業種別ホームページ

建設業のホームページの必要性:元請・発注者が確かめる情報と協力会社募集

公開 読了 約15分

元請からの紹介や長年の取引で仕事が回っている建設会社では、「ホームページがなくても困っていない」「作ったが何年も更新していない」という声をよく聞きます。一方で、新しい元請や発注者と取引を始めるとき、協力会社を探すとき、求人に応募するときには、相手はまず社名で検索し、会社の情報を確かめます。

建設業にホームページが必要な理由は、新しい元請・発注者・協力会社・求職者が、取引や応募の前に「建設業許可・施工実績・技術者と体制・安全への取り組み」を確かめる場所になるからです。許可番号や実績を照合できる形で載せ、協力会社募集と採用の窓口を用意することが中心になります。

この記事では、建設会社のホームページを見る人と確かめること、工務店(住宅向け)のサイトとの違い、元請・発注者が確認する情報の載せ方、建設業許可の書き方、協力会社募集と採用のページ、問い合わせの導線、制作の進め方を、発注する建設会社の立場で解説します。

建設会社のホームページを見る人と確かめること

建設会社のホームページは、取引や応募を決める前に、相手が「この会社に任せられるか」「この会社と組めるか」「この会社で働けるか」を確かめるための確認先です。

紹介で名前を知った相手でも、見積もりの依頼や契約の前に社名で検索することは珍しくありません。そのときにサイトがない、または情報が古いと、確かめたいことを電話で一つずつ聞かなければならず、比べる候補から外れやすくなります。見る人ごとに確かめることを整理すると次のとおりです。

見る人見るタイミング確かめること
元請(ゼネコン・サブコン)の調達・工事担当新しい協力会社を探すとき、見積もりを依頼する前許可業種、施工できる工事の種類と規模、対応エリア、技術者の人数、安全への取り組み
民間の発注者・施設の管理者工事の相談先を探すとき、相見積もりの前似た施設・工事の実績、対応範囲(設計・施工・保守)、緊急時の対応、所在地
設計事務所施工会社を発注者に推薦するとき工法・技術、施工実績、品質管理の体制
協力会社の候補(専門工事業者・一人親方)取引先を増やしたいとき募集している工種、仕事の量と地域、取引の条件、登録の流れ
求職者とその家族応募する前、内定の後仕事内容、休日・残業、給与、資格取得の支援、現場の雰囲気
新しい取引先の審査・経理の担当取引を始める前会社の実在、所在地、設立・資本金・代表者、事業内容が他の資料と一致するか

工務店(住宅向け)のホームページとの違い

住宅向けの工務店のサイトが個人の施主に家づくりを比べてもらうサイトであるのに対し、元請・下請・公共工事を中心とする建設会社のサイトは、法人の担当者に「工事を任せられる会社か」を確かめてもらうサイトです。

比べる点工務店(住宅向け)建設会社(法人・元請向け)
主な閲覧者家を建てる個人とその家族元請・発注者・設計事務所の担当者、協力会社、求職者
決め手になる情報施工事例、性能、価格の目安、担当するスタッフ許可業種、施工実績の用途と規模、技術者と設備、安全・品質
実績の見せ方1棟ごとの写真と、施主の要望・提案用途・工事の種類・規模・工期を同じ項目で一覧にする
問い合わせの内容見学会の予約、資料請求、家づくりの相談見積もり依頼(図面・仕様書の添付)、協力会社の登録、採用
探され方「地域名+注文住宅」「地域名+工務店」社名、「工事の種類+地域」「施設の種類+工事」
デザインの考え方暮らしの雰囲気と安心感現場・設備の規模と、情報の探しやすさ

住宅向けのサイトの作り方は工務店のホームページ制作で詳しく解説しています。住宅と法人向けの両方を手がける会社は、トップページで入口を分け、それぞれの閲覧者に向けたページを用意します。

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元請・発注者が確かめる情報と載せ方

元請や発注者が確かめるのは、建設業許可、施工実績、技術者・設備と体制、安全・品質への取り組み、会社の基本情報の5つで、いずれも「他の資料と照らし合わせて確かめられる形」で載せることが大切です。

建設業許可の情報

国土交通省によると、建設工事の完成を請け負う営業には、公共工事・民間工事を問わず建設業法第3条にもとづく許可が必要です。ただし、1件の請負代金が500万円未満の工事(建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)といった「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、必ずしも許可を受けなくてもよいとされています(国土交通省:建設業の許可とは)。

許可には、営業所の所在地で決まる国土交通大臣許可と都道府県知事許可の区分と、下請に出す金額で決まる一般建設業と特定建設業の区分があり、業種(土木一式・建築一式と27の専門工事の計29業種)ごとに受けます。特定建設業が必要になる下請代金の基準は、2025年2月1日から5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上)に引き上げられました。許可の有効期間は5年で、更新しないと失効します。

また建設業者は、店舗に、商号・代表者の氏名・一般/特定の別・許可を受けた建設業・許可番号・許可年月日などを記載した標識(建設業の許可票)を掲げることが建設業法第40条と施行規則で定められています(国土交通省 近畿地方整備局:建設業法で定める標識)。ホームページの会社概要にも同じ内容を同じ表記で載せておくと、元請や発注者が国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」(福岡県の案内)で許可番号や有効期限を照合しやすくなります。

載せる項目記載の例注意
許可行政庁と許可番号例:◯◯県知事許可(般-◯)第◯◯◯◯◯号許可通知書の表記どおりに書く。大臣許可と知事許可を取り違えない
許可を受けた業種と一般/特定の別例:一般建設業 土木工事業、とび・土工工事業/特定建設業 建築工事業一般と特定は業種ごとに分かれるため、業種と組み合わせて書く
許可年月日・有効期間例:許可年月日 20◯◯年◯月◯日更新したら、会社概要と標識の画像を差し替える
経営事項審査例:経営事項審査を受審(審査基準日 20◯◯年◯月◯日)公共工事を直接請け負う場合に必要な審査。載せるかどうかは会社の方針で決める
そのほかの許可・登録例:電気工事業の登録、産業廃棄物収集運搬業の許可など実際に受けているものだけを、番号つきで分けて書く

経営事項審査は、国や地方公共団体などが発注する公共工事(1件の請負代金が500万円以上、建築一式工事は1,500万円以上)を直接請け負おうとする建設業者が受ける審査で、結果通知書の有効期間は審査基準日から1年7か月です(国土交通省 関東地方整備局:経営事項審査制度の概要)。公共工事の実績を前に出す会社では、許可とあわせて整理しておきます。

施工実績

施工実績は件数よりも「自分の案件に近い実績があるか」を見られるため、用途・工事の種類・規模・工期を同じ項目でそろえ、用途で絞り込めるようにします。

項目書く内容例
用途・施設の種類工場・倉庫・商業施設・公共施設・集合住宅など例:物流倉庫
工事の種類新築・改修・設備更新・解体と、担当した工種例:鉄骨工事(製作・建方)
規模構造・階数・延べ面積など、出せる範囲例:鉄骨造2階建て、延べ面積◯◯㎡
工期着工から完了までの期間例:約6か月
請負の立場元請・一次下請など例:一次下請として施工
地域都道府県・市区町村まで例:埼玉県◯◯市
写真と説明施工中・完成後の写真、課題と工夫した点例:稼働中の工場で、操業を止めずに夜間に工事を行った

発注者や元請から掲載の許可が取れない案件は、施設名を伏せて、施設の種類・工事の種類・課題・工事内容の4点で書けば掲載できます。写真は設備部分や施工中の作業風景に限り、許可が取れた案件から施設名を追記していく方法が現実的です。

技術者・設備と体制

  • 保有資格ごとの人数(例:1級建築施工管理技士 ◯名、1級土木施工管理技士 ◯名)と、その時点
  • 保有する重機・車両・工場設備の一覧(能力・サイズ)
  • 対応できる工事の範囲(設計・施工・保守のどこまでか)と対応エリア
  • 協力会社との連携の体制と、緊急時の連絡体制

一品ごとに受注生産する業態では、製造や施工の工程を順番に写真で見せたり、見積もり依頼のときに求められる書類の種類を先に書いておいたりすると、問い合わせ後のやり取りが短くなります。

安全・品質への取り組み

安全への取り組みは「安全第一」という言葉だけでなく、実際に行っていることを書きます。安全方針、安全大会や危険予知活動などの取り組み、取得している認証や受けた表彰、品質管理の流れ(検査の工程など)のうち、事実として書けるものだけを載せます。無災害の記録などの数字を載せる場合は、期間と時点を明記します。

会社の基本情報

商号、本店所在地、設立、資本金、代表者、従業員数(時点)、事業内容、主要取引先(掲載の了承を得たもの)、加入団体などを、登記や許可の情報と同じ表記で載せます。新しく取引を始める相手の審査担当が確かめるのは、こうした基本情報が他の資料と一致しているかどうかです。項目と書き方はホームページの会社概要の書き方で解説しています。

協力会社募集のページの作り方

協力会社募集のページは、募集する工種・地域・条件・登録までの流れ・必要な書類を1ページにまとめ、問い合わせフォームで工種と対応エリアを選べるようにすると、条件に合う会社から連絡が来やすくなります。

項目書く内容例
募集している工種工種ごとの仕事の内容と規模例:内装仕上工事(店舗・事務所の改修)
対応してほしい地域現場が多い地域例:埼玉県東部、東京都23区
求める条件建設業許可の有無と業種、社会保険の加入、保有資格、適格請求書発行事業者の登録の有無など例:内装仕上工事業の許可がある会社を優先(許可のない一人親方も相談可)
仕事の量と時期年間の案件数の目安、繁忙期例:通年で月◯件程度
取引の条件締め日と支払日、支払いの方法例:毎月◯日締め・翌月◯日払い
登録の流れ問い合わせから取引開始までの手順例:問い合わせ → 面談 → 書類の提出 → 取引開始
提出をお願いする書類会社概要、許可通知書の写し、資格者の一覧など例:面談の後にご案内します

建設業許可の要件には「適正な社会保険への加入」が含まれています(国土交通省:許可の要件)。元請として協力会社に許可の有無や社会保険の加入を確かめている場合は、その条件を募集ページに書いておくと、問い合わせの段階で条件のすり合わせができます。技能者の資格や現場での就業履歴を登録・蓄積する建設キャリアアップシステム(国土交通省:CCUSの概要)を現場で使っている場合は、登録をお願いしているかどうかも書きます。

採用ページで伝えること

建設業の採用ページでは、仕事内容と現場の1日、休日と残業の実績、資格取得の支援、未経験者の育て方を、数字と写真で具体的に見せます。

2024年4月からは、災害の復旧・復興の事業を除き、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています(厚生労働省 岡山労働局)。求職者や家族は働き方を気にしているため、「休みが取りやすい」といった言葉だけでなく、年間休日や月平均の残業時間を、いつ時点の数字かとあわせて書きます。

求職者が知りたいこと載せ方の例
どんな仕事をするか職種ごとに、現場の1日の流れ(朝礼から片付けまで)を写真つきで
休日と残業例:年間休日◯日(20◯◯年度実績)、月平均の残業◯時間
給与例:入社3年目・施工管理職のモデル年収(手当を含む)
資格と成長資格取得の費用補助、講習の受講、資格手当、先輩が資格を取った時期の例
未経験から始められるか入社後の研修、最初の1年でやること、指導を担当する先輩
勤務地と移動主な現場の地域、直行直帰の有無、社用車の利用
一緒に働く人社員インタビュー、年齢構成、技術職と事務職それぞれの声

1つの職種を集中して募集する場合は、求人広告の受け皿として採用LPを用意する方法もあります。構成は採用LPの作り方で解説しています。

問い合わせの導線と検索で見つけてもらう工夫

建設会社の問い合わせは「見積もり依頼」「協力会社の登録」「採用」など用件が分かれるため、フォームで用件を選べるようにし、施工実績のページから同じ種類の工事を相談できる導線を置きます。

  • フォームで用件(見積もり・協力会社の登録・採用・その他)を選べるようにし、見積もり依頼には図面や仕様書を添付できる欄を設ける
  • 見積もり依頼では、工事名・工事の種類・所在地・希望の時期など、初回の返信で担当者を決められる項目を聞く
  • 施工実績の各ページの末尾に「同様の工事を相談する」ボタンを置く
  • 電話で受け付ける場合は、受付時間と担当部署を書く

当社が制作した設備工事会社のサイトでは、「設備工事 ◯◯市」「空調設備 施工 工場」のような、工事の種類・施設の種類・地域を組み合わせた検索を想定し、事業紹介を工事の種類ごとのページに分け、施工実例を施設の種類で分類しました。完成した設備は外から見えにくいため、現場の様子や安全への取り組みを伝えるブログは1本500字・写真1枚で公開できる型にし、現場の担当者がスマートフォンから投稿できるようにしています。

制作の進め方と費用の目安

建設会社のホームページは、許可・資格・施工実績といった載せる事実を先に集めておくと、制作の途中で止まりにくくなります。

  1. ホームページで増やしたいもの(新しい元請からの引き合い、民間の見積もり依頼、協力会社、採用)に優先順位をつける
  2. 許可通知書、資格者の一覧、保有する機械、施工実績の一覧など、載せる事実を集める
  3. 施工実績ごとに、発注者・元請に掲載してよいかを確かめる
  4. 現場・工場・社員の撮影を、工程と天候を見て計画する
  5. ページ構成とデザインを確かめ、用件別の問い合わせを計測できるように設定して公開する
  6. 公開後は竣工のたびに施工実績を追加し、許可の更新や資格者の人数を見直す

当社のコーポレートサイト制作は、5ページ前後のライトプランが60万円〜、事例・よくあるご質問・資料ダウンロードなどを含む10ページ前後のスタンダードプランが120万円〜(いずれも税別)で、スタンダードプランの期間はヒアリングから公開まで2.5〜4か月が標準です。写真撮影・原稿作成・サーバー・ドメイン費用は別途お見積りです。詳しくは料金プランをご覧ください。

当社の制作実績には、ゼネコンや設計事務所の調達・設計担当者に向けて、「製品ができるまで」の工程と施工実績・技術情報で技術力を示した鋼構造物メーカーのサイトや、施工実例とブログ&ニュースを軸に更新で信頼を積む構成にした設備エンジニアリング会社のサイトがあります。どちらも、お問い合わせフォームで用件を選べるようにし、実績のページから問い合わせに進めるボタンを置いています。

よくあるご質問

下請けの仕事が中心でも、ホームページは必要ですか?

新しい元請と取引を始めるとき、相手は社名で検索して許可業種や実績、所在地を確かめるため、確認先としてのホームページは役に立ちます。ページ数は少なくても、会社概要(許可番号を含む)、できる工事と施工実績、協力会社・採用の窓口、問い合わせ先がそろっていれば役割を果たせます。

建設業許可の番号はどこに載せればよいですか?

会社概要の表に、許可行政庁・一般/特定の別・許可番号・許可を受けた業種・許可年月日を、許可通知書や標識と同じ表記で載せるのが基本です。複数の許可や登録がある場合は、それぞれ番号つきで分けて書き、更新のたびに見直します。

施工実績の写真を載せる許可が取れない場合はどうすればよいですか?

施設名を伏せ、施設の種類・工事の種類・課題・工事内容の4点で書けば掲載できます。写真は設備部分のみ、または施工中の作業風景に限定し、許可が取れた案件から施設名を追記していきます。

施工実績は何件くらいあれば公開する意味がありますか?

用途ごとに1〜2件あれば十分に意味があります。元請や発注者は件数より「自分の案件に近い実績があるか」を見るため、工場・倉庫・商業施設など用途別に代表例をそろえ、公開後は竣工のたびに追加します。

協力会社募集のページに取引の条件まで書くべきですか?

締め日・支払日・支払いの方法など、すべての協力会社に共通する条件は書いておくと、問い合わせの前に判断してもらえます。単価のように工事ごとに変わるものは、面談や見積もりで個別に伝えると書いておけば十分です。

まとめ

建設業のホームページは、新しい元請・発注者・協力会社・求職者が、取引や応募の前に会社を確かめる場所です。要点は次のとおりです。

  • 建設業許可は、許可行政庁・一般/特定・業種・許可番号を標識と同じ表記で載せ、更新のたびに見直す
  • 施工実績は用途・工事の種類・規模・工期を同じ項目でそろえ、用途で絞り込めるようにする
  • 技術者・設備・安全への取り組みは、事実と時点を添えて書く
  • 協力会社募集は、工種・地域・条件・登録の流れを1ページにまとめる
  • 採用では、休日・残業・資格取得の支援を数字で示す

許可や実績の載せ方から整理して作り直したい場合は、当社のコーポレートサイト制作で、ヒアリングから設計・公開後の改善まで同じチームが担当します。

関連記事:製造業のホームページ制作/コーポレートサイトに必要なページ構成一覧/問い合わせフォームの項目の決め方

フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2026年10月26日 に公開し、2026年10月26日 に内容を確認・更新しました。