運用保守・集客改善

インサイドセールスとは?テレアポとの違い・分析すべきKPIとWEBの役割

公開 更新 読了 約16分

WEBサイトから問い合わせや資料請求は来ているのに、商談や受注につながらない。返信は担当者任せで、どの問い合わせがその後どうなったのか、社内の誰も把握していない。こうした課題への対策として、多くのBtoB企業がインサイドセールスを取り入れています。

インサイドセールスは、電話・メール・オンライン会議で見込み客と継続的にやり取りし、適切な時期に商談へつなぐ営業の役割で、成果を上げるには「どこから来た見込み客が、どの段階で止まっているか」を、WEBサイトの計測と営業の記録をつないで分析することが欠かせません。

この記事では、インサイドセールスの意味とテレアポ・フィールドセールスとの違い、メリット・デメリット、追うべきKPIと分析の方法、WEBサイトの問い合わせを商談につなげる仕組み、分析に使うツールまでを解説します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、見込み客と直接会わずに、電話・メール・オンライン会議などで関係を深め、検討が進んだところで商談につなぐ営業活動です。

従来の営業では、1人の担当者が見込み客のリストづくりからアポイント、商談、契約、契約後のフォローまでを担っていました。インサイドセールスを取り入れた営業では、この流れを工程ごとに分け、次のように役割を分担します。

工程担当主な仕事
見込み客を集めるマーケティングWEBサイト、SEO、広告、展示会、セミナーで問い合わせや資料請求を集める
見込み客を育て、見極めるインサイドセールス問い合わせへの初回対応、課題や検討時期のヒアリング、情報提供を続けて商談の機会をつくる
商談・受注フィールドセールス訪問やオンラインで提案し、契約を結ぶ
契約後の定着・継続カスタマーサクセス活用の支援、契約の更新や追加の提案

少人数の会社では、1人が複数の役割を兼ねることも珍しくありません。その場合でも、「今どの工程の仕事をしているか」を分けて考え、工程ごとに記録を残すだけで、問い合わせの取りこぼしや対応の遅れに気づきやすくなります。

反響型(SDR)と新規開拓型(BDR)

インサイドセールスには大きく2つの型があります。WEBサイトからの問い合わせや資料請求、セミナーの参加者など、見込み客の側から接点があった相手に対応する「反響型(SDR)」と、狙いたい企業のリストをつくり、こちらから連絡して接点をつくる「新規開拓型(BDR)」です。中小企業がまず整えるべきなのは、すでに来ている問い合わせを確実に商談につなぐ反響型です。

インサイドセールスが広がった背景

  • 顧客の購買の進め方が変わった:顧客が自分で検索し、比較・検討を進めてから営業担当者に接触するようになり、売り込みよりも、検討の段階に合わせた情報提供が求められています。
  • オンライン商談が定着した:WEB会議ツールが普及し、移動しなくても商談や製品のデモができるようになりました。
  • 継続型のサービスが増えた:サブスクリプションやクラウドサービスのように、契約後も長く関係を続けるビジネスが増え、1件ずつ訪問するよりも効率のよい関わり方が必要になりました。
  • 人手不足と属人化を解消したい:限られた人数で成果を出すため、工程を分け、記録とデータをもとに動く営業体制が求められています。

テレアポ・フィールドセールス・オンラインセールスとの違い

インサイドセールスとテレアポの違いは担当する範囲で、テレアポがアポイントの獲得を目的とするのに対し、インサイドセールスは見込み客の状況を見極め、育て、適切な時期に商談へつなぐところまでを担います。

項目インサイドセールステレアポフィールドセールスオンラインセールス
目的商談の機会をつくる(育成・見極め)アポイントの獲得商談・受注商談から受注までをオンラインで行う
主な手段電話、メール、オンライン会議、資料の送付電話訪問、対面での提案オンライン会議
主な相手問い合わせ・資料請求をした人、育成中の見込み客営業リスト上の企業商談に進んだ見込み客商談に進んだ見込み客
関係の長さ数週間〜数か月の継続的なやり取り1回の電話が中心商談の期間商談の期間
主な成果の指標商談化数・商談化率アポイント数受注数・受注率受注数・受注率

インサイドセールスの担当者がテレアポを行うこともありますが、テレアポは手段の1つにすぎません。オンラインセールスは「商談そのものをオンラインで行うこと」を指し、工程の分業を前提とするインサイドセールスとは考え方が異なります。また、フィールドセールスとは対立するものではなく、工程を分けて連携する関係です。

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インサイドセールスのメリットとデメリット

インサイドセールスの主なメリットは、問い合わせへの対応が速く漏れなくなり、商談の質が上がることで、デメリットは、担当者間の引き継ぎのルールと記録の仕組みを整えないと機能しないことです。

インサイドセールスのメリット

  • 問い合わせへの初動が速くなる:問い合わせへの対応を専任で受け持つため、返信の遅れや対応漏れが減ります。複数の会社を比べている見込み客ほど、最初に丁寧に応じた会社の印象が残ります。
  • すぐには発注しない見込み客も育てられる:「来期に検討」「情報収集中」の相手にも定期的に情報を送り、検討の時期が来たときに思い出してもらえます。
  • 商談の質が上がる:課題・予算・検討時期を確認してから引き継ぐため、フィールドセールスは見込みの高い商談に時間を使えます。
  • 効率よく多くの相手と接点を持てる:移動がないため、遠方の見込み客にも交通費や移動時間をかけずに対応できます。
  • 情報が共有され、属人化を防げる:やり取りの履歴を記録するため、担当者が変わっても経緯が分かり、同じ相手への重複した提案も防げます。
  • 契約後の関係も続けやすい:既存客への定期的な連絡から、上位プランへの切り替え(アップセル)や別サービスの提案(クロスセル)につなげ、顧客生涯価値(LTV)を高められます。
  • 働く場所を選ばない:在宅勤務と両立しやすく、災害などで出社できないときにも営業活動を止めにくくなります。

インサイドセールスのデメリット

  • 引き継ぎのルールが必要:どの状態になったら商談としてフィールドセールスに渡すかの基準がないと、見込みの低い商談が増えたり、逆に見込みのある相手を抱え込んだりします。
  • 記録とツールの手間がかかる:SFAやCRMなどへの入力が前提で、ツールの費用もかかります。入力されなければ分析ができません。
  • 成果が出るまで時間がかかる:データがたまり、商談につながりやすいパターンが見えるまでには数か月かかります。
  • 対面に比べて信頼を得にくい場面がある:会わずにやり取りするため、会社の信頼性を伝える材料が必要です。WEBサイトの導入事例、会社情報、担当者の紹介がその役割を担います。

インサイドセールスで追うKPIと分析の方法

インサイドセールスの分析は、見込み客がリード(問い合わせや資料請求など、連絡先が分かった見込み客)から受注に進むまでの段階ごとに、件数と次の段階への移行率を記録し、どの段階で止まっているかを特定することが基本です。

段階KPIの例計算のしかた低いときに確認すること
リード獲得リード数(経路別)問い合わせ・資料請求・セミナー申込の件数集客の量、フォームの使いやすさ
初回対応初回連絡までの時間受付から最初の連絡までの時間通知の仕組み、担当の決め方
接続接続率担当者と話せた件数 ÷ 架電件数電話する時間帯、連絡手段
ヒアリング有効会話数課題や検討時期まで聞けた件数最初の切り出し方、聞く項目の準備
商談化商談化数・商談化率商談数 ÷ リード数リードの質、商談にする基準
受注受注数・受注率受注数 ÷ 商談数引き継ぐ情報の質、提案の内容
メールでの育成開封率・クリック率開封数 ÷ 配信数、クリック数 ÷ 配信数件名、送る時期、相手の関心とのずれ

架電数や通話時間のような活動量の指標は、目標にしすぎると「数をこなすこと」が目的になりがちです。活動量は原因を探るための補助の指標とし、目標は商談化数と商談化率に置くと、成果に結びついた評価ができます。

分析1:リードの経路別に商談化率を比べる

同じ10件の問い合わせでも、検索から来た相手、広告から来た相手、展示会で名刺交換した相手では、商談になる割合が大きく違います。経路別に商談化率と受注率を比べると、どの集客に力を入れるべきかが分かります。たとえば「広告からの資料請求は多いが商談にならない」場合は、広告の配信先や訴求の内容と、サイトに書かれている内容がずれている可能性があります。経路別に分析するには、問い合わせの時点で流入元が記録されている必要があります(次の章で解説します)。

分析2:対応のスピード・時間帯・連絡手段を見直す

問い合わせから最初の連絡までの時間、つながりやすい曜日と時間帯、電話とメールのどちらで反応があるかを記録します。相手ごとに「連絡がつきやすい時間」を残しておけば、無駄な架電が減り、相手にとっても都合のよい時間に連絡できます。電話やメールのほかに、チャットやSNSのメッセージでやり取りする相手もいるため、相手が使いやすい手段を選ぶことも大切です。

分析3:商談にする基準と、失注・保留の理由を記録する

どんな状態になったら商談としてフィールドセールスに渡すか、の基準を決めます。よく使われるのは、予算(Budget)・決裁者(Authority)・必要性(Needs)・導入時期(Timeframe)の4点を確認する「BANT」という考え方です。あわせて、商談にならなかった理由や失注の理由(予算が合わない、時期が先、他社に決まった、社内の承認が取れない など)を選択式で記録しておくと、改善すべき点が見えてきます。理由の多くが「料金が分からず予算を組めない」であれば、WEBサイトに料金の目安や費用の決まり方を載せることが、営業の改善策にもなります。

分析4:入口となるセミナーとWEBサイトの質を確かめる

リードの数や質に問題がある場合は、入口となるセミナーやWEBサイトを見直します。WEBサイトであれば、問い合わせ前によく見られているページ、問い合わせフォームを開いたのに送信しなかった割合、スマートフォンでの入力のしやすさを確認します。サイトが分かりにくい、情報が古いといった状態では、見込み客は問い合わせる前に候補から外してしまいます。

WEBサイトの問い合わせを商談につなげる仕組み

WEBサイトは見込み客を集めるだけでなく、問い合わせの前に「何を見て、何に関心を持ったか」をインサイドセールスに渡す情報源で、計測とフォームの設計しだいで商談化率が変わります。

  1. 問い合わせの種類を分ける:「相談したい」「見積もりがほしい」「資料だけほしい」「セミナーに申し込みたい」では、相手の検討の進み具合が違います。フォームや入口を分けておくと、対応の優先順位をつけやすくなります。
  2. フォームの項目を絞る:入力項目が多いほど、途中でやめる人が増えます。必須は連絡に必要な項目にとどめ、検討時期や予算感は任意の選択式にするなど、入力の負担と営業に必要な情報のバランスを取ります。
  3. 流入経路を記録する:GA4で問い合わせの完了を「キーイベント」として計測し、広告やメールに載せるリンクには経路を見分けるためのUTMパラメータを付けます。フォームの送信内容に流入元が残るようにしておくと、CRMで経路別に分析できます。タグの設定と管理にはGoogleタグマネージャーが便利です。
  4. 問い合わせ前に見られたページを把握する:料金ページや導入事例を読んでから問い合わせた人は、検討が進んでいることが多いと考えられます。MAツールを使うと、見込み客ごとに閲覧したページを確認できます。
  5. 初回の返信と連絡の型を決める:自動返信メールで受付の完了と次の連絡の予定を伝え、担当者からの初回連絡の期限(例:受付当日の営業時間内)と、ヒアリングする項目を決めておきます。
  6. 営業で聞かれた質問をサイトに戻す:インサイドセールスでよく聞かれる質問や失注の理由を、FAQ・料金・事例のページに反映します。サイトで答えられる質問が増えるほど、問い合わせの段階で疑問が解消され、商談が進みやすくなります。

見込み客とのやり取りでは、WEBサイトのページそのものが、営業の資料として使えます。ページごとの使い方の例は次のとおりです。

WEBサイトのページ見込み客が確かめたいことインサイドセールスでの使い方
導入事例・お客様の声自社に近い会社で成果が出ているか業種や課題が近い事例のURLを送る
料金・費用の考え方予算に合うか、何で金額が変わるか予算感を確認したうえで送り、見積もりの前提をそろえる
よくある質問契約条件、期間、対応範囲などの不安質問への回答とあわせて該当のページを送る
資料ダウンロード社内で検討・稟議にかける材料ダウンロードした人に、内容の補足や説明の機会を案内する
会社概要・担当者の紹介信頼できる会社か、誰が担当するか初回連絡の前後に案内し、会わずに進める不安を減らす
解説記事課題の整理、情報収集育成中の見込み客に、検討の段階に合う記事を送る

導入事例やお客様の声のページの作り方は、WEBサイトにお客様の声を掲載するメリットで解説しています。

分析と管理に使うツール(SFA・CRM・MA)

インサイドセールスの記録と分析には、営業の進み具合を管理するSFA、顧客との関係を管理するCRM、見込み客の育成を自動化するMAの3種類のツールが使われ、WEBサイト側の計測にはGA4とSearch Consoleを組み合わせます。

ツール役割主な機能導入を考える目安
SFA(営業支援システム)商談の進み具合を管理する案件ごとの段階・金額・確度、活動の履歴、目標と実績の管理商談の数が増え、進み具合を見える化したいとき
CRM(顧客関係管理)顧客の情報とやり取りを管理する連絡先、問い合わせの履歴、購入・契約の履歴顧客情報が担当者ごとに散らばっているとき
MA(マーケティングオートメーション)見込み客の育成を自動化するメール配信、閲覧ページの記録、行動に応じた点数付け(スコアリング)育成中の見込み客が多く、手作業では追いきれないとき
GA4・Search ConsoleWEBサイトの計測流入経路、閲覧ページ、問い合わせ数、検索語すべての段階(無料で使える)

SFA・CRM・MAの機能を1つにまとめた製品も多くあります。ただし、ツールを入れる前に決めておくべきことがあります。段階の定義(どこからを「商談」と呼ぶか)、記録する項目、引き継ぎの基準の3つです。これが決まっていないと、高機能なツールを入れても入力がばらばらになり、分析に使えません。リードの件数が少ないうちは、表計算ソフトで記録を始め、運用が固まってから専用のツールに移る方法でも十分です。

インサイドセールスを始める5つの手順

インサイドセールスは、対象の範囲を決め、段階と引き継ぎの基準を定義し、KPIと記録のルールを決めてから、月次の振り返りで改善を重ねる順に始めます。

  1. 対象の範囲を決める:まずはWEBサイトの問い合わせや資料請求など、反響への対応から始めます。
  2. 段階と引き継ぎの基準を決める:リード、ヒアリング済み、商談、受注といった段階を定義し、商談として渡す条件(BANTなど)をマーケティング・営業の間で合意します。
  3. KPIと記録の項目を決める:経路別のリード数、初回連絡までの時間、商談化率、受注率と、失注・保留の理由の選択肢を決めます。
  4. 連絡の型を用意する:初回の電話で聞くこと、メールの文面、送る資料やページのURLを、問い合わせの種類ごとに用意します。
  5. 月に1回振り返る:段階ごとの件数と移行率を確認し、止まっている段階の原因と、翌月に変えることを決めます。WEBサイトで直すべき点(フォーム、料金、FAQ、事例)もこの場で洗い出します。

よくあるご質問

インサイドセールスとテレアポは何が違いますか?

テレアポはアポイントの獲得を目的とした電話営業です。インサイドセールスは電話・メール・オンライン会議を使い分け、見込み客を育て、課題や検討時期を見極めてから商談につなぐ役割で、テレアポはその手段の1つにあたります。

少人数の会社でもインサイドセールスは必要ですか?

専任の担当者を置けなくても、考え方は役に立ちます。問い合わせの記録、初回連絡の期限、商談として扱う基準の3つを決めるだけで、問い合わせの取りこぼしや対応の遅れが減ります。

インサイドセールスのKPIは何から設定すればよいですか?

経路別のリード数、商談化数、商談化率の3つから始めるのが分かりやすい方法です。架電数などの活動量は、商談化率が低いときに原因を探るための補助の指標として記録します。

WEBサイトからの問い合わせが少ない場合はどうすればよいですか?

インサイドセールスの体制を整える前に、WEBサイトの集客と問い合わせ率を確認します。検索で見つかっていないのか、訪問はあるのに問い合わせにつながっていないのかによって、取るべき対策が変わります。

MAツールは最初から導入すべきですか?

必須ではありません。育成中の見込み客が少ないうちは、GA4による計測と、表計算ソフトやCRMでの記録で十分に分析できます。手作業でのメール送付や追跡が追いつかなくなった段階で、MAの導入を検討します。

まとめ

  • インサイドセールスは、見込み客を育て、見極めてから商談につなぐ非対面の営業の役割で、アポイントの獲得だけを担うテレアポとは範囲が違う
  • 分析の基本は、リードから受注までの段階ごとの件数と移行率を記録し、止まっている段階を特定すること
  • 経路別の商談化率を見るには、WEBサイトの問い合わせの時点で流入元を記録しておく必要がある
  • 営業で聞かれた質問や失注の理由をWEBサイトのFAQ・料金・事例に戻すと、問い合わせの質が上がる

当社のWEBサイト運用保守・集客改善では、問い合わせ・資料請求・電話をコンバージョンとして定義し、GA4・Search Consoleを整えたうえで、導線・CTA・フォームの改善を月次で進めます。今のサイトの問い合わせまでの導線を確認したい場合は、URLを入れるだけの無料簡易診断で、問い合わせまでの導線(入口の数と場所・フォーム)を含む6分野の点数と、まず直したい3つをメールでお伝えします。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2022年8月3日 に公開し、2026年10月23日 に内容を確認・更新しました。