・社内資料・取材内容をAIに入力するか。入力する場合は、どのサービスを、入力内容が学習に使われない設定で使うか
記録 生成の過程(使ったサービス・指示の内容)を記録しているか
画像 AIで作った画像を使うか、その利用の条件
当社も調査や下書きの補助にAIを使いますが、キーワード設計、貴社固有の情報(事例・数字・見解)の取材、事実確認、公開後の計測とリライトは人が行っています。
契約で確認すること:著作権・修正・支払い
契約では、業務の範囲、納期と報酬・支払期日、修正の範囲、著作権の扱い、秘密保持、再委託の有無を書面で確認します。
項目 確認すること
業務の範囲 キーワード設計・構成・執筆・取材・画像・入稿のどこまでか
納期・報酬・支払期日 1本ごとか月額か、検収の方法と期間
修正 回数と範囲。構成案の承認後に方向を変える場合の扱い
著作権 譲渡か利用の許諾か、譲渡の時期。翻訳・翻案などの権利(著作権法第27条・第28条)を含めるか
著作者人格権 書き手が著作者人格権を行使しない取り決めをするか
実績としての公開 外注先が実績として紹介するか、その範囲
秘密保持 渡した社内資料と取材内容の扱い
再委託 外注先が別の書き手に再委託するか、その場合の管理
生成AI 前の章で取り決めた内容
解約 途中で解約する場合の扱い、作成途中の原稿や設計資料の受け取り
著作権をすべて譲り受ける場合は、翻訳・翻案などの権利(第27条)と二次的著作物の利用に関する権利(第28条)を含むことを契約書に明記します。明記がないと、これらの権利は譲渡した側に残ると推定されます(著作権法第61条第2項)。また、著作者人格権は譲渡できないため、記事を自由に直して使いたい場合は、行使しない旨を取り決めることがあります(文化庁:誰でもできる著作権契約マニュアル )。契約書の文面は、必要に応じて弁護士などの専門家に確認してください。ホームページの制作全体の契約で確かめることは「ホームページ制作の契約で確認すること 」で扱っています。
当社では、納品した記事の著作権はお支払い完了後に貴社に譲渡し、当社の実績として「制作に携わったこと」を紹介する場合は事前に確認しています。
よくあるご質問
SEO記事の外注費用はどのくらいかかりますか?
料金は文字単価・1本単価・月額パックなど依頼先によって決め方が違い、キーワード設計や入稿が含まれるかで大きく変わります。当社の場合、SEO記事はキーワード設計・構成案・執筆(4,000〜8,000字)・図解1点・WordPress入稿を含めて1本5万円から(税別)です。
専門性の高い分野でも外注できますか?
できます。社内の担当者への取材や、資料・事例・データなどの一次情報をもとに書いてもらい、原稿は必ず自社で事実を確認してから公開します。誤りの影響が大きい分野では、専門家の監修を加える方法もあります(当社では監修の手配は別途お見積りです)。
構成案は自社で作ったほうがよいですか?
社内に記事を設計できる人がいれば、構成案を自社で作って執筆だけを外注すると費用を抑えられます。いない場合は外注先に構成案を作ってもらい、その段階で確認する進め方にします。どちらの場合も、構成案の確認を省かないことが手戻りを減らす近道です。
導入事例やインタビュー記事も依頼できますか?
依頼できます。取材記事は、取材先への依頼、質問の設計、掲載の承認まで含めて頼めるかを確認してください。質問の作り方と承認の流れは「導入事例インタビューの質問と作り方 」で解説しています。
まず1本だけ試すことはできますか?
外注先によって異なりますが、当社は記事単位で1本からお受けしています。最初の1本で、構成案の質、事実確認の丁寧さ、修正への対応を確かめてから、本数を増やすかどうかを判断すると安心です。
まとめ
記事作成の外注は、依頼する側が目的と自社の情報を渡せるかどうかで、届く記事の質が決まります。要点は次のとおりです。
外注しても、自社の情報の提供と事実確認、公開の判断は社内に残る
依頼前に、目的・読者・キーワード・着地ページ・自社だけの情報・確認体制を決める
依頼書は1記事1枚にまとめ、結論・必ず入れる情報・書いてはいけないことを先に書く
外注先は社内に設計・編集できる人がいるかで選び、構成案を確認できる進め方にする
納品後は事実・検索意図・独自性・権利・公開設定を確認し、生成AIの使い方と著作権は契約の前に取り決める
キーワード設計から構成、取材、執筆、入稿、公開後の計測まで一貫して任せたい場合は、当社のコンテンツ制作(SEO記事・導入事例) にご相談ください。社内で続けられるよう、キーワードマップや構成案などの設計資料もお渡しします。
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