製品やサービスの紹介ページを作ったのに、資料請求も問い合わせもほとんど来ない。そのページは、カタログの文章をそのまま載せたものや、機能を並べただけのものになっていないでしょうか。BtoBの検討者は、ページを読んで上長に説明し、他社と比べるための材料を探しています。
BtoBの製品・サービスページは、「課題 → 解決 → 特徴 → 仕様 → 事例 → 料金・見積もり → よくある質問 → CTA(行動の入口)」の順に、検討者が社内で説明できる材料を1ページにそろえて書きます。
この記事では、ページを読む人ごとに確かめたいこと、8つのブロックの構成表、ブロックごとの書き方と書き換えの例、比較される前提で載せる情報、資料ダウンロードとの組み合わせ方、製品が複数ある場合の分け方を解説します。サイト全体の構成はBtoBサイト制作のポイントで扱っています。
BtoBの製品・サービスページを読むのは誰か
BtoBの製品・サービスページは、利用部門の担当者だけでなく、上長・決裁者、情報システムや技術の担当者、購買・法務の担当者が、それぞれ違うことを確かめるために読みます。
| 読む人 | 確かめたいこと | 答えるブロック |
| 利用部門の担当者 | 自社の課題に合うか、現場で使えるか | 課題、解決、特徴、仕様 |
| 上長・決裁者 | 効果と費用は見合うか、ほかの選択肢と比べてどうか | 事例、料金・見積もり、比較の情報 |
| 情報システム・技術の担当者 | 今のシステムや設備と合うか、安全に使えるか | 仕様、対応環境、品質・セキュリティの体制 |
| 購買・法務の担当者 | 契約の条件、取引してよい会社か | 料金・契約条件、よくある質問、会社情報へのリンク |
担当者はページのURLを社内のチャットやメールで共有することがよくあります。共有された人はそのページだけを読むため、ほかのページを読まなくても判断できるように書き、社内の略語や型番だけの説明は避けます。
製品・サービスページの構成:8つのブロック
製品・サービスページは、課題・解決・特徴・仕様・事例・料金・よくある質問・CTAの8つのブロックを、検討者の疑問が進む順番に上から並べて構成します。
| 順 | ブロック | 目的 | 書く内容 | よくある失敗 |
| 1 | 課題 | 自分に関係があると気づいてもらう | 対象の顧客(業種・規模・部署)と、よくある課題を2〜4つ | 「業務効率化」など、誰にでも当てはまる言葉だけ |
| 2 | 解決 | 何をどう変えるのかを伝える | 製品・サービスを1文で説明し、導入前と導入後の違いを示す | 製品名とキャッチコピーだけで、何をするものか分からない |
| 3 | 特徴 | ほかの方法との違いを伝える | 特徴を3〜5点。それぞれに根拠を添える | 機能を10個以上並べ、どれが大事か分からない |
| 4 | 仕様・対応範囲 | 使える条件か判断してもらう | 対応環境、対応範囲、数量・ロット、納期、サポートの時間 | PDFの中にしか書かれておらず、ページで確かめられない |
| 5 | 事例 | 自社でも使えると思ってもらう | 業種・規模・課題・選んだ理由・結果を1〜3件 | 根拠のない「満足の声」だけ |
| 6 | 料金・見積もり | 予算に合うか判断してもらう | 料金体系、最低価格や目安、含まれる範囲、見積もりに必要な情報 | 「お問い合わせください」だけ |
| 7 | よくある質問 | 問い合わせ前の不安をなくす | 導入期間、契約期間、解約、データの移行、サポートなど | 商談で出ない質問ばかり |
| 8 | CTA | 次の行動を選んでもらう | 資料請求、相談・デモ、見積もりの入口と、送信後の流れ | 「お問い合わせ」のボタンが1つだけで、検討途中の人の行き場がない |
CTAはページの最後だけでなく、特徴の後と事例の後にも置き、読み終える前に行動を決めた人が探さずに済むようにします。当社がサービスサイトを作るときも、「価値を理解する(特徴・機能)」「納得する(料金・事例・導入の流れ・よくある質問)」「行動する(資料請求・問い合わせ)」の3段階でページを組んでいます。1ページで書く場合も、この順番は同じです。
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ブロックごとの書き方と書き換えの例
各ブロックは、検討者が言い換えずにそのまま社内の説明に使える文で書くことを基準にし、抽象的な言葉を「対象・数字・条件」に置き換えます。
次の表は、架空の「工場向けの設備点検サービス」を例に、よくある書き方を書き換えたものです(例:◯の部分には自社の事実を入れます)。
| ブロック | よくある書き方 | 書き換えた例 |
| 課題 | 設備の管理でお困りではありませんか? | 点検の記録が紙の台帳と担当者の記憶に頼っていて、故障してから修理を手配している工場の方へ |
| 解決 | 最適な設備保全をご提案します | 月1回の定期点検と点検記録のデータ化で、部品の交換時期を事前にお知らせします |
| 特徴 | 高品質・迅速な対応 | 点検は設備メーカーでの勤務経験がある技術者が担当します。故障の連絡から原則◯時間以内に一次対応します(対応エリア内) |
| 仕様 | 幅広い設備に対応 | 対象設備:コンプレッサー、空調、受変電設備など。対応エリア:◯◯県内。点検の時間帯:平日8時〜17時 |
| 事例 | 多くのお客様に喜ばれています | 金属加工業・従業員120名:突発の停止が続いたため導入。点検計画を作り、交換部品を計画的に発注できるようになった |
| 料金 | お気軽にお問い合わせください | 月額◯万円〜(設備10台まで・月1回点検)。台数と点検の頻度で変わります。見積もりには設備の一覧をお送りください |
課題と解決:対象を絞り、顧客の言葉で書く
課題のブロックでは、対象を業種・規模・部署で絞り込みます。「すべての企業の方へ」と書くと、誰も自分のことだと思いません。課題の言葉は、営業の記録や問い合わせの文面に出てくる顧客の表現から拾います。解決のブロックでは「何を・どうして・どうなるか」を1文で書き、その下に導入前と導入後の違いを短く示します。
特徴:3〜5点に絞り、根拠を添える
特徴は「特徴・根拠・顧客にとっての意味」の3点を1組にして書きます。根拠には、資格者の人数、対応件数、設備、品質の認証、継続して利用している顧客の割合など、確かめられる事実を使います。「業界No.1」「業界初」のような表現は、調査の対象・時期・方法を併記できる場合だけにします。当社の制作例では、不動産会社向けの営業支援サービスのサイトで、機能ごとに「現場のどの作業が、どう変わるか」を画面のイメージと一緒に1つずつ説明する形にしました。
仕様・対応範囲:できないことも書く
仕様と対応範囲は、文章ではなく表で書きます。対応できる条件に加えて「対象外のもの」「別料金になるもの」も書いておくと、条件に合わない問い合わせが減り、合う会社からの問い合わせは具体的になります。当社が制作した紙器・包装資材メーカーのサイトでは、製品ごとのページに用途・ロット・加工の選択肢を同じ型で載せ、製品を比べやすくしています。
事例:自社に近い会社だと分かる項目で書く
製品ページには事例を1〜3件抜粋し、詳しい内容は事例のページにつなぎます。業種、規模、導入前の課題、選んだ理由、取り組み、結果を同じ項目で書き、社名を出せない場合も業種と規模は書きます。結果に数字を入れる場合は、顧客に確認して許可を得た数字だけを使います。
料金・見積もり:目安と決まり方を書く
料金は、固定の価格を出せない場合でも、料金体系(初期費用・月額・従量)、最低価格と含まれる範囲、金額が変わる要因、見積もりに必要な情報は書けます。載せる・目安だけ載せる・載せないの判断基準はサービスサイトの料金ページの作り方で解説しています。
よくある質問とCTA:送信後のことまで書く
よくある質問は、営業担当が商談で毎回受ける質問から選びます。CTAのボタンは「お問い合わせ」だけでなく、「サービス資料をダウンロード(PDF)」「30分の無料相談を予約する」のように、押すと何が起きるかが分かる言葉にします。当社の無料簡易診断の申し込みボタンの下には、「結果は通常5分ほどでメールでお送りします」「電話はいたしません」と書き、押した後のことを先に伝えています。
比較される前提で載せる情報
BtoBの製品・サービスは必ず他社やほかの方法と比べられるため、比較表に並ぶ項目を自社のページで先に答えておきます。
| 比較される項目 | 書く内容 | 書けない場合の代わり |
| 向いている会社 | 業種・規模・課題。向いていない会社も書く | — |
| 対応範囲 | 含まれる作業・機能、別料金のもの、対象外のもの | 標準の範囲と、個別に相談できる範囲 |
| 開始までの期間 | 申し込みから利用開始までの日数と手順 | 標準の期間と、期間が延びる条件 |
| 費用 | 初期費用・月額・従量の別、最低価格 | 費用が決まる要因と、事例ごとの価格帯 |
| サポート | 窓口、対応時間、方法(電話・メール・訪問) | — |
| 品質・セキュリティ | 認証、体制、品質管理やデータ管理の手順 | 詳しい資料の請求方法 |
| 契約条件 | 最低契約期間、解約の方法、支払いの条件 | よくある質問で答える |
| 実績 | 導入社数や業種の内訳(数え方と時点を書く) | 業種別の事例 |
「向いていない会社」を書くのは勇気がいりますが、比較している人にとっては判断を早める情報です。例:「設備が1〜2台だけの事業所には、スポットでの点検のほうが費用を抑えられます」。合わない会社からの問い合わせが減り、営業の時間を合う会社に回せます。
他社の名前を出した比較表は、相手の情報が変わったときに誤りになりやすいため、「Excelでの管理」「都度の外注」のような、ほかの方法との比較で書くほうが安全です。
資料ダウンロードとの組み合わせ方
製品ページの本文には判断に必要な要点を書き、資料ダウンロードには社内で回覧したり稟議に添えたりする詳しい資料を入れて、役割を分けます。
| 情報 | 製品ページの本文 | ダウンロード資料(PDF) |
| 対象・課題・解決・特徴 | 書く | 社内説明用に1〜2ページでまとめ直す |
| 仕様・対応範囲 | 主な項目を表で書く | 詳しい仕様表、図面、対応一覧 |
| 事例 | 1〜3件の要約 | 複数件をまとめた事例集 |
| 料金 | 料金体系と目安 | 料金表、見積もりの例 |
| 導入の流れ | 手順と期間 | スケジュール表、用意するものの一覧 |
フォームに入力した人だけが開けるPDFは、検索エンジンやAIが内容を読めません。料金の目安や主な仕様は、資料を用意する場合もページ本文に文字で書いておきます。資料を新しく作る時間がなければ、既存の営業資料をダウンロード用に整えるだけでも始められます。
資料のフォームは、会社名・氏名・メールアドレスを中心に項目を絞ります。取得した連絡先を、資料の送付だけでなく新しいサービスの案内などにも使う場合は、利用目的をフォームの近くに明示します。個人情報保護委員会のQ&Aでは、ホームページの入力画面で本人から直接取得する場合は原則として利用目的の明示が必要とされ、新たなサービスの案内などは、取得の状況から利用目的が明らかとはいえない場合があると説明されています(個人情報保護委員会 Q&A 4-17)。ダウンロードページそのものの作り方は資料ダウンロードページの作り方で解説しています。
製品・サービスが複数ある場合のページの分け方
製品・サービスが複数ある場合は、検索され比較される単位で1ページずつ作り、一覧のページでは「製品の種類」と「目的・業種」の両方から選べるようにします。
- 1つの製品・サービスに1ページを用意し、どのページも8つのブロックの同じ型で作る
- 型番・サイズ・容量の違いはページを分けず、ページ内の表で比べられるようにする
- 一覧ページには、製品の種類から探す入口と、課題や業種から探す入口を用意する
- 関連する製品、事例、資料を互いにリンクし、どのページからも次に読むものが分かるようにする
- 製品ごとにCTAを変える(例:製品は「資料請求・デモ」、受託の開発や工事は「相談・見積もり」)
ページ数の目安について、当社の制作例の紙器・包装資材メーカーでは、発注する人が検索で使う製品の名称ごとに1ページを用意し、まず10〜15ページ程度から始めて問い合わせの多い製品から増やす方法をとりました。製品ごとに対象の顧客が違う、製品ごとに広告を出す、料金体系が複雑、といった段階になったら、製品サイトを分けることを検討します。判断の基準はコーポレートサイトとサービスサイトの違いで解説しています。
公開後に確認して直すこと
公開後は、ページごとに「見られているか」「次の行動に進んでいるか」「どんな言葉で来ているか」を確かめ、営業の場で出た新しい質問を本文に足していきます。
- GA4:ページの表示回数と、そのページを見た後に資料請求・問い合わせ(キーイベント)に進んだ数
- Search Console:そのページが表示された検索語句。製品名だけでなく、課題の言葉でも表示されているか
- 営業の記録:問い合わせた人がどのページを見たか、商談で新しく出た質問は何か
- 更新:料金や仕様を改定したら、ページとPDFと見積書のひな形を同じ日に直す
当社のサービスサイト・LP制作の各プランには、公開30日後のレビューを含めています。最初の1か月の数字で、見られていないのか、見られているのに行動に進んでいないのかを切り分けます。
よくあるご質問
製品ページは1ページに長く書くべきですか、それとも分けるべきですか?
1つの製品は1ページで8つのブロックをそろえ、事例の詳細、料金表の全体、技術資料は別のページや資料にしてリンクする形が基本です。1ページにすべてを詰め込むと長くなりすぎ、反対に細かく分けすぎると、共有されたページだけでは判断できなくなります。
料金を載せられない製品は、料金のブロックに何を書けばよいですか?
金額が決まる要因(数量、規模、対応範囲など)、事例ごとの価格帯、見積もりに必要な情報と、見積もりが届くまでの日数を書きます。「お問い合わせください」だけで終わらせないことが大切です。
よくある質問に構造化データを入れると、検索結果に表示されますか?
Googleは、よくある質問のリッチリザルト(検索結果に質問と回答を表示する機能)を、2026年5月7日から検索結果に表示しなくなりました(Google 検索セントラルのドキュメント更新情報)。検索結果での見え方を目的にするのではなく、検討者の疑問に答える本文として書くことが大切です。
製品ページに商品の構造化データ(Product)を入れるべきですか?
Googleの商品スニペット(評価や価格などを表示する検索結果)には、製品名に加えて、レビュー・評価・価格(offers)のいずれかが必要とされています(Google 検索セントラル:商品スニペット)。価格もレビューも載せないBtoBの製品ページでは条件を満たさないことが多いため、まずページ本文の情報をそろえることを優先し、構造化データはページに書いた内容と同じ値で記述します。
まとめ
BtoBの製品・サービスページは、検討者が社内で説明し、他社と比べるための材料を1ページにそろえるページです。要点は次のとおりです。
- 読む人は担当者・上長・技術・購買の4種類。それぞれが確かめたいことにブロックで答える
- 構成は「課題 → 解決 → 特徴 → 仕様 → 事例 → 料金・見積もり → よくある質問 → CTA」
- 抽象的な言葉を、対象・数字・条件に書き換える。できないこと・向いていない会社も書く
- 本文には判断に必要な要点を、資料ダウンロードには稟議に使う詳しい資料を入れる
- 製品が複数なら、検索され比較される単位で1ページずつ同じ型で作る
当社のサービスサイト・LP制作では、ターゲット・提供価値・比較ポイント・キーメッセージをまとめた訴求設計書を作ってから、機能・料金・事例・よくある質問・導入の流れのページを設計します。サービスサイトは5〜8ページで60万円〜(税別)です。
関連記事:BtoBのLPの構成と制作の流れ/導入事例インタビューの質問と作り方/問い合わせフォームの項目の決め方