業種別ホームページ

製造業のホームページ制作:引き合いを増やすページ構成と見積もりフォーム

公開 読了 約16分

製造業の会社がホームページを作る・作り直すときによく聞くのが、「会社案内をそのまま載せたが新しい引き合いが来ない」「問い合わせは既存の取引先からの電話ばかり」という悩みです。発注先を探している購買担当者や設計者は、問い合わせの前にサイトを見て、自社の案件に対応できる会社かどうかを確かめています。そこで答えが見つからなければ、問い合わせをせずにほかの会社のサイトへ移ります。

製造業のホームページで引き合いを増やすには、購買・設計・品質保証などの閲覧者ごとに問い合わせ前に確かめる情報を洗い出し、製品・加工技術の仕様、設備一覧、品質管理の体制、加工事例、対応ロット・納期を同じ型で載せ、図面を添付できる見積もりフォームまで迷わず進める構成にすることです。

この記事では、閲覧者別に必要な情報、引き合いにつながるページ構成と各ページの書き方、図面を添付できるフォームの項目、試作・小ロットの案内、採用との両立、当社の製造業の制作例、期間と費用の目安を、発注する側の立場で解説します。

製造業のホームページが果たす3つの役割

製造業のホームページの役割は、「新しい引き合いを受ける」「取引先や求職者が会社を確かめる」「営業や採用の資料として使う」の3つです。

  • 新しい引き合いを受ける:展示会や紹介に頼らず、加工方法や製品名で検索した設計者・購買担当者から見積もり依頼を受けます。
  • 会社を確かめる場所になる:展示会で名刺を交換した担当者、取引先の新しい担当者、求職者は、社名で検索してサイトを見ます。設備や認証の情報が古い、載っていないと、それだけで候補から外れることがあります。
  • 営業・採用の資料になる:営業担当者が製品ページや事例の URL を送る、カタログをダウンロードしてもらう、会社説明の場で採用ページを見せる、といった使い方ができます。

BtoB の取引では、1社に決まるまでに複数の担当者が関わり、ほかの会社と比べられる期間も長くなります。BtoB サイト全般の構成と進め方はBtoBサイトの制作で押さえる構成と進め方で解説しているので、この記事では製造業に特有の情報に絞って説明します。

閲覧者別に必要な情報

製造業のサイトは、購買担当者・設計者・品質保証担当者・決裁者・求職者など閲覧者の種類が多いため、誰が何を確かめに来るかを表にしてから、答えるページを割り当てます。

閲覧者確かめたいこと答えるページ・情報
購買・調達担当者扱える品目、対応ロット、納期、安定して供給できる体制、会社の信用製品・加工技術のページ、ロットと納期の目安、生産拠点、会社概要
設計者・技術者加工方法、材質、サイズ、精度、表面処理や組立などの後工程、図面で相談できるか仕様表、加工事例、設備一覧、技術資料のダウンロード、技術相談のフォーム
品質保証の担当者検査の方法と設備、取得している認証、不具合が起きたときの対応品質管理のページ(検査の流れ・検査設備・認証の範囲)
経営層・決裁者会社の安定性、取引のある業界、事業の方向性会社概要、沿革、代表メッセージ、取引業界、お知らせ
求職者仕事の内容、工場の環境、教育の仕組み、休日・給与採用情報、または採用サイト
株主・投資家(上場企業)決算資料、適時開示、株主向けの情報IR 情報
海外の取引先事業の内容、会社情報、英語で問い合わせできるか英語ページ

どの閲覧者を優先するかは会社ごとに違います。新しい引き合いを増やすことが目的なら、購買担当者と設計者が最初の画面から製品・技術のページへ進めることを優先し、求職者や投資家には別の入口を用意します。

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引き合いにつながるページ構成

製造業のコーポレートサイトは、会社概要やお問い合わせなどの基本のページに、「製品・加工技術」「加工事例」「設備」「品質」「技術資料」「試作・小ロット」のページを加えた構成が基本になります。

ページ載せる内容作るときのポイント
トップ何を・どんな加工で・どの業界に提供しているかの一文、強み、製品と技術への入口、事例の抜粋工場や製品の写真で、規模と技術を言葉より先に見せる
当社の強み工法、設備、品質管理、一貫体制など、見積もり依頼の前に確認される項目「高品質」と書くより、設備の能力や検査の流れで示す
製品・加工技術(カテゴリ別)用途、対応材質、サイズの範囲、精度、ロット、納期の目安、後工程発注側が検索で使う名称ごとに1ページ。仕様表の型をそろえる
加工事例・提案事例業界、用途、課題、提案内容、仕様、写真社名を出せなくても、業界・用途・課題・提案内容の4点で書ける
設備一覧設備名、メーカー・型式、能力や加工できる範囲、台数設備を入れ替えたら更新する担当を決める
品質管理・認証検査の流れ、検査設備、取得している認証と対象の範囲見積もりや取引の開始時に求められる書類の種類も書く
試作・小ロット最小ロット、試作の流れと期間、量産への移り方対応できない条件も書く
技術資料・カタログ会社案内、製品カタログ、設備リストなどの PDFダウンロードの前に入力をお願いするかどうかを資料ごとに決める
よくあるご質問図面がない場合の相談、材料の支給、納期、支払い条件、秘密保持営業担当者がよく受ける質問から作る
会社概要・拠点会社情報、工場・営業所の所在地、アクセス名刺や求人票の表記とそろえる
採用情報仕事内容、働く人、制度、募集要項取引先向けの入口と分ける
お問い合わせ・見積もり依頼用件別のフォーム、図面の添付、返信の目安次の章で解説

業種を問わずコーポレートサイトに必要なページの全体像は、コーポレートサイトに必要なページ構成一覧にまとめています。

製品・加工技術のページ

製品・加工技術のページは、設計者や購買担当者が「自社の案件に対応できるか」を判断する、引き合いに最も近いページです。ページごとに次の項目を同じ順番で載せると、ほかの製品と比べやすくなります。

  • 主な用途と納入先の業界
  • 対応できる材質
  • 加工できるサイズの範囲(最小・最大)
  • 精度・公差の目安
  • 対応できるロット(試作1個から、月産○個までなど)
  • 標準的な納期の目安
  • 表面処理・熱処理・組立・検査などの後工程と、社内か協力会社か
  • 関連する加工事例と、見積もり依頼への入口

ページの分け方は、発注側が検索で使う名称が基準です。製品の種類が多い会社でも、最初からすべてのページを作る必要はありません。ページを細かく分けすぎると更新が追いつかなくなるため、問い合わせの多い製品から10〜15ページほどで始め、少しずつ増やす方法が現実的です。

加工事例・施工実績のページ

加工事例は、仕様表に書いた能力を「実際にこういう案件を手がけた」という形で裏づけるページです。1件ごとに、課題、提案した内容、納品した物、写真と仕様を同じ項目で書きます。取引先の社名を出せない場合でも、業界・用途・課題・提案内容の4点が書かれていれば、発注側は自社の案件に近いかどうかを判断できます。

件数は多くなくても構いません。発注側は件数よりも「自社の案件に近い事例があるか」を見るため、用途や業界ごとに代表的な事例をそろえることを優先します。営業担当者が写真と数項目を入力すれば公開できる型にしておくと、公開後も事例が増え続けます。

設備一覧と品質管理のページ

設備一覧は、設備名、メーカー・型式、能力や加工できる範囲、台数を表にまとめます。品質管理のページには、受け入れ・工程内・出荷の各段階で何を検査するか、どの検査設備を使うか、取得している認証とその対象範囲を載せます。材料の証明書や検査成績書など、取引の開始時に提出を求められる書類の種類を書いておくと、問い合わせ後のやり取りが短くなります。

図面を添付できる見積もりフォームの作り方

製造業の問い合わせは図面や仕様書を伴う見積もり依頼・技術相談が中心なので、フォームは最初に用件を選んでもらい、見積もりのときだけ材質・数量・納期・図面の添付を聞く形にします。

項目必須にするか理由・注意点
用件(見積もり/技術相談/試作/サンプル請求/仕入先・協力会社/採用/その他)必須社内の担当部署に振り分けるため。用件によって次に表示する項目を変える
会社名・部署・氏名必須返信と社内の記録に使う
メールアドレス必須見積書や確認事項を送るため
電話番号任意必須にすると入力をやめる人がいる。電話で確認したい場合はその理由を書く
品名・用途、材質任意図面がない段階の相談でも書けるようにする
数量(試作か量産か)見積もりのときは必須単価と納期の判断に欠かせない
希望納期任意急ぎの案件を見分ける
図面・仕様書の添付任意受け付けるファイル形式(PDF・DXF・STEP など)、容量の上限、複数ファイルの可否を書く
秘密保持契約(NDA)の希望任意図面を送る前に NDA を結べると分かれば、送る側の不安が減る
相談内容(自由記述)任意形式に当てはまらない相談を受け止める

フォームのほかに、送信後の自動返信メールと完了ページに「何営業日以内に、どの部署から連絡するか」を書き、受け取った図面をどう扱うか(見積もり以外に使わない、保管の方法など)をフォームの近くに明記します。ファイルの容量が上限を超える場合の送り方も、あらかじめ案内しておきます。フォームの送信完了を GA4 のキーイベントとして計測すると、どのページから何件の見積もり依頼が来たかを公開後に確かめられます。業種を問わないフォームの項目の考え方は、問い合わせフォームの項目の決め方で解説しています。

試作・小ロットの案内を載せる

試作や小ロットに対応できる会社は、専用のページか製品ページの一節で「何個から・どのくらいの期間で・どんな流れで」対応できるかを書くと、量産前の段階にいる設計者からの相談を受けやすくなります。

  1. 対応できる最小ロットと、得意なロットの範囲を書く
  2. 試作の流れ(図面の受け取り → 見積もり → 試作 → 評価 → 量産の見積もり)を順番に示す
  3. それぞれの段階にかかる期間の目安を書く
  4. 型や治具の費用の扱いなど、費用が決まる要素を説明する
  5. 図面がない場合(現物のサンプルや手書きの図)でも相談できるかを書く
  6. 対応できない材質・サイズ・数量を明記する

対応できない条件を書いておくと、合わない問い合わせが減り、営業担当者が断る手間も減ります。「小ロット」「試作」は製品名と組み合わせて検索されることが多い言葉なので、見出しにも入れておきます。

検索で見つけてもらうための考え方

製造業で検索されるのは「工法名+メーカー」「製品名+条件」「業態+地域」といった組み合わせなので、製品・技術・事例のページの見出しにその名詞を入れ、1ページ1テーマで作ります。

  • 発注側の言葉を使う:社内の呼び方や型番ではなく、設計者や購買担当者が検索に使う名称(工法名、製品の一般名、材質名)を見出しに入れます。
  • 入口を2つ用意する:納入先の業界が幅広い会社は、「製品から探す」入口と「業界から探す」入口を両方つくり、製品ページと業界ページを互いにリンクします。
  • 地域も書く:工場の所在地や対応できる地域を、会社概要だけでなく事業紹介のページにも書きます。
  • 技術的な土台を整える:ページごとの title・description、会社情報の構造化データ、XML サイトマップ、表示速度の対策は、制作の段階で入れておきます。

採用情報と両立させる

製造業のサイトは取引先と求職者の両方が見るため、グローバルナビの段階で入口を分け、採用の情報は独立したセクションか採用サイトにまとめます。

取引先向けのページは技術の具体性、採用のページは職場の雰囲気と人、IR は正確さと更新の速さ、というように求められる書き方が違います。デザインの共通ルールは保ちながら、セクションごとに文章の型を変えると、どの閲覧者にも読みやすいサイトになります。年に数名の採用で職種が1〜2つならコーポレートサイト内の採用ページで足りることが多く、複数の職種を続けて採用する場合や、新卒と中途で伝える内容が違う場合は、採用サイトを分けることを検討します。

当社の製造業の制作例

当社が制作した製造業のサイトでは、閲覧者ごとの入口を分け、仕様・工程・事例を同じ型で見せることを共通の考え方にしています。

事例主な閲覧者構成の特徴
鍛造・鋳造の上場メーカー取引先の購買・設計担当者、株主・投資家、求職者、海外の取引先取引先・投資家・求職者がトップから1クリックで自分の入口に進める構成。事業紹介は製品分野ごとに工法・サイズ・材質・納入先の業界を同じ型で記載。英語版は事業紹介・会社案内・お問い合わせに絞った
紙器・包装資材メーカー食品・化粧品・日用品メーカーの購買・企画担当者、販促物を検討する営業部門、求職者製品案内・お取引業界・提案事例の3つの入口。フォームは用件(サンプル請求・見積もり・相談)を最初に選び、見積もりでは用途・ロット・納期を入力する
鉄骨・鋼構造物メーカーゼネコン・設計事務所の調達・設計担当者、協力会社、技術職・現場職の求職者原寸・加工・組立・溶接・検査・塗装・出荷の順に工程を見せる「製品ができるまで」と、用途と規模で絞り込める施工実績。見積もりフォームにファイル添付欄と工事名・部材の種類・概算数量・希望納期の入力欄
設備エンジニアリング会社施設のオーナーや管理会社、建設会社の調達担当者、設備技術者の求職者事業紹介(できること)・施工実例(やったこと)・ブログ&ニュース(いま取り組んでいること)の3層。ブログは1本500字程度でも公開できる型にした

いずれも掲載許諾の方針により社名・URL・画面は公開していませんが、業種とサイトの構成、設計の考え方を制作実績で1件ずつ紹介しています。

制作の進め方・期間・費用の目安

当社で製造業のコーポレートサイトを制作する場合、10ページ前後の標準的な構成で、ヒアリングから公開まで2.5〜4か月、費用はスタンダードプランで120万円〜(税別)が目安です。

  • 製品案内や事例の件数が多い場合は、4か月以上を見込みます。
  • 日本語と英語の2言語、IR、採用を含む構成では、4〜6か月が目安です。
  • 工場の撮影を行う場合、撮影は別途お見積りです。構成を決める段階で撮影日を押さえ、工程ごとに必要なカットを一覧にしてから撮影します。

工程は、ヒアリング・現状診断、ブランディング設計、情報設計・ワイヤーフレーム、デザイン、実装・SEO・計測設定、公開・運用改善の順に進みます。発注する側には、製品・設備・認証の資料、事例に使う写真と仕様、事例の掲載許諾の確認、受け取った図面の扱いに関する社内ルールの共有をお願いすることになります。早めにそろえておくと、期間が延びにくくなります。

公開前・リニューアル前のチェックリスト

今のサイトを見直すときも、新しいサイトを公開する前も、次の項目がそろっているかを確認します。

確認する項目見るところ
何を・どんな加工で・どの業界向けに作っている会社かが最初の画面で分かるトップ
製品・加工技術ごとに、材質・サイズ・精度・ロット・納期の仕様表がある製品・加工技術
加工事例が業界・用途・課題・提案内容で書かれている加工事例
設備一覧、検査の流れ、認証の範囲が最新になっている設備・品質
試作・小ロットに対応できるか、できない条件は何かが分かる試作・小ロット
見積もりフォームで図面を添付でき、形式と容量の上限が書かれているお問い合わせ
図面の扱いと秘密保持契約の可否が書かれているお問い合わせ・よくあるご質問
送信後、いつ・どこから連絡が来るかが書かれている完了ページ・自動返信メール
取引先向けと求職者向けの入口が分かれているグローバルナビ
スマートフォンでも仕様表が読める製品・加工技術
見積もり依頼・資料ダウンロードの件数を計測しているGA4

よくあるご質問

製品の数が多い場合、すべての製品のページを作るべきですか?

すべてを作る必要はありません。発注側が検索で使う名称ごとに1ページを用意し、サイズや加工の違いはページ内の表で扱います。まず問い合わせの多い製品から10〜15ページほどで始め、公開後に増やしていく方法をおすすめします。

取引先の社名を出せない場合でも、事例は載せられますか?

載せられます。業界・用途・課題・提案内容の4点で書けば、社名がなくても発注側の判断材料になります。写真は製品だけを写す、ロゴや取引先が分かる部分を外した構図で撮影する、といった工夫で掲載できます。

工場の写真がない場合はどうすればよいですか?

製造業のサイトは現場の写真があるかどうかで説得力が大きく変わるため、撮影をおすすめします。撮影するときは、取引先の製品や図面、掲示物が写り込まないように事前に確認します。撮影が難しい場合は、設備や製品の静物写真と図版で代わりに見せる構成にします。

受注生産で価格を載せられない場合はどうすればよいですか?

一律の価格を出せない場合は、価格の代わりに「見積もりに必要な情報」「費用が決まる要素(材質・数量・加工の難しさ・後工程など)」「見積もりを出すまでの日数」を書きます。何を送れば見積もりが出るかが分かるだけでも、問い合わせのハードルは下がります。

まとめ

製造業のホームページで引き合いを増やすには、閲覧者ごとに問い合わせ前に確かめる情報を洗い出し、答えるページを用意することが出発点です。

  • 購買・設計・品質保証・決裁者・求職者など、閲覧者ごとに確かめたいことを表にしてからページを決める
  • 製品・加工技術のページは、材質・サイズ・精度・ロット・納期の仕様表を同じ型で載せる
  • 加工事例は、社名を出せなくても業界・用途・課題・提案内容の4点で書ける
  • 見積もりフォームは用件を最初に選んでもらい、図面の添付と秘密保持の扱いを明記する
  • 試作・小ロットの対応範囲と、対応できない条件を書く
  • 取引先と求職者の入口を分け、採用の情報は独立したセクションか採用サイトにまとめる

当社のコーポレートサイト制作では、製品カテゴリ別のページと仕様表、設備一覧・品質保証・認証の掲載、図面を添付できる見積もり依頼フォームを、製造業の標準的な構成としてご提案しています。プランごとの内容と料金はコーポレートサイト制作のページでご確認いただけます。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2026年10月26日 に公開し、2026年10月26日 に内容を確認・更新しました。