自治体職員の共済組合のWEBサイトです。共済組合のサイトは、組合員(職員)とその家族、各所属の共済事務担当者、退職者が、給付・貸付・保健事業などの制度を調べ、手続きに必要な書類を探す場所です。制度の種類が多く、名称も専門的なため、「自分に関係する手続きはどれか」から探せる情報設計と、申請書類・お知らせへの到達を最優先にした構成にしました。
制作の背景
共済組合の情報は、法令や規程に基づく正確な記述が必要で、制度ごとに担当部署が分かれています。その結果、サイトも組織の構造どおりに分かれ、利用者は「結婚したとき」「病気になったとき」のような自分の出来事から該当制度を探せないことが多くなります。また、公的な性格を持つサイトとして、ウェブアクセシビリティへの配慮と、閲覧環境を問わない安定した表示が求められました。
情報設計:制度別と出来事別の2つの入口
グローバルナビは「組合について/短期給付/長期給付/貸付・貯金/保健・福祉事業/申請書類/お知らせ」とし、制度の分類で探せるようにしました。これに加えてトップページには「こんなときには」として、結婚・出産・病気やけが・住宅・退職などの出来事から該当制度へ進める一覧を置き、2つの入口を用意しています。
- 短期給付/長期給付/貸付・貯金/保健・福祉事業:制度ごとに、対象者・内容・手続きの流れ・必要書類・問い合わせ先を同じ型で記載
- 申請書類:すべての様式を制度別と五十音順の両方で一覧し、記入例を添える。最も利用頻度の高いページとして、ナビから1クリックで到達
- お知らせ:制度改正・受付期間・システム停止などを日付順に掲載。重要なものはトップページにも固定表示
- こんなときには:出来事から制度へ送る入口。各制度ページの冒頭にも「関連する出来事」を表示して相互に行き来できるようにする
ファーストビューとデザイン
公共性の高いサイトでは、印象的なビジュアルよりも「目的の情報にすぐ着ける」ことが優先です。トップページのファーストビューはシンプルな見出しと「こんなときには」の一覧、重要なお知らせの3つに絞り、スクロールせずに主要な入口が見えるようにしました。配色はロゴの青を基調に、リンクと本文のコントラストを十分に確保し、文字サイズの変更ボタンも用意しています。
導線と問い合わせ設計
問い合わせは制度ごとに担当部署が異なるため、各制度ページの末尾に担当部署名・電話番号・受付時間を記載し、サイト全体の「お問い合わせ」ページには部署一覧を置きました。フォームを設ける場合は個人情報の取り扱いに関する注意書きを明示し、機微な内容は電話や窓口へ案内する方針としています。
SEO・運用の考え方
共済組合のサイトは、組合員が「組合名+制度名」や「組合名+申請書」で検索して訪れることが中心です。制度ページと申請書類ページのタイトルに制度名・様式名を正確に含め、検索結果から直接該当ページに着けるようにしました。運用面では、制度改正のたびに担当部署が自分で更新できるよう、制度ページを共通の型で作り、お知らせは投稿形式にしています。公開前には、見出し構造・代替テキスト・キーボード操作・コントラストなど、JIS X 8341-3 を参考にしたアクセシビリティの確認を行いました。
よくあるご質問
公共性の高いサイトで、特に気をつけることは何ですか?
アクセシビリティと正確性です。見出しの階層、画像の代替テキスト、キーボードだけでの操作、十分なコントラストを満たすこと、そして制度の記述が規程と一致していることを担当部署に確認してもらう運用です。デザインの個性より、誰でも同じ情報に到達できることを優先します。
申請書類が多い場合、どう整理すればよいですか?
制度別と五十音順の2つの一覧を用意し、各様式に「どんなときに使うか」の1行説明と記入例を添えます。PDF には様式名と改定日をファイル名に含め、更新時に差し替えやすくします。
この種類のサイトの制作期間と費用の目安は?
制度ページの数によりますが、3〜5か月が目安です。既存コンテンツの移行と担当部署の確認工程を含めて計画します。費用は料金のコーポレートサイト制作をもとに、ページ数に応じてお見積りします。進め方は制作の流れをご覧ください。
この事例から学べること
- 制度の種類が多いサイトは、組織の構造ではなく「利用者の出来事」からも探せる入口を用意する
- 公共性の高いサイトは、ビジュアルより到達性とアクセシビリティを優先する
- 担当部署が自分で更新できる共通の型を作ることが、正確さを保つ最も確実な方法になる