複数の婦人靴ブランドを展開するメーカーのコーポレートサイトです。ブランドごとにサイトやSNSを持つアパレル企業では、コーポレートサイトの役割は「ブランドを束ねる企業の顔」になります。この事例では、COMPANY・NEWS・SUSTAINABILITY・BRANDS・LOOK BOOK・CONTACTの構成で、各ブランドサイトへの入口と、企業としての姿勢(ものづくり・サステナビリティ)を両立させました。
制作の背景
ブランドサイトは消費者向けで、世界観とシーズンの商品を見せる場所です。一方、百貨店や小売のバイヤー、取引先、就職活動中の学生は、ブランドの背後にある「会社」を知りたがります。靴づくりの歴史、ものづくりの姿勢、環境への取り組み、企業情報です。ブランドサイトに企業情報を混ぜると世界観が崩れるため、コーポレートサイトを独立させ、役割をはっきり分けることが課題でした。
情報設計:企業情報とブランド入口の分離
グローバルナビは「COMPANY/NEWS/SUSTAINABILITY/BRANDS/LOOK BOOK/CONTACT」の6項目です。BRANDS と LOOK BOOK には外部リンクのアイコンを付け、ブランドサイトへ移動することを事前に示しています。コーポレートサイト内では企業情報に集中し、商品の詳細はブランドサイドに任せる構成です。
- COMPANY:会社概要・沿革・事業内容・ものづくりの姿勢。靴の木型や製造工程の写真を使い、メーカーとしての背景を伝える
- SUSTAINABILITY:素材・製造・廃棄の各段階での取り組みを、方針と実施内容に分けて記載。取引先の調達基準への対応にもなる
- BRANDS:展開ブランドの一覧。各ブランドのコンセプトを1行で添え、ブランドサイトへ送る
- NEWS:企業としてのお知らせ(展示会・採用・環境への取り組み)。ブランドのニュースと分ける
- CONTACT:取引・取材・採用の問い合わせ。消費者からの商品問い合わせは各ブランドの窓口へ案内
ファーストビューとデザイン
ファーストビューは、靴の木型(ラスト)を正面から撮った写真のスライダーに、「Enjoy New Creations」というセリフ体の英字を重ね、直下に「好奇心を忘れずに、新しい創造を愉しむ」という日本語の一文を置いています。完成した靴ではなく木型を見せたのは、メーカーとしての「つくる側」の視点を表すためです。ブランドサイトの華やかさと対照的に、白地と余白を多く取り、企業サイトとしての落ち着きを出しました。
書体はセリフ体の欧文と細めのゴシック体の和文を組み合わせ、ファッション業界のトーンを保ちながら、読みやすさを確保しています。
導線と問い合わせ設計
コーポレートサイトの問い合わせは、消費者ではなく法人(取引・取材・採用)が中心です。CONTACT では用件を取引・取材・採用・その他から選び、消費者向けの商品問い合わせについては各ブランドのお客様窓口へのリンクを案内しています。これにより、コーポレートサイトのフォームに商品の問い合わせが混ざるのを防いでいます。
SEO・運用の考え方
コーポレートサイトで狙うのは、社名検索と「婦人靴 メーカー」「靴 OEM」「シューズ サステナビリティ」のような企業向けのキーワードです。ブランド名の検索はブランドサイトが受けるため、コーポレートサイト側ではブランド名での順位を争わず、企業名と業態・取り組みのキーワードに集中しました。NEWS は広報担当が投稿形式で更新し、SUSTAINABILITY は年度ごとの取り組みを追記できる構成にしています。
よくあるご質問
コーポレートサイトとブランドサイトは、デザインを揃えるべきですか?
完全に揃える必要はありません。ロゴの扱いと書体の系統だけ共通ルールにし、コーポレートサイトは落ち着いたトーン、ブランドサイトはブランドごとの世界観と分けるのが一般的です。この事例でも、共通するのは余白の取り方と欧文書体の系統だけです。
サステナビリティのページには何を載せればよいですか?
方針(何を目指すか)と実施内容(何をしたか)を分け、実施内容は年度と数字で書きます。取引先の調達基準への回答にもなるため、素材・製造・物流・廃棄の段階ごとに整理すると使いやすくなります。
アパレルメーカーのコーポレートサイトの制作期間と費用の目安は?
6〜8ページで2〜3か月が目安です。費用は料金のコーポレートサイト制作、進め方は制作の流れをご覧ください。
この事例から学べること
- 複数ブランドを持つ企業は、コーポレートサイトを「企業の顔」に絞り、商品はブランドサイトに任せると両方の役割が明確になる
- メーカーとしての姿勢は、完成品より「つくる過程」の写真で伝わる
- 問い合わせの窓口を法人向けと消費者向けで分けると、対応の遅れと取りこぼしが減る