介護施設のホームページを作り直したいが、何を載せれば見学や入居の相談につながるのか分からない、パンフレットと同じ内容を載せているだけで相談はケアマネジャーからの電話ばかり、という施設は少なくありません。介護施設のホームページは、入居や利用を検討する家族、紹介先を探すケアマネジャーや病院の相談員、働く場所を探す求職者と、目的の違う人が見に来ます。
介護施設のホームページは、閲覧者ごとに入口と情報を分け、料金の内訳、空き状況、受け入れの条件、見学・相談の予約方法を更新日つきで載せることが、相談につながるホームページの基本です。
この記事では、閲覧者別の情報設計表、必要なページ構成、料金・空き状況・見学予約の載せ方、施設の種類ごとに確認したい表示のルール、写真の選び方、採用ページとの分け方を、当社の医療・介護・福祉の制作例とあわせて解説します。制度やルールは、2026年10月時点で厚生労働省・消費者庁の公表資料を確認した範囲で記載しています。
介護施設のホームページを見る人と、確かめたいこと
介護施設のホームページの閲覧者は、入居・利用を検討する本人と家族、ケアマネジャーや病院の相談員、求職者、地域の関係者に分かれ、それぞれ確かめたいことと次に取る行動が違います。
| 閲覧者 | 確かめたいこと | 答えるページ・情報 | 次の行動 |
| 入居・利用を検討する家族(本人) | 費用の総額、どんな生活か、医療や看取りへの対応、面会のしかた、家から通える距離か | 料金、1日の流れ・行事、居室・設備の写真、医療・看護の体制、面会の案内、アクセス | 資料請求、見学の予約、電話での相談 |
| ケアマネジャー・病院の相談員 | 空きがあるか、受け入れできる状態か(要介護度・認知症・医療的なケア)、入居・利用開始までの日数、連絡する窓口 | 空き状況、受け入れ条件、入居までの流れ、相談窓口の電話と受付時間、紹介用の資料 | 電話、空き状況の問い合わせ |
| 求職者 | 仕事内容、夜勤、給与、職場の雰囲気 | 採用ページ、または採用サイト | 見学・応募 |
| 地域・自治体・取引先 | 運営法人、事業の方針、拠点 | 法人概要、運営方針、お知らせ | 問い合わせ |
家族は「親に合うか」「費用を払い続けられるか」を、ケアマネジャーや病院の相談員は「いま紹介できるか」を確かめに来ます。家族向けのページは写真と生活の様子を中心にし、専門職向けの情報は空き状況と受け入れ条件と連絡窓口を1か所にまとめて、短時間で判断できるようにします。当社が制作したリハビリ・介護・福祉グループのサイトでも、事業ごとに対象者・サービス内容・拠点・各事業サイトへのリンクを同じ型で並べ、ケアマネジャーや医療機関が一覧で把握できるようにしました。
介護施設のホームページに必要なページ構成
介護施設のホームページは、施設とケアの特徴、料金、空き状況と受け入れ条件、生活と設備、医療・看護の体制、入居(利用)までの流れ、見学・相談の予約の7つを中心に、事業者の情報と採用情報を加えた構成が基本です。
| ページ | 載せる内容 | 主な閲覧者 |
| トップ | 施設の種類と特徴を一文で、空き状況の要約、見学予約と電話の入口、採用への入口 | 全員 |
| 施設・ケアの特徴 | ケアの方針、認知症ケア・機能訓練・看取りなどの取り組み、ほかの施設との違い | 家族 |
| 料金 | 月額の目安と内訳、入居時に必要な費用、介護保険の自己負担、保険外の費用 | 家族・相談員 |
| 空き状況・受け入れ条件 | 空きの数と更新日、対象の要介護度、認知症の方の受け入れ、医療的なケアの対応範囲(例:たんの吸引、経管栄養、インスリン注射) | 相談員・家族 |
| 生活・設備 | 1日の流れ、食事、入浴、行事、居室・共用部の写真、面会の案内 | 家族 |
| 医療・看護の体制 | 看護職員の勤務時間、協力医療機関と協力の内容、夜間の対応 | 家族・相談員 |
| 入居(利用)までの流れ | 相談→見学→申し込み→面談→契約→入居(利用開始)の段階と日数の目安、必要な書類 | 家族・相談員 |
| 見学・相談の予約 | 予約フォーム、電話番号と受付時間 | 全員 |
| よくあるご質問 | 費用、面会、持ち物、医療、退去の条件など | 家族 |
| 事業者の情報 | 運営法人、所在地、公開している書類(重要事項説明書など) | 家族・相談員・地域 |
| 採用情報 | 職種、働き方、見学・応募の入口 | 求職者 |
複数の施設や事業所がある場合は、1つのサイトに拠点別のページを置く形が更新の手間を抑えられます。当社が制作した就労移行支援事業所のサイトでも、支援の方法や強みは共通なので拠点ごとにサイトを分けず、拠点ごとのページに住所・最寄り駅・電話・見学予約への導線を置いて、地域名での検索の受け皿にしました。
Service
業種別ホームページのご相談はフェニックスデザインへナレッジベースを運営するフェニックスデザインが、今のサイトの数字を見るところから対応します。URLを入れるだけの無料簡易診断から。
料金・空き状況・見学予約の載せ方
料金は月額の目安を内訳で示して介護保険の自己負担と保険外の費用を分け、空き状況は更新日を添え、見学予約は申込者の立場と希望日時を選べるフォームにすると、相談の前に必要な判断材料がそろいます。
料金
介護サービスの利用者負担は費用の1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)で、施設サービスではこのほかに居住費、食費、日常生活費の負担も必要になります(介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」)。負担の割合や要介護度によって金額が変わるため、ホームページには前提をそろえた例を示します。
| 項目 | 書き方の例 |
| 居住費(家賃) | 例:「個室 月額○円」 |
| 食費 | 例:「1日○円(3食・おやつ)×30日」 |
| 管理費など | 例:「月額○円(内訳:共用部の光熱水費○円、事務管理費○円)」 |
| 介護保険の自己負担 | 例:「要介護3・1割負担の場合 月額約○円」のように条件を書く |
| 保険外のサービス・実費 | 例:「おむつ代・理美容・医療費・日用品などは実費(主な金額は別表)」 |
| 入居時の費用 | 例:「入居一時金なし/敷金 家賃の○か月分」 |
金額は「月額○万円〜」の最低額だけを大きく見せず、どの条件の場合の金額かを書きます。有料老人ホームの場合は、後の章で触れる景品表示法の告示で、管理費などの内訳や、介護保険の給付の対象外となる介護サービスの内容と費用を明らかにすることが求められています。
空き状況
空き状況は「空室あり(○室)」「空室待ち」などの状態と更新日をセットで載せ、毎日更新できない場合は「最新の状況はお電話でお問い合わせください」と受付時間を添えます。更新が止まったまま「空室あり」が残っていると、問い合わせた相談員や家族の信頼を損ねます。厚生労働省の資料によると、介護サービス情報公表システムでも、事業所の写真・動画、定員に対する空き数、サービスの特色などを事業所が任意で公表できるため(厚生労働省「介護サービス情報公表制度について」)、ホームページと内容をそろえておきます。
見学・相談の予約
見学の申し込みは、家族だけでなくケアマネジャーや病院の相談員が代わりに申し込むことを想定して、フォームの項目を決めます。
- 申込者の立場(本人・家族・ケアマネジャー・病院の相談員・その他)
- 見学の希望日時(第1・第2希望)と、希望する施設・事業所
- 対象の方の状況(要介護度、いまの居場所:自宅・入院中・ほかの施設など)を選択式で
- 希望する連絡方法(電話・メール)と、連絡のつきやすい時間帯
- 相談したいこと(任意の自由記入)
当社が制作した就労移行支援事業所のサイトでも、見学・体験の申し込みに特化したフォームで希望拠点・希望日時・連絡方法を選べるようにし、家族や支援者が代理で申し込むことを想定して「申込者の立場」を選ぶ項目を設けました。最初の接点が電話になりやすい分野なので、電話番号は拠点名と受付時間を添えてヘッダーに常に表示しています。フォームの項目の要否の考え方は問い合わせフォームの項目の決め方で解説しています。
施設の種類ごとに確認したい表示のルール
介護施設のホームページの表示は施設の種類によってかかわるルールが違い、有料老人ホームは景品表示法の告示、介護老人保健施設と介護医療院は介護保険法の広告の制限、病院・診療所の案内を載せる場合は医療法の広告規制を確認します。
| 施設の種類 | 主なルール | ホームページで気をつけること |
| 有料老人ホーム | 景品表示法の告示「有料老人ホームに関する不当な表示」(消費者庁)、有料老人ホーム設置運営標準指導指針(厚生労働省) | 土地・建物を所有していない場合の明示、居室の住み替えの条件、医療機関との協力の内容、保険給付の対象外の介護サービスの内容と費用、介護職員等の数、管理費などの内訳、「終身」をうたう場合の注意など |
| 介護老人保健施設・介護医療院 | 介護保険法による広告の制限(厚生労働省の通知) | 広告できるのは、施設・構造設備、職員の配置員数、提供されるサービスの種類と内容(医療の内容に関するものを除く)、利用料の内容など、法と告示で定められた事項 |
| 病院・診療所(併設を含む) | 医療法、医療広告等ガイドライン(厚生労働省) | 治療の効果の表現、体験談、比較や最上級の表現などの禁止 |
| すべての施設 | 景品表示法(優良誤認・有利誤認)、ステルスマーケティングの規制(消費者庁) | 実際より著しく良く見せる表示、根拠のない「No.1」、依頼した口コミを第三者の声のように見せる表示 |
有料老人ホームの告示では、たとえば介護職員等の数について、常勤換算した人数や夜間の最少の職員数などを明らかにすることが定められています(消費者庁「有料老人ホームに関する不当な表示」)。消費者庁は、有料老人ホームに当たらない施設が同じような表示をする場合も、優良誤認表示や有利誤認表示に当たれば景品表示法の規定が適用されるとしています(消費者庁の解説)。また、厚生労働省の有料老人ホーム設置運営標準指導指針では、誇大広告などで入居者に不当な期待を抱かせないこと、この告示を守ること、パンフレット・重要事項説明書・入居契約書・管理規程などを公開することが示されています(有料老人ホーム設置運営標準指導指針)。
介護老人保健施設と介護医療院は、介護保険法で広告できる事項が限られています(厚生労働省の通知(介護老人保健施設)、同(介護医療院))。ホームページのどの記載が広告に当たるかといった個別の判断は、所管の都道府県・市の担当窓口に、景品表示法については消費者庁や弁護士などの専門家に確認してください。
写真の選び方と撮影で気をつけること
介護施設の写真は、家族が「ここで暮らす様子」を想像できる場面を中心に、実際の施設で撮った写真を使い、利用者が写る場合は本人の同意を文書で得てから掲載します。
- 居室:家具を置いた状態と、広さ・設備(トイレ・洗面・収納)の説明
- 共用部:食堂、浴室(機械浴の有無)、機能訓練のスペース、庭など
- 食事:実際の献立の写真と、食べやすくする調理への対応
- 1日の場面:レクリエーション、行事、機能訓練、面会の様子
- 職員:相談員・看護職員・介護職員の顔が分かる写真と、職種
- 外観と周辺:入口、駐車場、最寄り駅やバス停からの道
別の施設の写真やイメージ写真を使う場合はその旨を写真の近くに書き、実際の設備と違う印象を与えないようにします。利用者の写真や言葉は、本人(または家族)の同意を文書で得てから掲載し、顔を出さない・名前を出さないなどの匿名化の方法も事前に決めておきます。当社が制作したリハビリ・介護・福祉グループのサイトでは、医療福祉のサイトに多い「スタッフと利用者の笑顔」の写真をあえて避け、拠点のある地域の空撮写真をファーストビューに使って、地域を支えるグループという立ち位置を表しました。撮影の準備や写真の権利の確認はホームページの写真の用意と撮影の注意点で解説しています。
採用ページとの分け方
利用者・家族向けの情報と求職者向けの情報は入口とフォームを分け、採用が通年で複数の職種にわたる場合は採用サイトを独立させると、どちらの閲覧者も迷わずに済みます。
- グローバルナビとは別に、ヘッダーや画面の隅に「採用情報」の入口を固定して置く
- 見学予約(利用者向け)と、見学・応募(求職者向け)のフォームを分ける。問い合わせフォームを1つにする場合は、最初に立場と用件を選ぶ形にして、担当の部署に届くようにする
- 採用ページには、夜勤・シフト・給与のモデル・資格取得の支援・職員の声を載せ、利用者向けのページとは文章の調子を変える
当社が制作したリハビリ・介護・福祉グループのサイトでは、問い合わせが利用の相談(本人・家族・ケアマネジャー)、連携の相談(医療機関・自治体)、採用、取材と立場で分かれるため、フォームで立場と用件を選んでから入力する形式にし、採用の案内は画面の右下に固定表示しました。年間の採用が数名で職種が1〜2つなら施設のホームページ内の採用ページで十分な場合が多く、複数の事業所・職種で通年で採用するなら独立した採用サイトが向いています。
当社の医療・介護・福祉の制作例
当社は医療・介護・福祉の法人サイトで、利用者・家族向けと採用向けの導線を分け、施設やサービスの内容、料金と制度、見学・相談の流れを迷わず確かめられる構成にしています(掲載許諾の方針により社名は非公開)。
- リハビリ・介護・福祉グループのコーポレートサイト:訪問リハビリから介護・福祉事業まで展開するグループのサイトです。利用者とその家族、ケアマネジャー・医療機関の連携担当者、医療福祉職の求職者、自治体・地域の関係者を閲覧者として想定し、事業内容のページでは事業ごとに対象者・サービス内容・拠点・各事業サイトへのリンクを同じ型で掲載しました。料金・空き状況・スタッフ紹介などの詳細は各事業サイトに任せ、グループサイトでは重複させない役割分担にしています。医療広告ガイドラインに沿い、治療効果や「必ず良くなる」といった表現は避けました。
- 就労移行支援事業所のコーポレートサイト:本人と家族、支援機関・医療機関の担当者、学校の進路担当者を閲覧者とし、ご利用から就職・その後のサポートまでを、見学→体験→利用開始→訓練→就職活動→就職→定着支援の順に、各段階で行うことと期間の目安とともに載せました。就労事例は氏名や顔写真を出さず、年代・障害の種類・就職先の業種・訓練期間・本人の言葉(同意を得たもの)の項目で掲載しています。
- 福祉車両サービスの特設サイト:介護が必要な家族のいる個人と、介護施設・福祉事業所の車両担当者が見るサイトです。目的別(購入・買い取り・修理・レンタル)の入口を並べ、年度で変わる補助金・減免制度の案内は担当者が更新できる形にして更新日を明記しました。
当社のコーポレートサイト制作では、医療・介護・福祉の施設・法人サイトとして、施設・サービス別のページ、料金・制度の説明、スタッフ紹介・1日の流れ、見学予約と採用応募のフォームの分離を設計します。費用の目安は、5ページ前後のライトプランが60万円〜、10ページ前後のスタンダードプランが120万円〜(いずれも税別。撮影は別途お見積り)で、期間はコーポレートサイトで2.5〜4か月が目安です。ほかの事例は制作実績でご覧いただけます。
よくあるご質問
料金はホームページに載せたほうがよいですか?
載せたほうが、家族は相談の前に費用の見通しを立てられ、問い合わせの内容も具体的になります。最低額だけを示すのではなく、居住費・食費・管理費・介護保険の自己負担・実費などの内訳と、どの条件の場合の金額かを書いてください。有料老人ホームでは、管理費などの内訳や保険給付の対象外となる介護サービスの費用を明らかにすることが、景品表示法の告示で求められています。
介護サービス情報公表システムに載っていれば、ホームページは不要ですか?
介護サービス情報公表制度は、利用者が事業所を比べて選ぶための情報を都道府県が提供する仕組みで、2006年4月に始まりました。比較の材料にはなりますが、写真や生活の様子、見学の申し込みなど施設ごとの違いを伝えるには自施設のホームページが向いています。両方に載せる情報(定員・職員の体制・料金など)は、内容と時点をそろえてください。
空き状況を毎日更新できない場合はどうすればよいですか?
「空室あり」「空室待ち」などの状態と更新日を載せ、最新の状況は電話で確認できることを受付時間とあわせて書きます。週1回など更新する曜日を決め、担当者が管理画面から変更できるようにしておくと、古い情報が残りにくくなります。
複数の施設がある場合、ホームページは施設ごとに分けるべきですか?
ケアの方針や法人の情報が共通なら、1つのサイトに施設別のページを置く形をおすすめします。施設ごとにサイトを分けると更新が二重になり、情報の食い違いも起きやすくなります。利用者や目的が大きく違う事業(例:福祉車両の販売やレンタル)は、特設サイトに分けたほうが、目的を持って検索する人に伝わりやすい場合があります。
まとめ
介護施設のホームページは、入居・利用を検討する家族、ケアマネジャーや病院の相談員、求職者という目的の違う閲覧者ごとに、入口と情報を分けて設計します。家族には料金の内訳と生活の様子を、相談員には空き状況と受け入れ条件と連絡窓口を、どちらも更新日つきで載せ、見学・相談の予約は申込者の立場を選べるフォームと電話で受け付けます。
表示のルールは施設の種類によって違います。有料老人ホームは景品表示法の告示、介護老人保健施設と介護医療院は介護保険法の広告の制限を確認し、判断に迷う表現は所管の窓口や専門家に確認してください。
今のホームページで、検索結果での見え方や見学予約までの導線に問題がないかを確かめたい場合は、URL を入れるだけの無料簡易診断をご利用ください。表示速度や構造化データを含めて100点満点で採点し、まず直したい3つを通常5分ほどでメールでお送りします。
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