東京都内の会社がホームページを作る・作り直すときに「都や区の助成金は使えないか」と調べると、全国向けの一覧記事や、名称が変わる前の制度の情報が多く出てきます。区の制度は年度ごとに内容が変わり、同じ「ホームページ作成の補助」でも、申請するタイミングやリニューアルを含むかどうかが区によって違います。
2026年10月時点で、東京都(都・東京都中小企業振興公社)にホームページ制作だけを対象にした助成金は確認できず、東部の区では足立区・葛飾区・江戸川区・江東区がホームページの作成費を補助しています。区の制度は国の持続化補助金と同じ経費に重ねて使えないことが多いため、どちらを使うかを先に決めます。
この記事では、東京都と東部の区(足立区・葛飾区・江戸川区・江東区・墨田区)の制度を各区の公式ページで1件ずつ確認し(2026年10月24日時点)、対象・補助率・上限・受付期間・申請のタイミングを表にまとめました。あわせて、国の持続化補助金との関係、都内の相談先、使うときの注意点を整理します。全国の制度の一覧と選び方はホームページ制作に使える補助金・助成金の一覧をご覧ください。
東京都の助成金はホームページ制作に使えるか
東京都の市場開拓助成事業は「販売促進費」にサイト制作・改修費を含めていますが、展示会出展の費用の申請が必須で対象製品も限られるため、ホームページの制作だけを目的に使うことはできません。
都と東京都中小企業振興公社の助成金のうち、ホームページに関係する主な制度は次のとおりです(2026年10月24日確認)。
| 制度 | ホームページの扱い | 助成率・上限 | 2026年度の受付 |
| 市場開拓助成事業(都・公社) | 販売促進費に「サイト制作・改修費」を含む。ただし展示会等参加費の申請が必須で、販売促進費だけの申請は不可。対象は都・公社の評価や支援を受けた製品、または成長産業分野の製品・サービス | 1/2以内、上限300万円 | 2026年5月15日〜5月29日(終了) |
| 創業助成事業(都・公社) | 助成対象経費に広告費の区分がある。ホームページ制作の扱いは募集要項で確認が必要。都内で創業予定、または創業5年未満で、指定の創業支援を受けたことなどが要件 | 2/3以内、上限400万円 | 第1回 4月7日〜16日、第2回 9月29日〜10月8日(いずれも終了) |
どちらも、ホームページの制作費だけを補助する制度ではありません。市場開拓助成事業は展示会への出展とあわせて販促用のサイトを作る場合、創業助成事業は創業初期の経費をまとめて申請する場合の選択肢です。会社案内のホームページを作る・作り直す目的なら、所在地の区の制度か、国の小規模事業者持続化補助金を確認するのが現実的です。
東部の区の制度(2026年10月24日確認)
確認した東部の5区のうち、足立区・葛飾区・江戸川区・江東区にホームページの作成費を補助する制度があり、墨田区のデジタル技術活用支援補助金はホームページの作成を対象外としています。
| 区 | 制度名 | 対象 | 補助率・上限 | 2026年度の受付 | 申請のタイミング |
| 足立区 | ホームページ作成・更新補助金 | 区内に本店(個人は開業届の住所)がある中小企業者。新規作成と全面的な更新(リニューアル) | 1/2、通常枠20万円・動画加算枠25万円 | 2026年4月1日〜2027年1月29日(予算額に達し次第終了) | ウェブ活用アドバイザーへの事前相談(予約制)が必須。認定(採択)前に支払った経費は対象外 |
| 葛飾区 | ホームページ作成費補助金 | 区内に主たる事業所があり、区内で1年以上事業を営む中小企業。新規作成と全面改修 | 1/2、日本語のみ5万円・外国語対応8万円(ECサイトの新規構築10万円・PR動画2万円の上乗せあり) | 2026年4月1日〜2027年2月26日必着(受付順・予算の範囲内) | 作成・改修に着手する前に申請。2027年3月31日までに完成・実績報告 |
| 江戸川区 | 販路拡大支援事業助成金 | 区内に本社がある中小企業者。ホームページの作成・改修(外注)、企業紹介動画、展示会出展 | 1/2以内、ホームページ10万円(ECまたは多言語対応は20万円) | 申請期限 2027年3月5日 | 事業を実施した後に申請(支払った経費の請求書・領収書の写しを添付) |
| 江東区 | ホームページ作成費補助 | 区内に本店がある中小企業者などで、初めてホームページを開設する事業者(リニューアルは対象外) | 1/2以内、上限10万円 | 4月1日から申請順(実績報告は3月31日必着) | ホームページの公開前に申請 |
| 墨田区 | デジタル技術活用支援補助金 | 業務のデジタル化(ソフトウェア・クラウドサービスなどの導入)。ホームページ作成やECサイトの新設・改修は対象外 | 3/4、上限50万円 | 2026年4月1日〜11月30日17:00 | 事前相談のうえ契約・支払いの前に申請し、交付決定後に着手 |
江東区の内容は、区の中小企業支援施策ガイド2026(2026年4月発行)でも確認しました。荒川区にもホームページ作成補助の制度があり、2026年度の案内が区のサイトに掲載されていますが、今回は金額や受付期間を確認できなかったため表に載せていません。表にない区の制度は、各区の担当課で確認してください。
各区の制度には、表に書ききれない条件もあります。
- 足立区:ホームページ作成後も、3か月後・6か月後などに事後相談を受ける必要があります。ドメイン・サーバーの維持費、単純なページや機能の追加、採用ページなど特定業務だけのページ、ECサイトの作成費は対象外です。
- 葛飾区:消費税相当分、ドメイン・サーバーの維持費、仲介業者を通じて作成するものは対象外です。ホームページの作成・改修を業務とする企業は対象になりません。過去2年度に交付を受けていないことも条件です。
- 江戸川区:消費税、サーバー年間利用料などの間接経費は対象外で、利用は同一年度内に1回までです。申請には、作成・リニューアルの前後のページの写しが必要です。
- 江東区:外部委託費のほか、ドメイン取得費(1ドメイン)とサーバー利用の初期費用も対象です。商号・本店所在地・電話番号またはメールアドレス・事業内容を掲載すること、SNSやブログなどの既存サービスだけを使った形でないことが条件です。
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区の制度の選び方:申請のタイミングとリニューアルの扱いを先に確認する
区の制度を使えるかどうかは、上限額よりも先に「いつ申請するか(着手前か、実施後か)」と「リニューアルが対象か」で決まります。
たとえば葛飾区は着手前、江東区は公開前の申請が条件なので、制作を始めてから制度を知った場合は使えないことがあります。江戸川区は実施後に申請する仕組みですが、予算や年度内の回数の制限があります。主な違いを並べると次のとおりです。
| 確認すること | 足立区 | 葛飾区 | 江戸川区 | 江東区 |
| いつ申請するか | 事前相談のうえ申請し、認定後に発生した経費が対象 | 着手の前 | 実施の後 | 公開の前 |
| リニューアル | 全面的な更新は対象 | 全面改修は対象 | 改修も対象 | 対象外(初めての開設のみ) |
| 上限(基本) | 20万円 | 5万円 | 10万円 | 10万円 |
| ドメイン・サーバー | 維持費は対象外 | 維持費は対象外 | 年間利用料は対象外 | 取得費・初期費用は対象 |
| 国などの補助金との関係 | 類似の補助金を受けていない(見込みもない)こと | 同じ年度に同一趣旨の補助金を受けていないこと | 国・都・他の自治体の助成を利用する場合は対象外 | 同様の他機関の補助と重複して受けられない |
どの区も、年度の予算に達すると受付期間内でも終了することがあります。本店や主たる事業所が区内にあることは共通の条件で、足立区・葛飾区・江戸川区は税の滞納がないことも求めています。
国の持続化補助金との関係
23区の小規模事業者は、東京商工会議所で事業支援計画書(様式4)の発行を受けて国の持続化補助金を申請でき、ホームページの補助は区の制度より大きくなり得ますが、ホームページだけでは申請できず、区の制度とは同じ経費に重ねられないことが多いため、どちらか一方を選びます。
東京商工会議所は、23区内に所在地がある事業者を対象に、持続化補助金の相談と様式4の発行を事前予約制で受け付けています。第20回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00、様式4の発行受付の締切は12月4日です。ウェブサイト関連費の補助金額は30万円(税込)が上限で、チラシや展示会出展などほかの販路開拓の経費と組み合わせて申請します(公募要領 第20回・第8版、2026年10月24日確認)。
同じリニューアルで、どの制度を使うと補助がいくらになるかの目安は次のとおりです(例:制作費60万円(税抜)のホームページのリニューアル。いずれも上限に達する例で、消費税の扱いは制度ごとに確認が必要です)。
| 制度 | 補助の目安 | 主な条件 |
| 持続化補助金(第20回) | 30万円(60万円×2/3=40万円 → 上限30万円) | 小規模事業者のみ。ほかの販路開拓の経費と組み合わせる。審査があり、交付決定日以降に発注する |
| 足立区 | 20万円(60万円×1/2=30万円 → 上限20万円) | 事前相談と認定を受けてから支払う |
| 江戸川区 | 10万円(ECまたは多言語対応なら20万円) | 実施後に申請 |
| 葛飾区 | 5万円(外国語対応なら8万円) | 着手前に申請 |
| 江東区 | 対象外(初めての開設のみ) | 新規開設なら上限10万円 |
従業員が少なく、ホームページのほかにチラシや展示会などの販路開拓も計画しているなら、持続化補助金のほうが補助は大きくなり得ます。一方、持続化補助金は採択の発表が2027年3月頃で、交付決定を待ってからの発注になります。小規模事業者の基準(商業・サービス業は従業員5人以下など)を超える会社や、ホームページだけを早めに進めたい場合は、区の制度が候補になります。持続化補助金に申請して採択されなかった場合に区の制度へ申請できるかは、制度の条件によるため区に確認してください。持続化補助金のルールと申請の進め方は持続化補助金でホームページを作る方法で詳しく説明しています。
東京都・東部の区の相談先
区の補助金は各区の担当課、持続化補助金は東京商工会議所、経営全般の相談は東京都中小企業振興公社の城東支社が窓口です。
| 相談先 | 相談できること | 公式ページ |
| 各区の担当課 | 区の補助金の要件・申請(足立区 企業経営支援課、葛飾区 産業経済課、江戸川区 経営支援課、江東区 経済課、墨田区 経営支援課) | 上の表の各制度のページ |
| 東京商工会議所(23区に支部) | 持続化補助金の相談と様式4の発行(事前予約制)、資金調達や経営一般の相談 | 持続化補助金・23支部の相談窓口 |
| 東京都中小企業振興公社 城東支社 | 足立区・荒川区・江戸川区・葛飾区・江東区・墨田区・台東区の事業者と創業予定者の総合相談 | お問い合わせ先 |
| J-Net21「支援情報ヘッドライン」 | 国・都道府県・自治体・支援機関の補助金や助成金を、地域とキーワードで検索できる中小機構のサイト | 支援情報ヘッドライン |
区の制度を使うときの注意
区の制度は4月1日から受付が始まり予算に達すると締め切る形が多いため、年度の初めに最新の案内を確認し、申請の前に発注・着手しない(江戸川区は実施後の申請)という順番を守ります。
- 年度ごとに内容が変わるため、前年度の情報のまま計画しない(今回の表は2026年度の内容)
- 申請のタイミング(事前相談・着手前・公開前・実施後)を最初に確認し、制作会社との契約日をそれに合わせる
- 見積書は、補助の対象になる制作費と、ドメイン・サーバーの維持費や保守など対象外になりやすい費用を分けてもらう
- 消費税相当分を対象外とする制度(葛飾区・江戸川区)では、税抜の金額で補助を見積もる
- 完了と実績報告の期限(葛飾区は2027年3月31日、江東区は3月31日必着)から逆算して、公開日を決める
- 補助の上限に合わせて仕様を決めず、必要なサイトの費用の一部に補助を充てると考える
当社は埼玉県八潮市の制作会社で、東京都内をはじめ全国に対応しています。打ち合わせはオンラインでも対面でも可能です。申請書類の作成支援は行っていませんが、経費の区分に合わせて内訳を分けた見積書や、申請のタイミングと完了期限に合わせた制作スケジュールのご相談には対応しています。
よくあるご質問
東京都の助成金でホームページだけを作ることはできますか?
2026年10月時点で、都・東京都中小企業振興公社の制度にホームページ制作だけを対象にしたものは確認できませんでした。市場開拓助成事業はサイト制作・改修費を含みますが、展示会出展の費用の申請が必須です。ホームページだけなら、所在地の区の制度か国の持続化補助金を確認してください。
区の補助金と国の持続化補助金は一緒に使えますか?
今回確認した足立区・葛飾区・江戸川区・江東区の制度は、いずれも国などの同種の補助金と重ねて受けられない条件があります。同じホームページの費用に両方を使うことはできないと考え、どちらを使うかを先に決めてください。扱いが分からない場合は、申請前に区の担当課に確認します。
すでにあるホームページのリニューアルにも使えますか?
足立区(全面的な更新)、葛飾区(全面改修)、江戸川区(改修)はリニューアルも対象です。江東区は初めてホームページを開設する事業者が対象で、リニューアルは対象外です。足立区は単純なページや機能の追加を対象外としています。
2027年度の募集はいつ始まりますか?
次年度の内容は各区が年度ごとに決めるため、2026年度と同じとは限りません。2026年度は足立区・葛飾区・江東区が4月1日から受付を始めているため、年度の初めに区の公式ページを確認しておくと間に合いやすくなります。
まとめ
東京都でホームページ制作に助成金を使うときの要点は次のとおりです。
- 都・公社の市場開拓助成事業はサイト制作・改修費を含むが、展示会出展が必須で、ホームページ単独では使えない
- 東部の区では足立区(上限20万円)・江戸川区(10万円)・江東区(10万円、初めての開設のみ)・葛飾区(5万円)がホームページの作成費を補助している。墨田区のデジタル技術活用支援補助金はホームページ作成を対象外としている
- 区の制度は申請のタイミングが違う(事前相談・着手前・公開前・実施後)。制作会社と契約する前に確認する
- 国の持続化補助金(ウェブサイト関連費 上限30万円・単独不可)とは同じ経費に重ねられないことが多く、どちらか一方を選ぶ
区の制度や持続化補助金の利用を前提に、制作費の目安を知りたい方は料金プランを、申請のタイミングに合わせた進め方を相談したい方は無料相談をご利用ください。
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