コーポレートサイトを公開したものの、社名で検索したときにしか表示されず、サービス名や「地域名+業種」で探している見込み客には届いていない。こうした会社は少なくありません。一方で「SEO 対策」と聞くと記事を大量に書くことを思い浮かべ、何から始めればよいか分からないまま止まってしまいがちです。
Contents
コーポレートサイトに SEO は必要か 会社サイトで狙う4種類の検索 ページ別の SEO 対策 title と説明文(meta description)の書き方 見出し・本文・リンクの書き方 技術面の基本:制作会社に確認したい10項目 記事(コラム)の役割と書いてよい記事 地域の検索と Google ビジネスプロフィール AI 検索との関係 コーポレートサイトの SEO の進め方と期間 コーポレートサイトの SEO でよくある失敗 よくあるご質問 コーポレートサイトの SEO は自社でできますか? 社名で検索しても自社サイトが1位に出ないのはなぜですか? 記事は何本くらい必要ですか? キーワード メタタグ(meta keywords)は設定したほうがよいですか? 効果が出るまでどのくらいかかりますか? まとめ
コーポレートサイトの SEO は、記事を増やす前に「社名」「サービス名」「課題」「地域・業種」の4種類の検索それぞれに答えるページを決め、そのページの title・本文・技術面を整えることから始めます。
この記事では、コーポレートサイトに SEO が必要な理由、会社サイトで狙う検索の種類、ページ別の対策表、制作会社に確認したい技術面の項目、記事の役割、地域の検索と AI 検索との関係、進め方と期間を、Google の公式の説明をもとに解説します。
コーポレートサイトに SEO は必要か
必要です。取引先や求職者が社名で会社を確かめるときも、まだ会社を知らない見込み客がサービスや課題で探すときも、検索結果がコーポレートサイトへの入口になるからです。
初めて取引する前の担当者、名刺を受け取った人、応募を考えている求職者は、社名で検索して会社を確かめます。このとき自社サイトが上位に出ない、古い住所や事業内容が表示される、といった状態では、それだけで信頼を損ないます。また、自社をまだ知らない担当者は「◯◯加工 埼玉」「◯◯ 外注 費用」のような言葉で探しており、そこに自社のページがなければ比較の候補にも入りません。
Google の「AI による概要」や AI モードも、Google 検索のインデックスから関連するページを探して回答を作り、根拠となるページへのリンクを表示する仕組みです(Google 検索セントラル:生成 AI 機能に向けた最適化のためのガイド )。検索で見つけてもらうための SEO は、AI 検索で紹介されるための土台にもなります。
比較の観点 SEO(自然検索) リスティング広告
表示までの期間 変更の反映に数週間〜数か月かかる 出稿の設定と審査が済めばすぐに表示できる
費用のかかり方 ページの制作・改善の費用。表示やクリックには費用がかからない クリックなどに応じて費用がかかり、止めると表示されない
向いている検索 社名、サービス名、課題・費用、地域・業種のすべて 今すぐ依頼先を探している人の検索
サイトに残るもの 整えたページと会社情報が資産として残る 広告を止めると流入も止まる
短期間で問い合わせが必要なら広告、中長期で安定した流入と社名での検索を増やすなら SEO、と役割を分けて考えます。
会社サイトで狙う4種類の検索
コーポレートサイトで狙う検索は「社名」「サービス名」「課題・費用」「地域・業種」の4種類で、それぞれ検索する人と答えるべきページが違います。
検索の種類 検索の例 検索する人 答えるページ 目標
社名・ブランド名(指名検索) 「◯◯株式会社」「◯◯ 採用」「◯◯ 所在地」 取引先、名刺を受け取った人、求職者、AI の回答で社名を知った人 トップ、会社案内、採用 自社サイトが1位に、正しい情報で表示される
サービス名・製品名 「ステンレス 精密板金」「倉庫 保管 ピッキング 委託」 依頼先を比較している担当者 サービス詳細、製品ページ サービスごとに1ページが上位に表示される
課題・費用・やり方 「板金 試作 費用」「物流 外注 メリット」 情報を集めている担当者 記事、料金、よくある質問 読んだ人がサービスページへ進む
地域・業種 「板金加工 埼玉」「倉庫 八潮市」 近くの取引先を探している担当者 サービス詳細(対応地域を明記)、会社案内、Google ビジネスプロフィール 地域名を含む検索と地図に表示される
検索の例は、架空の製造業・物流業を想定したものです。自社で狙う言葉は、Search Console の検索パフォーマンスですでに表示されている検索語、営業の現場で顧客から聞かれる言葉、競合のサービスページの見出しから集めます。キーワードの集め方と選び方はSEOキーワードの選び方 で解説しています。
Service
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ページ別の SEO 対策
ページごとに「どの検索に答えるか」を1つ決め、title・見出し・本文の最初の段落で、その検索をした人の問いに答えます。
ページ 主に答える検索 title の例 本文で必ず書くこと
トップ 社名、主要サービス+地域 例:◯◯株式会社|埼玉県の精密板金加工・試作から量産まで 何を・誰に・どこで提供する会社か、主要サービスと事例へのリンク
会社案内 社名、社名+所在地 例:会社案内|◯◯株式会社 正式名称、所在地、設立、代表者、事業内容、許認可、地図
サービス詳細 サービス名、サービス名+地域 例:ステンレスの精密板金加工|◯◯株式会社(埼玉県) 対応できる範囲・仕様、依頼の流れ、料金または見積もりの目安、事例、よくある質問
事例・実績 サービス名+業種、課題 例:食品工場向けステンレス架台の製作事例|◯◯株式会社 課題、対応、結果、工程・期間、写真
料金 サービス名+費用・料金 例:料金の目安|◯◯株式会社 料金の目安、金額が変わる要因、含まれる作業と含まれない作業
よくある質問 「◯◯はできますか」型の質問 例:よくあるご質問|◯◯株式会社 1文目に結論、2文目に条件や補足
採用 社名+採用、職種+地域 例:採用情報|◯◯株式会社 募集職種、仕事内容、勤務地、応募方法
記事 課題・費用・やり方 例:精密板金の試作費用の内訳と見積もりの見方 冒頭で問いに答え、関連するサービスページへリンクする
1つのページに複数のサービスを詰め込むと、どの検索に答えるページなのかが分かりにくくなります。サービスが3つあれば、サービス詳細のページも3つに分けるのが基本です。
title と説明文(meta description)の書き方
Google は、title をページごとに固有で、明確かつ簡潔にし、内容を正確に表すものにするよう勧めています。会社名やサイト名、所在地などの情報を含めることもできます。説明文(meta description)は、そのページの要点を1〜2文で簡潔にまとめます。検索結果の説明文は、meta description のほか、ページの本文から作られることもあります(Google 検索セントラル:SEO スターター ガイド )。全ページで同じ title や説明文を使っている場合は、最初に直したい項目です。
見出し・本文・リンクの書き方
見出しで内容のまとまりを示し、長い文章は段落に分けて読みやすくする
検索する人が使う言葉を、見出しや本文の目立つ場所に自然に入れる(同じ語句の繰り返しはスパムに関するポリシー違反になる)
サービス説明や会社概要は画像や PDF だけにせず、文字(テキスト)で書く
画像には内容が分かる代替テキスト(alt)を付ける
リンクの文字は「こちら」ではなく、リンク先の内容が分かる言葉にする
キーワード メタタグ(meta keywords)は Google 検索では使われていません。設定に時間をかける必要はありません。
技術面の基本:制作会社に確認したい10項目
Google が示す技術要件は「Googlebot がブロックされていない」「ページが正常に表示される(HTTP 200 が返る)」「インデックス登録できるコンテンツがある」の3つで、まずはこれを満たしているかを確かめます(Google 検索セントラル:技術要件 )。
項目 確認すること 確認の方法
1. インデックス 主要なページが Google に登録されているか 「site:自社のドメイン」で検索する。Search Console の「ページのインデックス登録」と URL 検査
2. robots.txt・noindex 公開するページを拒否していないか。制作中の noindex が残っていないか ブラウザで「https://自社のドメイン/robots.txt」を開く。URL 検査
3. XML サイトマップ 重要なページが載っていて、Search Console に送信されているか Search Console の「サイトマップ」
4. URL の重複 http と https、www の有無などで同じページが複数の URL で表示されないか それぞれの URL を開き、1つの URL に転送されるかを見る
5. https すべてのページが https で表示されるか 主要なページをブラウザで開く
6. スマートフォン表示 スマートフォンで文字が読め、ボタンが押しやすいか 実際のスマートフォンで主要なページを操作する
7. 表示速度 LCP・INP・CLS(Core Web Vitals)に問題がないか PageSpeed Insights、Search Console の「ウェブに関する主な指標」
8. 本文のテキスト 会社概要やサービスの説明が画像・PDF だけになっていないか ページのソースを表示し、本文の文字があるかを見る
9. URL の構造 内容を想像できる単語の URL になっているか アドレスバーで主要なページの URL を確認する
10. リニューアル時の転送 旧 URL から新 URL へ 301 リダイレクトしているか 旧 URL を開き、新しいページに転送されるかを見る
サイトマップは必須ではありませんが、重要なページを Google に伝える手段になります。同じ内容が複数の URL で表示される場合、Google は代表の URL を1つ選びます。不要な URL から代表の URL へ転送するか、転送できない場合は canonical で代表の URL を示します(SEO スターター ガイド)。制作会社に確認するときは、この表をそのまま送って、項目ごとに「対応済み・未対応・対応できない理由」を返してもらうと漏れを防げます。
記事(コラム)の役割と書いてよい記事
記事は「課題・費用・やり方」の検索の入口で、読んだ人をサービスページや問い合わせにつなぐためのものです。事業と関係のないテーマや、一般論だけの記事を大量に作ることは避けます。
書く記事は、次の3つの条件を満たすものに絞ります。
自社のサービスを検討する人が、依頼の前に調べる問いに答える記事である
自社の経験・数字・手順など、ほかのサイトでは読めない情報を入れられる
記事の内容から、関連するサービスページや事例に自然につなげられる
Google は、ユーザーの役に立つことより検索順位の操作を主な目的に大量のページを作ることを「大量生成されたコンテンツの不正使用」としてスパムに関するポリシーで禁止しており、作り方に AI を使ったかどうかは問わないとしています(Google 検索セントラル:スパムに関するポリシー )。また、SEO スターター ガイドでは、記事の文字数に決まった基準はないと説明されています。
当社も2026年10月に、公開していた185本の記事を1本ずつ見直し、内容が重なっていた58本を36本にまとめ、45本を書き直しました。テーマと関係のない記事も整理しています。記事を増やす前に、重複や古い情報がないかを確かめることも SEO の一部です。
地域の検索と Google ビジネスプロフィール
「地域名+業種」の検索では、地図とビジネス情報の枠(ローカル検索の結果)が表示されることがあるため、Google ビジネスプロフィールを登録し、その情報とサイトの会社情報をそろえることが対策の中心になります。
Google は、ローカル検索の順位は主に「関連性」「距離」「知名度」の組み合わせで決まると説明しています。知名度は、ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づき、ランキングを上げるための依頼や金銭は受け付けていません(Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ローカル検索結果のランキングを改善するヒント )。サイト側では、サービスページと会社案内に対応地域と所在地を文章で書きます。具体的な手順はローカルSEO・MEO対策のやり方 で解説しています。
AI 検索との関係
Google の AI による概要・AI モードは通常の検索と同じ仕組みの上に作られており特別な対策は必要なく、ChatGPT の検索も検索で集めたページを出典に回答するため、SEO で整えたページがそのまま AI 検索の材料になります。
Google は、生成 AI の機能に表示されるために llms.txt などの特別なファイルやマークアップは不要で、Google 検索はそれらを使っていないと説明しています。構造化データも生成 AI の機能には必須ではありませんが、リッチリザルトの対象になるため SEO の一部として使う価値があるとしています(生成 AI 機能に向けた最適化のためのガイド)。
ChatGPT の検索は、質問を検索語に書き換えて提携する検索サービスに送り、回答に出典のリンクを付けます。サイトが検索結果の対象になるには、OpenAI のクローラー(OAI-SearchBot)の巡回を許可しておく必要があります(OpenAI Help Center:Searching the web with ChatGPT )。
AI が社名や事業内容を間違えて答える場合は、自社サイト・Google ビジネスプロフィール・外部サイトの会社情報がそろっているかを確かめます。手順はChatGPTで自社が出てこない理由と、会社情報をAIに正しく伝える方法 にまとめています。
AI による概要や AI モードでの表示は、Search Console で確認できます。見方はSearch Consoleの生成AIレポートの見方 で解説しています。
コーポレートサイトの SEO の進め方と期間
現状を数字で記録し、狙う検索とページの対応を決め、技術面と主要ページを直してから記事に進み、毎月同じ指標で変化を確かめます。
現状を記録する:Search Console で表示されている検索語・ページ・インデックスの状況を記録し、社名で検索したときの結果を保存する
狙う検索を一覧にする:4種類の検索ごとに狙う言葉を挙げ、答えるページを1つずつ割り当てる。答えるページがない言葉は、新しいページの候補にする
技術面を直す:上の10項目を確認し、未対応のものを制作会社と直す
主要なページを書き直す:トップ・会社案内・サービス詳細・事例・料金・よくある質問の title・見出し・本文を、割り当てた検索に答える形にする
記事を追加する:課題・費用・やり方の検索で、答えるページがないものから書く
毎月計測する:同じ指標を月ごとに記録し、翌月に直すページを決める
毎月見る指標 見る場所 見方
社名での検索の表示回数 Search Console(検索パフォーマンスで社名を含む検索語を絞り込む) 会社が知られているかの目安。前年同月と比べる
サービス名での順位とクリック数 Search Console(検索語・ページ別) 割り当てたページが表示されているかを確かめる
ページ別のクリック数 Search Console(ページ別) 表示回数が多いのにクリックが少ないページは title と説明文を見直す
問い合わせ・資料請求の数 GA4 のキーイベント 流入が増えても問い合わせが増えないページは導線を見直す
AI 検索からの流入 GA4 の参照元(chatgpt.com など) 増減の傾向を見る
Google は、変更が検索結果に反映されるまでに数時間から数か月かかることがあり、効果を確かめるには数週間ほど待つのが一般的だとしています。当社の SEO・AI 検索対策では、診断と実装に1〜2か月、順位や AI の回答に変化が出るまで通常3〜6か月を見込んでいます。
コーポレートサイトの SEO でよくある失敗
よくある失敗の多くは、記事やツールに手を付ける前の「ページの割り当て」と「技術面の確認」を飛ばしたことから起きます。
失敗 起きること 防ぎ方
記事だけを増やし、サービスページが1枚にまとまったまま 記事は読まれても、問い合わせにつながらない 先にサービス詳細のページを分けて書く
全ページの title が社名だけ・同じ文言 どのページが何に答えるのか伝わらない ページごとに固有の title を付ける
公開時に noindex が残っている 検索結果に表示されない 公開日に URL 検査で確認する
リニューアルで URL が変わったのに転送していない それまでの検索の評価と流入を失う 旧 URL と新 URL の対応表を作り 301 リダイレクトする
対応地域を書いていない 地域名を含む検索に表示されにくい サービスページと会社案内に対応地域を文章で書く
会社情報が媒体ごとにばらばら 検索や AI の回答に古い情報が出る 会社概要の表記を基準にして、外部の掲載情報をそろえる
よくあるご質問
コーポレートサイトの SEO は自社でできますか?
できる部分は多くあります。狙う検索の一覧づくり、title と説明文の書き直し、会社案内・サービス・事例・よくある質問の文章の改善は、事業を一番よく知る社内の担当者が向いています。インデックスや転送、表示速度、構造化データなど技術面の修正は、制作会社に上の10項目を確認してもらうと効率的です。
社名で検索しても自社サイトが1位に出ないのはなぜですか?
サイトが新しくまだ十分に認識されていない、社名が一般的な言葉や同名の会社と重なっている、サイト内に正式名称がほとんど書かれていない、といった理由が考えられます。全ページのフッターと会社案内に正式名称を書き、Google ビジネスプロフィールを登録してサイトの URL を設定し、Search Console でトップページがインデックスされているかを確認します。
記事は何本くらい必要ですか?
決まった本数はありません。先にサービス詳細・事例・料金・よくある質問のページを整え、それでも答えるページがない「課題・費用・やり方」の検索があれば、その数だけ記事を書きます。本数より、1本ずつが自社のサービスにつながる問いに答えているかが大切です。
キーワード メタタグ(meta keywords)は設定したほうがよいですか?
設定する必要はありません。Google 検索はキーワード メタタグを使っていません。代わりに、title・見出し・本文で検索する人の言葉を使い、その問いに答える内容にします。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
技術面の修正や title の変更は数週間で反映され始めることが多い一方、順位や問い合わせの変化を確かめるには数か月を見込みます。当社では、順位や AI の回答に変化が出るまで通常3〜6か月を目安にしています。
まとめ
コーポレートサイトの SEO は、記事を増やすことではなく、会社を探す人の検索に答えるページを整えることから始まります。要点は次のとおりです。
狙う検索は「社名」「サービス名」「課題・費用」「地域・業種」の4種類で、それぞれ答えるページを1つ決める
ページごとに固有の title・説明文を付け、本文の最初で問いに答える
技術要件の3つと10の確認項目を制作会社と確かめる
記事は自社のサービスにつながる問いに絞り、一般論の量産はしない
AI 検索の土台も通常の SEO と同じで、会社情報をウェブ全体でそろえる
当社のSEO・AI検索(AIO)対策 では、キーワードとページの割り当て、技術面の実装、サービス・料金・FAQ・会社案内の書き直し、順位と AI の回答の月次計測までを、他社が制作したサイトも含めて行っています。
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