コーポレートサイトを作る・作り直すときに、ページの数はそろったのに中身が薄い、会社案内のパンフレットをそのまま載せただけになっている、という悩みをよく聞きます。何を書けばよいか分からないまま公開して、問い合わせや応募につながっていないケースも少なくありません。
コーポレートサイトのコンテンツは、訪問者が「この会社に依頼・応募してよいか」を判断する材料(何の会社か、強みと根拠、実績、働く人、進め方)を社員と顧客の声から具体的に書き、公開後はアクセス解析で「よく見られているのに次の行動につながっていないページ」から強化するのが基本です。
この記事では、コンテンツが果たす役割、必要なコンテンツと書き方のポイント、素材の集め方、GA4とSearch Consoleで強化すべきコンテンツを見つける方法、作るときの注意点を解説します。
コーポレートサイトのコンテンツが果たす役割
コーポレートサイトのコンテンツの役割は、顧客・求職者・取引先など立場の違う訪問者に、共通の前提である「会社への信頼」を持ってもらうことです。
商品やサービスを利用したい人、働きたい人、取引や出資を考えている人と、訪問者の目的はさまざまですが、どの人も会社を信頼できなければ次の行動には進みません。コンテンツには、主に次の3つの効果があります。
- 社外の信頼を広げる:事業内容や実績、新しい取り組みを公式の情報として示す
- 求職者の共感を得る:会社が何を目指し、どんな人が働いているかを伝え、考え方の合う人の応募につなげる
- 社員の方向性をそろえる:理念や事業の全体像を言葉にすることで、社員が営業や採用の場で自社を説明するときのよりどころになる
同じコーポレートサイトでも、商品・サービスで顧客の課題を解決することを主な目的にするのか、採用を主な目的にするのかで、厚くすべきコンテンツが変わります。前者なら事業・サービスと事例、後者なら仕事内容と社員の声が中心になります。コーポレートサイトの目的の決め方はコーポレートサイトとは?目的・メリットとホームページとの違いで解説しています。
コーポレートサイトに必要なコンテンツと書き方
コーポレートサイトの各コンテンツは、訪問者が確かめたいことに一つずつ答えるように書くと、読み手にとっての判断材料になります。
| コンテンツ | 訪問者が確かめたいこと | 書き方のポイント |
| 企業理念・ビジョン | 何のために事業をしている会社か | 抽象的な言葉だけで終わらせず、理念が日々の仕事にどう表れているかを具体例で添える |
| 代表メッセージ | 経営者はどんな人で、何を考えているか | 創業の経緯、顧客への約束、これからの方針を本人の言葉で。顔写真を載せる |
| 会社概要・沿革 | 会社が実在し、信頼できるか | 正確さが最優先。変更があればすぐ直す。沿革は事業の転機が分かるように書く |
| 事業・サービス紹介 | 自社の課題を解決してくれるか | 顧客の課題から書き始め、提供内容・進め方・対応範囲・費用の考え方まで示す |
| 強み・選ばれる理由 | 他社と何が違うか | 「高品質」などの言葉ではなく、設備・資格・実績・対応範囲など確かめられる事実で書く |
| 実績・導入事例 | 自社と似た会社での実績があるか | 課題→取り組み→結果の順に。社名を出す場合は掲載の許可を取る |
| お客様の声 | 第三者からの評価はどうか | 依頼前の不安と、依頼後に変わったことを具体的に |
| お知らせ | 今も活発に活動している会社か | 新サービス、受賞、メディア掲載、休業案内など。更新の頻度を決めておく |
| コラム(お役立ち記事) | (会社をまだ知らない人が)自分の疑問の答えがあるか | 顧客が検索する疑問に答え、関連するサービスページへ案内する |
| 採用情報 | 入社後にどう働き、どう成長できるか | 募集要項に加えて、仕事内容、キャリアパス、制度、社員の声、職場の写真を載せる |
| よくある質問 | 依頼の前に不安を解消できるか | 営業や電話で実際に受けている質問から作る |
どのページを用意するか、目的別に追加するページと優先度はコーポレートサイトに必要なページ構成一覧にまとめています。ここでは、中身の作り方で差が出やすいコンテンツを取り上げます。
企業理念・ビジョン:日々の仕事とつなげて書く
企業理念は、会社の存在意義に直結するコンテンツです。ただ、「お客様第一」「社会に貢献」といった言葉だけでは、どの会社にも当てはまってしまいます。理念を掲げた理由、理念に沿って実際にしていること、これから実現したい姿(ビジョン)を合わせて書くと、会社の考え方が伝わります。創業時のエピソードや事業の転機を沿革とあわせて紹介するのも効果的です。理念は1ページを設けるか、会社案内の中で十分な分量を取ります。
会社概要:正確に書き、すぐ更新する
会社概要は、取引先・金融機関・求職者の多くが確認するページです。会社名、代表者名、所在地、設立年月日、資本金、従業員数、事業内容、許認可・登録番号、主要取引先(掲載の許可があるもの)、取引銀行、拠点ごとの住所と地図など、基本の情報を漏れなく正確に載せます。社屋や工場、オフィスの写真を添えると、実在する会社としての安心感が増します。
所在地や代表者が変わったときは、サイトだけでなく、Googleビジネスプロフィールや求人媒体など社外に載っている情報もあわせて直します。検索エンジンやAIが会社を説明するときは、こうした情報を組み合わせて使うため、社名・住所などの表記をそろえておくことも大切です。
事業・サービス:顧客の課題から書き始める
事業紹介は、自社の製品や技術の説明から始めがちですが、読み手が知りたいのは「自社の課題を解決してくれるか」です。どんな顧客の、どんな課題に、どう応えるのかを最初に書き、そのうえで提供内容、進め方、対応範囲、費用の考え方を説明します。事業が複数ある場合は、事業ごとにページを分け、「事業内容」「サービス」「製品」など読み手に分かりやすい名前を付けます。別にサービスサイトやECサイトがある場合は、概要を載せたうえでリンクで案内します。
実績・導入事例とお客様の声:課題→取り組み→結果の順に
実績や事例は、事業内容で説明したことが実際にどう役立ったかを示すコンテンツです。「何が課題だったか」「何をしたか」「どう変わったか」を順に書き、数字で示せる結果があれば添えます。取引先の社名を出す場合は、事前に掲載の許可を得ます。社名を出せない場合も、業種・規模・課題を一般化して紹介できます。
お客様の声は、会社の外からの評価として信頼されやすいコンテンツです。依頼前に何に困っていたか、なぜ選んだか、依頼してどう変わったかを、顧客の言葉で載せます。掲載方法やデザインの考え方はWEBサイトにお客様の声を掲載するメリットで紹介しています。
お知らせとコラム:更新の役割を分ける
お知らせは「今も活発に活動している会社である」ことを示す更新で、新商品のリリース、受賞、メディア掲載、休業や災害時の案内などを載せます。更新が何年も止まっていると、訪問者に「この会社は大丈夫だろうか」と不安を与えます。
コラムは、会社名ではなく悩みや疑問で検索した人を呼び込むための更新です。サービスに関係する疑問に答える記事を書き、記事の中から関連するサービスページや事例へ案内します。方向性を決めずに書き始めると、読まれても問い合わせにつながらない記事が増えるため、誰のどんな疑問に答えるのかを先に決めます。
採用情報:募集要項だけで終わらせない
求職者は、募集要項だけでなく、入社後の働き方や成長の道筋を知りたいと考えています。仕事内容、1日の流れ、キャリアパス、福利厚生、評価制度、社員の声、職場の写真を載せると、応募の判断材料になります。採用人数が多い場合は、独立した採用サイトの検討も含めて考えます。
よくある質問:実際に受けた質問から作る
よくある質問は、営業担当者や電話で実際に繰り返し受けている質問から作ると、見込み客の不安に直接答えられます。なお、よくある質問のリッチリザルト(検索結果に質問と回答を表示する機能)は、2023年8月に政府・医療系のサイトに限定されたあと(Google検索セントラル ブログ)、2026年5月にGoogle検索での表示が終了しました。検索結果での見え方を目的にするのではなく、読み手の疑問を解消する目的で作ります。質問と答えがはっきり書かれたページは、AIが会社について答えるときの材料にもなります。
Service
コーポレートサイト制作のご相談はフェニックスデザインへナレッジベースを運営するフェニックスデザインが、今のサイトの数字を見るところから対応します。URLを入れるだけの無料簡易診断から。
コンテンツの素材を集める4つの方法
良いコンテンツの素材は社内と顧客の中にあり、社員へのヒアリング、顧客への取材、営業資料と問い合わせ履歴の見直し、競合サイトの確認の4つで集めます。
1. 各部門の社員にヒアリングする
現場の社員から、仕事の進め方、こだわり、顧客から感謝された場面、苦労したプロジェクトなどを聞くと、具体的で説得力のある内容になります。社員自身が自社の強みに気づくきっかけにもなります。聞き取りでは、次のような質問が役立ちます。
- 顧客から「頼んでよかった」と言われたのは、どんな場面でしたか
- 他社に断られた仕事を引き受けたことはありますか。なぜ対応できたのですか
- 仕事でいつも守っている手順や基準は何ですか
- 新しく入った人に、最初に教えることは何ですか
- 競合と比べられて選ばれたとき、決め手は何だったと思いますか
2. 顧客に取材する・アンケートを取る
顧客の言葉は、第三者からの評価として信頼されやすい素材です。依頼前に何に困っていたか、なぜ自社を選んだか、依頼してどう変わったかを聞くと、事例とお客様の声にそのまま使えます。社内では当たり前と思っていた点が、顧客にとっては選んだ理由だったと分かることもあります。
3. 営業資料・問い合わせ履歴を見直す
営業担当者が商談でよく使う資料や説明、問い合わせ・見積もり依頼で繰り返し聞かれる質問は、見込み客が知りたいことそのものです。事業紹介やよくある質問のページに反映します。
4. 競合サイトを確認する
同じ業種の会社のサイトを数社見て、どんな情報を載せているかを確かめると、自社のサイトに足りない情報が分かります。ただし、目指す方向や強みは会社ごとに違うため、構成や表現をまねるのではなく、不足を見つける参考にとどめます。
アクセス解析で強化すべきコンテンツを見つける方法
強化すべきコンテンツは、GA4で「よく見られているページ」と「問い合わせにつながっているページ」を、Search Consoleで「検索で表示されているのにクリックされていないページ」を確かめると見つかります。
GA4で見る数字
GA4(Googleアナリティクス4)は、サイトに来た人の行動を測るツールです。コーポレートサイトでは、まず次の数字を毎月確認します。
- ページごとの表示回数(「ページとスクリーン」レポート):どのコンテンツがよく見られているか
- ランディングページ:検索や広告から、最初にどのページに来ているか
- 流入経路(トラフィック獲得):検索、SNS、広告、ほかのサイトからのリンクなど、どこから来ているか
- エンゲージメント率:ページがしっかり読まれているか
- キーイベント:問い合わせ、資料請求、応募などの件数
キーイベントは、以前GA4で「コンバージョン」と呼ばれていた指標です。2024年に名称が変わり、現在「コンバージョン」はGoogle広告側で使う指標を指します(アナリティクス ヘルプ)。具体的な画面の見方はGoogleアナリティクスの見方で解説しています。
Search Consoleで見る数字
Search Consoleは、Google検索での見え方を確かめるツールです。「検索パフォーマンス」では、ページごと・検索語句ごとの表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位が分かります。「ページのインデックス登録」では検索結果に登録されていないページとその理由を確認でき、「URL検査」で個別のページの登録をリクエストできます。サイトマップ(sitemap.xml)を送信しておくと、新しいページをGoogleに見つけてもらいやすくなります。
よく見られるページと、強化の方向
多くのコーポレートサイトでは、トップページのほか、会社概要、事業内容、採用情報、実績・事例といった会社の基本となるページに閲覧が集まります。こうしたページは訪問者が会社を判断する材料そのものなので、内容を充実させ、最新に保つことが成果につながります。ただし、どのページが見られているかは業種やサイトの目的で変わるため、自社の数字で確かめてから優先順位を決めます。
コラム記事は、閲覧数の順位では上位に来なくても、会社名ではなく悩みや疑問で検索した人がトップページを通らずに直接訪れるという点で、ほかのページにない役割を持ちます。記事が増えるほどサイト全体の入口が増えるため、流入経路と合わせて評価します。
数字のパターンから強化策を決める
| 数字のパターン | 考えられる原因 | 強化策の例 |
| 事業・サービスのページはよく見られているが、問い合わせが少ない | 次に何をすればよいか分からない、費用感や進め方が分からない | 事例・よくある質問・費用の考え方を追加し、ページの途中と最後に問い合わせの入口を置く |
| 会社概要の閲覧が多い | 商談や紹介の後に、信頼できる会社かを確かめに来ている | 沿革、許認可、取引業界、拠点の写真を充実させ、事業・実績のページへのリンクを置く |
| Search Consoleで表示回数は多いが、クリックが少ない | 検索結果のタイトル・説明文が、検索した人の疑問に合っていない | titleとdescriptionを、ページの内容と検索語句に合わせて書き直す |
| 採用情報の閲覧は多いが、応募が少ない | 仕事内容や働き方の情報が足りない、応募の手順が分かりにくい | 社員の声、1日の流れ、制度を追加し、応募フォームの項目を減らす |
| コラムからの流入はあるが、ほかのページに移らない | 記事とサービスのつながりが示されていない | 記事の内容に関係するサービスページや事例へのリンクを、本文の途中と末尾に置く |
| 新しいページが検索結果に出てこない | Googleにまだ登録されていない | 「ページのインデックス登録」で理由を確かめ、内容を改善したうえで登録をリクエストする |
BtoBとBtoCで強化するコンテンツの違い
法人を顧客とするBtoBの会社は、発注までに複数の担当者が比較・検討するため、事業内容・強み・実績・会社の信頼性を伝えるコンテンツを厚くすると効果的です。一般の消費者を顧客とするBtoCの会社は、会社概要よりも、サービスの内容、料金、店舗の場所や営業時間など、利用するときに直接必要な情報を充実させます。
コンテンツを作るときの注意点
コンテンツは量を増やすことより、探しやすく、どの端末でも読みやすく、会社の印象と一貫していて、根拠のある内容であることが大切です。
サイトの構造をシンプルにする
トップページを第1階層、そこから進むページを第2階層、さらに進むページを第3階層と数えると、階層が深くなるほど目的のページにたどり着きにくくなります。主要な情報は第3階層までに収めることを目安にし、メニューの名前も分かりやすい言葉にします。
スマートフォンでの読みやすさを確かめる
BtoBのサイトはパソコンで見られることが多いと言われますが、実際の比率は会社によって違います。GA4でデバイス別の割合を確かめたうえで、スマートフォンでも文字の大きさ、表の見やすさ、ボタンの押しやすさを確認します。Googleはスマートフォン用のクローラーでページを巡回して評価しているため、スマートフォンの表示で内容が省かれていないことも重要です。
写真・配色・言葉づかいを会社の印象とそろえる
コンテンツの印象は、文章だけでなく写真・配色・書体でも決まります。ロゴや会社の色、写真の選び方、言葉づかいのルール(ビジュアルアイデンティティ)を決めて全ページでそろえると、会社らしさが伝わります。見た目の格好よさより、会社の考え方や事業の内容に合っているかを基準にします。
根拠のない表現や、許可のない素材を使わない
「業界No.1」「地域で一番」といった表現は、客観的な根拠を示せないと、景品表示法上の問題になるおそれがあります。数字や順位を書く場合は、調査の時期と方法を確認できるものにします。写真やイラストは利用条件を確認し、社員の写真は本人の同意を得てから載せます。
よくあるご質問
コーポレートサイトのコンテンツ作りについて、よくいただく質問にお答えします。
最初に充実させるべきコンテンツはどれですか?
多くの会社では、事業・サービス紹介、強み(選ばれる理由)、実績・事例の3つです。訪問者が依頼するかどうかを判断する材料になるためです。採用を主な目的にする場合は、仕事内容と社員の声を優先します。
コーポレートサイトにコラムは必要ですか?
会社名を知らない人に検索から来てもらいたい場合は効果があります。一方で、書き続ける体制がないと更新が止まり、かえって古い印象を与えます。書く場合は、顧客が実際に検索する疑問に答える記事から始め、関連するサービスページへ案内します。
原稿は誰が書けばよいですか?
事実を知っているのは社内の人ですが、読み手に伝わる文章にまとめるのは別の技術です。社内で要点を出し、文章化を制作会社やライターに任せる方法もあります。当社のコーポレートサイト制作では、ヒアリングをもとに当社が原稿の下書きを作り、貴社に事実確認をお願いする進め方が標準です。
コンテンツはどのくらいの頻度で更新すればよいですか?
目安として、お知らせは月1回程度、実績・事例は案件が終わるたび、会社概要は変更があったときにすぐ更新します。頻度そのものより、担当者を決めて止めないことが大切です。年に1回は全ページを見直し、古い情報が残っていないか確かめます。
載せられる実績や事例が少ない場合はどうすればよいですか?
社名を出せない場合は、業種・規模・課題・取り組みの内容を一般化して紹介する方法があります。設立間もない会社は、代表や社員の経歴、対応できる範囲、仕事の進め方を具体的に書くことで、実績の少なさを補えます。
まとめ
コーポレートサイトのコンテンツは、訪問者が会社を信頼し、依頼や応募を判断するための材料です。企業理念、会社概要、事業・サービス、強み、実績・事例、お客様の声、お知らせ、コラム、採用情報、よくある質問を、訪問者が確かめたいことに答える形で具体的に書きます。素材は社員へのヒアリング、顧客への取材、営業資料と問い合わせ履歴から集め、公開後はGA4とSearch Consoleの数字を見て、閲覧が多いのに次の行動につながっていないページから強化します。
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