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PHPのバージョンアップ手順とサポート期限:WordPressで確認すること

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WordPressの管理画面やサイトヘルスに「PHPの更新が必要です」と表示されている、サーバー会社から古いPHPの提供終了の案内が届いた。こうした場面で、PHPが何で、いつまでに、だれが何をすればよいのかが分からず、そのままになっているサイトは少なくありません。PHPはページの見た目には出てこないため、問題が起きるまで意識されにくい部分です。

結論から言うと、WordPressサイトのPHPは、使っているバージョンのサポート期限が切れる前に、WordPressが推奨する8.3以上へ、バックアップとテスト環境での動作確認を済ませてから切り替えます。2026年10月時点では、PHP 8.1以前はすでにサポートが終わっており、PHP 8.2も2026年12月31日で終わります。

この記事では、PHPとは何か、バージョンごとのサポート期限、古いPHPのまま使うリスク、更新前の確認と切り替えの手順、更新後に起きやすい不具合と戻し方、だれが担当するかを、PHPとWordPressの公式情報にもとづいて解説します。WordPress本体やプラグインの更新についてはWordPressを更新しないとどうなるかで扱っているので、本記事はPHPに絞ります。

PHPとは:WordPressを動かしているプログラムの土台

PHPはWordPressを動かしているプログラミング言語で、サーバーに入っているPHPのバージョンは、WordPressの更新とは別に管理する必要があります。

WordPress本体・テーマ・プラグインはPHPで書かれており、ページが開かれるたびに、サーバー上のPHPがページを組み立てています。PHPのバージョンは多くの場合、レンタルサーバーの管理画面でドメインごとに選ぶもので、WordPressの管理画面からは変えられません。そのため、WordPressは最新でもPHPだけが古いまま、という状態が起きます。

PHPのバージョンには、「8.3」のような系列と、「8.3.36」のような修正版の番号があります。系列を切り替えるとプログラムの仕様が変わるため、サイト側の対応が必要です。同じ系列の中の修正版への更新は、共用のレンタルサーバーではサーバー会社が行うのが一般的で、対応状況は各社のお知らせで確認できます。

確認する番号例だれが変えるか変えるときの注意
WordPress本体のバージョン7.1.3サイトの管理者(セキュリティ修正は自動更新)メジャー更新はテスト環境で確認してから
PHPの系列8.3、8.4サイトの管理者がサーバーの管理画面で選ぶテーマ・プラグインが対応しているかの確認が必要
PHPの修正版8.3.36共用サーバーでは主にサーバー会社脆弱性が公表されたときは、サーバー会社の対応状況を確認する

PHPのバージョンごとのサポート期限(2026年10月時点)

2026年10月時点で公式のサポートがあるのはPHP 8.2〜8.5で、このうち8.2は2026年12月31日にセキュリティサポートが終わります。

PHPの公式サイトのサポート中のバージョン一覧によると、各系列は公開から2年間、不具合とセキュリティの両方が修正され、その後の2年間は重大なセキュリティの問題だけが修正されます。合わせて4年でサポートが終わり、それ以降は脆弱性が見つかっても修正版は出ません(サポート終了したバージョンの一覧)。

PHPのバージョン通常のサポートセキュリティサポートの期限2026年10月時点の状態
7.4終了2022年11月28日サポート終了
8.0終了2023年11月26日サポート終了
8.1終了2025年12月31日サポート終了
8.2(2022年12月公開)2024年12月31日まで2026年12月31日セキュリティ修正のみ。残り約2か月
8.3(2023年11月公開)2025年12月31日まで2027年12月31日セキュリティ修正のみ
8.4(2024年11月公開)2026年12月31日まで2028年12月31日サポート中
8.5(2025年11月公開)2027年12月31日まで2029年12月31日サポート中

次の系列のPHP 8.6は、PHPの開発者向けWikiのリリース計画で2026年11月19日の正式公開を予定しています。公開直後の系列は、WordPressと使っているプラグインの対応を確かめてから検討します。

WordPressが推奨するPHPのバージョン

WordPressの公式の動作環境では、PHP 8.3以上が推奨されています。PHP 7.4以上でも動作はしますが、これらはサポートが終了しており、サイトが脆弱性にさらされるおそれがあると明記されています。また、WordPressとPHPの対応表では、WordPress 7.0と7.1がPHP 7.4〜8.5に対応しており、WordPress 7.0でPHP 7.2と7.3への対応が終わりました。つまり、PHP 7.3以前のサイトは、WordPress本体を7.0以降に更新できません。

WordPress.orgが公開している利用状況の統計を2026年10月23日に確認したところ、WordPressサイトの約35%がサポートの終わったPHP 8.1以前で動いており、PHP 8.2が約23%でした。年が明けると、6割近いWordPressサイトが公式のサポートのないPHPで動く計算になります。

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古いPHPのまま使い続けるリスク

サポートが終わったPHPには脆弱性の修正が提供されず、さらにプラグインやサーバー側の更新についていけなくなり、ある時点でサイトが動かなくなることがあります。

重大な脆弱性が出ても修正されない

2026年10月21日、PHPの開発元は、認証なしで外部からプログラムを実行されるおそれのある重大な脆弱性2件を公表し、PHP 8.5.12、8.4.27、8.3.36、8.2.35で修正しました。PHP 8.1以前は開発元からの更新の対象外です。今回は深刻度が高いため、PHPをソースコードから構築する利用者向けに最小限の修正が例外的に公開されましたが、通常の修正版として提供されるわけではありません。

IPA(情報処理推進機構)も翌22日に注意喚起を出し、修正版が提供されないPHPを使っている場合は、サポートのあるPHPへの更新や対策済みのサービスへの移行を検討するよう呼びかけています。サポート中の系列であれば修正版に上げるだけで済みますが、サポートが終わった系列では、そもそも上げる先の修正版がありません。

プラグインとWordPress本体を更新できなくなる

プラグインやテーマは、新しいバージョンで古いPHPへの対応をやめることがあります。そうなると、PHPが古いサイトでは最新版に更新できず、プラグインに脆弱性が見つかっても修正版を入れられません。WordPress本体も同じで、前述のとおり、PHP 7.3以前のサイトには7.0以降への更新が届きません。

準備のないまま切り替えを迫られる

サーバー会社が古いバージョンの提供を終えると、切り替えが必要になります。期限が迫ってからでは、テーマやプラグインの対応を確かめる時間がなく、表示崩れやフォームの停止につながります。WordPressのPHP更新の案内でも、新しいPHPは表示が速くなり安全性も高まると説明されています。

自社サイトのPHPバージョンを確認する方法

PHPのバージョンは、WordPressの管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」で確認でき、サーバー会社の管理画面でも確認できます。

  1. WordPressの管理画面で「ツール」→「サイトヘルス」を開き、「情報」タブの「サーバー」を開いて「PHPバージョン」を見る
  2. ダッシュボードやサイトヘルスに「PHPの更新が必要」「PHPの更新を推奨」と表示されていないかを見る
  3. レンタルサーバーの管理画面で、ドメインごとのPHPの設定を見る(同じサーバーでもサイトごとにバージョンが違うことがある)

あわせて、サーバー会社とプラン名、サーバーの管理画面に入れる人、テーマ(購入したものか、制作会社の独自のものか)、プラグインの一覧を控えておくと、外部に相談するときの話が早くなります。サーバーの役割や種類はホームページ制作でのサーバー選びで解説しています。

PHPを更新する前に確認すること

PHPを切り替える前に、バックアップ、WordPress本体・テーマ・プラグインの更新、互換性の確認、テスト環境での動作確認の4つを済ませておきます。

確認すること内容見落としやすい点
バックアップWordPressのファイルとデータベースの両方を保存するバックアップから戻すときは、PHPも元のバージョンに戻す必要がある
本体・テーマ・プラグインの更新先にすべてを最新にし、表示と動作を確かめる有料のテーマやプラグインは、ライセンスの期限が切れて更新できなくなっていることがある
互換性の確認各プラグインの対応PHPと、開発が続いているかを確かめる最終更新が何年も前のプラグインは、新しいPHPで動かない可能性が高い
独自に作った部分制作会社が作ったテーマやプラグイン、functions.phpに追加したコードを確かめるPHP 8.0で削除された関数(create_function()、each()など)を使っていると、エラーで止まる
テスト環境での確認本番の複製に新しいPHPを適用し、表示と機能を確かめる問い合わせフォーム、予約・会員機能、外部サービスとの連携

系列ごとの変更点は、PHPの公式マニュアルにまとまっています。たとえばPHP 8.0の後方互換性のない変更では古い関数の削除が、PHP 8.2の非推奨機能では動的なプロパティの扱いの変更が説明されています。7.4から8.3のように系列をまたぐ場合は、間のすべての変更が影響します。

WordPressの公式の案内で紹介されている互換性チェック用のプラグインは、判定が完全ではないと明記されており、2026年10月時点ではテスト済みのWordPressバージョンの表示も6.4系のままです。最終的には、テスト環境で実際に新しいPHPに切り替えて確かめるのが確実です。

PHPのバージョンを切り替える手順

PHPの切り替えはレンタルサーバーの管理画面で行い、テスト環境で問題がないことを確かめてから本番に反映します。

  1. バックアップを取る:ファイルとデータベースを保存し、現在のPHPのバージョンを記録する
  2. テスト環境で切り替える:本番を複製したテスト環境(ステージング)を新しいPHPにし、主要ページ、フォーム、管理画面の操作を確かめる。古い系列から一気に上げてエラーが多い場合は、1系列ずつ上げて原因を絞り込む
  3. 本番で切り替える:サーバーの管理画面で対象のドメインのPHPバージョンを選び、保存する
  4. 直後に確認する:トップページと主要ページをパソコンとスマートフォンで開き、問い合わせフォームをテスト送信し、管理画面へのログイン、投稿の保存、画像のアップロードを試す。サイトヘルスで新しいバージョンになっていることも見る
  5. 数日間は様子を見る:問い合わせの通知メールが届いているか、エラーの報告がないかを確かめる
  6. 記録を残す:いつ、どのバージョンからどのバージョンにしたか、確認した内容を残す

主なレンタルサーバーでの切り替え場所

操作する場所はサーバー会社によって違います。次の表は、各社の公式マニュアルで2026年10月に確認した内容です。画面は変わることがあるため、作業の前に各社の最新のマニュアルを確認してください。

サーバー切り替える場所マニュアルに書かれている注意点
エックスサーバーサーバーパネル →「PHP Ver.切替」→ 対象ドメインのペンアイコン →「変更後のバージョン」を選んで「設定する」(マニュアル)新・旧のサーバーパネルで手順が分かれている
さくらのレンタルサーバサーバーコントロールパネル →「スクリプト設定」→「言語バージョン設定」→ バージョンを選んで「保存する」(マニュアル)変更後は表示や投稿の動作確認を行う。不具合があれば古いバージョンを選び直して戻せる
ConoHa WINGコントロールパネル →「WING」→「サイト管理」→「サイト設定」→「応用設定」→「PHP設定」→「PHPバージョン」の「編集」(マニュアル)ドメインごとに変更でき、その場合は.htaccessに設定の記述が追加される。その記述は消さない
ロリポップ!ユーザー専用ページ →「サーバーの管理・設定」→「PHP設定」→ ドメインごとにバージョンを選んで「変更」(マニュアル)反映まで5〜10分ほどかかる。PHP 7.1未満から上げた場合は元のバージョンに戻せない

そのほかのサーバー会社の手順は、WordPressの開発チームがまとめた各社マニュアルへのリンク一覧から探せます。

PHPの更新後に起きやすい不具合と戻し方

切り替えた後に不具合が出たら、まずPHPを元のバージョンに戻してサイトを復旧させ、原因はテスト環境で調べます。

起きること主な原因対処
「このサイトで重大なエラーが発生しました」と表示される、画面が真っ白になるテーマやプラグインが新しいPHPに対応しておらず、致命的なエラーで止まっているPHPを元に戻す。管理者のメールアドレスにリカバリーモードの案内が届いていれば、原因のプラグインを止めて管理画面に入れる
画面に「Deprecated」「Warning」などの英語のメッセージが出る新しいPHPで非推奨になった書き方が使われている本番ではエラーを画面に表示しない設定にしたうえで、プラグインの更新やコードの修正で解消する
問い合わせフォームが送信できない、通知メールが届かないフォームのプラグインや独自の送信処理が新しいPHPに対応していないテスト送信で確かめ、プラグインの更新か置き換えを検討する
レイアウトが崩れる、一部の機能だけ動かないテーマや独自のコードの一部が新しいPHPで動いていないどのページ・機能かを記録し、テスト環境で修正する
「データベース接続確立エラー」が出る古いPHPから切り替えた際に、データベースのパスワード形式が合わなくなる場合がある(ロリポップ!のマニュアルで案内)サーバー会社の案内に従って設定を変更する

致命的なエラーが起きたときのリカバリーモードは、WordPress 5.2で追加された仕組みです(WordPressの開発チームによる説明)。管理者のメールアドレスが古いままだと案内が届かないため、事前に「設定」→「一般」の管理者メールアドレスを確認しておきます。

元に戻す手順

  1. サーバーの管理画面で、PHPを切り替え前のバージョンに戻す(戻せない条件がないかを事前にマニュアルで確かめておく)
  2. それでも直らない場合は、切り替え前に取ったバックアップから復元する
  3. テスト環境で原因のテーマ・プラグイン・コードを特定し、更新、置き換え、修正のどれで対応するかを決める
  4. 修正を確かめてから、あらためて切り替えの日を決める

PHPの更新はだれが担当するか

PHPの切り替え操作そのものは数分で終わりますが、互換性の確認と不具合時の復旧まで含めると、サーバー・WordPress・テーマの中身が分かる担当者が必要です。

担当担う範囲注意点
サーバー会社同じ系列の修正版の適用、選べるバージョンの提供、提供終了のお知らせロリポップ!やさくらのレンタルサーバのマニュアルでも、テーマ・プラグインの対応や変更後の動作確認は利用者側で行うよう案内されている
制作会社独自に作ったテーマや機能の改修公開後の保守契約がないと、対応の範囲外になりやすい
保守契約の委託先バックアップ、更新、互換性の確認、切り替え作業、不具合時の復旧PHPの切り替えや改修が月額の範囲に入るかを契約時に確かめる
社内の担当者サポート期限の把握、サーバー契約とログイン情報の管理、作業日の調整、切り替え後の動作確認サーバーの管理画面に入れる人がいないと、何も進められない

前述のIPAの注意喚起は、長く更新していないシステムでは担当者の不在や保守契約の終了で対策が難しくなりやすいとして、経営層も含めて更新後の維持に必要な人員・予算・保守体制を確保できるかを検討し、確保できない場合は保守を受けられるサービスへの移行や公開の終了も含めて検討するよう求めています。

外部に任せる場合の費用の内訳と、保守契約に含まれないことが多い作業はWordPress保守の外注費用で整理しています。

よくあるご質問

PHPは最新の8.5にすべきですか?8.3で十分ですか?

WordPressが推奨するのは8.3以上なので、8.3でも推奨の範囲です。ただし、8.3のセキュリティサポートは2027年12月31日まで、8.4は2028年12月31日まで、8.5は2029年12月31日までです。テーマとプラグインが対応している範囲でなるべく新しい系列を選ぶと、次の切り替えまでの期間を長くできます。

レンタルサーバーなら、PHPはサーバー会社が自動で上げてくれますか?

同じ系列の中の修正版はサーバー会社が適用するのが一般的ですが、8.2から8.3のような系列の切り替えは、サイトごとに利用者が選ぶのが基本です。古い系列の提供終了に伴う扱いはサーバー会社によって違うため、各社のお知らせを確認してください。

PHPを上げたら表示が崩れました。すぐに戻せますか?

多くのサーバーでは、管理画面で元のバージョンを選び直せば戻せます。ただし、ロリポップ!ではPHP 7.1未満から上げた場合は戻せないなど、条件はサーバー会社によって違います。切り替えの前にマニュアルで戻し方を確認し、バックアップを取っておいてください。

PHP 8.2のサポート終了(2026年12月31日)までに切り替えが間に合いません。どうすればよいですか?

まず、テスト環境で新しいPHPに切り替えたときに何が動かないかを洗い出し、修正の量と期間を見積もります。期限を過ぎる場合は、その間のバックアップと改ざん検知、WAFなどの対策を確認し、いつまでに切り替えるかを決めて進めます。サポートが終わったPHPを使い続ける期間は、できるだけ短くしてください。

まとめ

PHPはWordPressを動かしている土台で、WordPressの更新とは別に管理する必要があります。2026年10月時点ではPHP 8.1以前のサポートが終わっており、8.2も2026年12月31日で終わります。WordPressの推奨は8.3以上です。切り替えは、バックアップ、本体・テーマ・プラグインの更新、互換性の確認、テスト環境での確認を済ませてからサーバーの管理画面で行い、不具合が出たらまずPHPを元に戻します。

社内にサーバーとWordPressの両方が分かる担当者がいない場合は、更新と互換性の確認、バックアップ、監視を月額で任せる方法があります。当社のWEBサイト運用保守(保守ライト 月2万円〜、保守スタンダード 月3万円〜、税別)では、他社で制作したWordPressサイトも、初回の現状診断でサーバー・WordPress・プラグインの状態を確認したうえで保守を引き継いでいます。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2026年10月23日 に公開し、2026年10月23日 に内容を確認・更新しました。