運用保守・集客改善

アクセス解析でCVRを改善する5つの手順:GA4で直すページを見つける方法

公開 更新 読了 約17分

「サイトへのアクセスはあるのに、問い合わせが増えない」「改善をしてみたが、効果があったのか分からない」。こうした悩みの多くは、アクセス数の増減だけを見ていて、どのページのどこで人が離れているかを確かめていないことから生まれます。

アクセス解析で CVR を改善するには、先に成果(キーイベント)と途中の行動を決めて計測し、「訪問は多いのに成果につながっていないページ」を特定してから、ページ内の原因を確かめて 1 つずつ直し、前後の数字で効果を確かめる、という順番で進めます。

この記事では、GA4 での CVR の確認方法(キーイベント率)、解析の前に決めておくこと、CVR 改善の 5 つの手順、原因別の改善策、数字を見るときの注意点を、2026年10月時点の GA4 の画面と公式ヘルプにもとづいて解説します。GA4 の導入や画面の基本的な見方はGoogleアナリティクス(GA4)の見方と初期設定で解説しているので、本記事は「数字を改善につなげる方法」に絞ります。

CVR とは:GA4 では「キーイベント率」で確認する

CVR(コンバージョン率)は、サイトを訪れた人のうち問い合わせや資料請求などの成果に至った割合のことで、GA4 では「セッションのキーイベント率」または「ユーザーのキーイベント率」という指標で確認します。

計算は「成果の数 ÷ 訪問の数 × 100」です。たとえば 1 か月のセッションが 2,000、問い合わせが 10 件なら、CVR は 0.5% です。問い合わせの数は「訪問の数 × CVR」で決まるため、訪問が足りないのか、訪問はあるのに CVR が低いのかで、打つべき手が変わります。訪問を増やすのは SEO や広告、CVR を上げるのはページの内容や導線、フォームの改善です。

GA4 では 2024 年に「コンバージョン」の名称が「キーイベント」に変わりました。Google 広告で入札の最適化に使う「コンバージョン」と区別するための変更です(アナリティクス ヘルプ:キーイベント)。ユニバーサル アナリティクス(UA)の時代に書かれた解説記事や社内マニュアルは、用語と画面が今と違うため、次の表で読み替えてください。

UA 時代の用語・機能2026年10月時点の GA4 での名称・方法
目標(ゴール)の設定イベントに「キーイベント」としてマークを付ける
コンバージョン率セッションのキーイベント率/ユーザーのキーイベント率
目標到達プロセス(ファネル)の設定「探索」の目標到達プロセスデータ探索
平均セッション時間・ページ/セッション平均エンゲージメント時間、セッションあたりの表示回数
直帰率(1 ページだけ見て離れた割合)直帰率(エンゲージメントのなかったセッションの割合。定義が変わった)
Google データポータルData Studio(2022年に Looker Studio、2026年4月に Data Studio へ名称変更)
Google オプティマイズ(A/B テスト)2023年9月30日に提供終了。他社の A/B テストツールや CMS・LP ツールの機能を使う

キーイベントの数え方は、プロパティの設定で「イベントごとに 1 回」(推奨)と「セッションごとに 1 回」から選べます(アナリティクス ヘルプ:キーイベントのカウント方法)。前者では、1 回の訪問でフォームを 2 回送信すると 2 件と数えます。GA4 の件数と社内で受け付けた問い合わせの件数を比べるときは、この設定を確認しておきます。

アクセス解析の目的は「現状把握・モニタリング・効果検証」

CVR 改善のためのアクセス解析には、今の状態を知る、変化に早く気づく、施策の効果を確かめる、という 3 つの目的があります。

  • 現状把握:どこから来た人が、どのページを見て、どれだけ問い合わせに至っているかを知り、課題のあるページを見つけます。
  • モニタリング:毎月同じ指標を同じ手順で見て、アクセスや問い合わせの急な増減、計測の不具合に早く気づきます。
  • 効果検証:ページの修正や広告などの施策の前後を比べて、続けるか、やめるか、さらに直すかを判断します。

データを集めること自体は目的ではありません。「どのページの何を直すか」を決めるために数字を見る、という意識で進めることが大切です。

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解析を始める前に決めておく 4 つのこと

CVR の改善に取りかかる前に、目標(KGI・KPI)、成果として数える行動、途中の行動、比べ方の 4 つを決めておかないと、数字を見ても良し悪しを判断できません。

1. KGI と KPI を決める

KGI は最終的な目標、KPI はそこに至るまでの中間の目標です。企業サイトなら、たとえば KGI を「サイト経由の受注件数」、KPI を「問い合わせ件数」「資料請求件数」とします。サイトで直接測れるのは KPI までのことが多いため、営業部門と「サイトからの問い合わせが何件あれば目標に届くか」をすり合わせておくと、目指す CVR が決まります。

2. 成果(キーイベント)を定義する

キーイベントには、サイトの最終的な成果だけを指定します。企業サイトでは、問い合わせフォームの送信完了、資料請求の完了、見積もり依頼の完了が基本です。送信後に完了ページ(例:/contact/thanks/)が表示される場合は、そのページの表示をもとにイベントを作ってキーイベントにします。完了ページがないフォームや電話番号のタップは、Google タグ マネージャー(GTM)でイベントとして送る方法が確実です。

3. マイクロコンバージョン(途中の行動)を決める

マイクロコンバージョンは、最終的な成果の手前にある行動のことです。問い合わせが月に数件しかないサイトでは、最終的な成果だけを見ても変化が小さく判断できないため、途中の行動を合わせて見ます。

途中の行動(例)GA4 での計測方法
サービスページ・料金ページの閲覧page_view(ページの URL で絞り込む)
導入事例・実績ページの閲覧page_view(ページの URL で絞り込む)
資料(PDF など)のダウンロード拡張計測機能の file_download(自動で計測)
フォームの入力開始拡張計測機能の form_start(フォームの仕組みによっては計測できない)
ページの最後までのスクロール拡張計測機能の scroll(ページの縦 90% が表示されたときに 1 回)
電話番号のタップ・問い合わせボタンのクリックGTM のクリック トリガーでイベントを送る

拡張計測機能で自動的に記録されるイベントの条件は、アナリティクス ヘルプ:拡張計測機能イベントに記載されています。途中の行動までキーイベントにすると、キーイベント率が実際の問い合わせより高く見えてしまうため、キーイベントは最終的な成果に絞り、途中の行動は通常のイベントとして見るのがおすすめです。

途中の行動を見ると、最終的な数字だけでは分からない変化が分かります。次の表は、例として、サービスページに問い合わせへの案内を増やした前後を比べたものです。

指標(例)改善前改善後
セッション10,00010,000
フォームページへの到達(到達率)1,000(10%)1,500(15%)
問い合わせ送信完了(CVR)20(0.20%)22(0.22%)
フォーム到達からの送信率2.0%約 1.5%

CVR だけを見ると 0.02 ポイントしか変わっておらず、改善の効果は判断できません。しかし途中の行動まで見ると、フォームまで来る人は 1.5 倍に増えた一方で、フォームに来た人が送信する割合は下がっています。この場合、案内を増やす施策は効いており、次に直すべきはフォームそのものだと分かります。

4. 比べ方を決める

数字は「前月」と「前年同月」の 2 つと比べるのが基本です。前月との比較だけでは、繁忙期や長期休暇などの季節による変動と、施策の効果を区別できません。あわせて、ページを修正した日、広告を始めた日、フォームを変えた日などを社内の表に記録しておくと、数字が動いた理由をあとからたどれます。毎月の推移をグラフで見たい場合は、GA4 と Search Console の数字を Data Studio(旧 Looker Studio)にまとめておくと、報告の手間が減ります。

CVR 改善のアクセス解析:5 つの手順

GA4 を使った CVR 改善は、「サイト全体の把握 → 改善するページの特定 → ページ内の原因の特定 → 改善の実施 → 効果検証」の 5 つの手順で進めます。

  1. サイト全体の状況をつかむ
  2. 改善するページを特定する
  3. ページ内のボトルネック(原因)を特定する
  4. 改善策を実施する
  5. 効果を検証する
グラフやチャートに囲まれてパソコンでデータを分析する人のイラスト

手順1:サイト全体の状況をつかむ

最初に、どの流入元とどのデバイスから来た人が問い合わせにつながっているかを確認します。GA4 の「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開き、セッションのデフォルト チャネル グループ(自然検索、直接、参照、SNS、広告など)ごとに、セッション、キーイベント、セッションのキーイベント率を見ます。キーイベントの列の見出しからは、集計するキーイベントを 1 つに絞り込めます。キーイベント率の列が表示されていない場合は、レポートのカスタマイズで指標を追加します。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 流入元ごとの CVR の差(例:自然検索は多いが問い合わせが少ない、紹介サイトからは少数でも問い合わせ率が高い)
  • スマートフォンとパソコンの CVR の差(スマートフォンだけ極端に低い場合は、表示やフォームの使いにくさを疑う)
  • 前月・前年同月と比べて大きく変わった流入元

手順2:改善するページを特定する

改善の効果が大きいのは、「訪問は多いのに成果につながっていないページ」です。「レポート」→「エンゲージメント」→「ランディング ページ」で、ページごとのセッション、キーイベント、キーイベント率を並べ、次の 4 つに分けて優先順位を決めます。

ページの状態考えられること優先する対応
訪問が多く、CVR が低い内容は読まれているが、次の行動につながっていない最優先で改善(導線・案内・判断材料の追加)
訪問が多く、CVR が高いサイトの成果を支えているページ大きく変えずに維持し、ほかのページからの案内を増やす
訪問が少なく、CVR が高い読んだ人には響いているが、見つけてもらえていない検索で見つかるように改善し、内部リンクを増やす
訪問が少なく、CVR が低い役割がはっきりしないページ後回しにするか、内容の近いページとの統合を検討

問い合わせに至った人が、その前にどのページを見ていたかを知りたい場合は、「探索」の経路データ探索で、問い合わせ完了から逆にたどると、成果に関係しているページが見えてきます。検索から来るページは、Search Console でどんな検索語句で表示されているかも確認し、検索した人の目的とページの内容が合っているかを見ます。

手順3:ページ内のボトルネック(原因)を特定する

改善するページが決まったら、問い合わせまでのどの段階で人が離れているのかを確かめます。GA4 では「探索」の目標到達プロセスデータ探索を使い、たとえば「サービスページの閲覧 → 料金ページの閲覧 → フォームページの表示 → フォームの入力開始 → 送信完了」のようにステップを並べると、各ステップで何%の人が次に進まなかったかが分かります。

目標到達プロセスデータ探索ではステップを最大 10 個まで設定でき、最初のステップから入った人だけを数えるか(クローズ)、途中のステップから入った人も数えるか(オープン)を選べます。ステップ間の平均経過時間や、離れた人が次に何をしたかも表示できます(アナリティクス ヘルプ:目標到達プロセスデータ探索)。

一方、GA4 ではページの中のどこまで読まれ、どこがクリックされたかまでは細かく分かりません。ページ内の読まれ方を見るには、ヒートマップツールを使います。たとえば Microsoft の Clarity は無料で使え、ヒートマップと操作の録画(セッションの再生)を確認できます。ヒートマップツールを入れる場合も、プライバシーポリシーへの記載や Cookie の同意バナーの設定を GA4 と同じように見直します。

手順4:改善策を実施する

原因が分かったら、原因に合った改善策を 1 ページにつき 1〜2 点に絞って実施します。一度に多くを変えると、どの変更が効いたのか分からなくなるためです。よくある原因と改善策は次のとおりです。

見つかった原因主な改善策
ページを開いてすぐ離れる人が多い最初の画面で、何の会社・サービスで、誰の何を解決するのかを伝える見出しと文章に直す
最後まで読まれているのに問い合わせがないページの途中と最後に問い合わせへの案内を置き、ボタンの文言を「無料で相談する」など具体的にする
料金ページや事例ページを見て離れる費用の目安、事例の数字、よくある質問など、判断に必要な情報を足す
フォームまで来ても送信しない入力項目と必須項目を減らす、スマートフォンで入力しやすくする、エラーの表示を分かりやすくする
スマートフォンだけ CVR が低い表示の崩れ、ボタンの押しにくさ、表示速度を確認して直す
検索した人の目的とページの内容が合っていないSearch Console の検索語句に合わせてタイトルと本文を直す、目的に合うページへの案内を置く

手順5:効果を検証する

改善の効果は、改善前と改善後で同じ長さの期間を比べて確かめます。季節による変動が大きい業種では、前年同月とも比べます。問い合わせが月に数件のサイトでは、1 か月で判断せず、2〜3 か月の合計や、手順3で決めた途中の行動の変化を合わせて判断します。

2 つの案のどちらが良いかを同じ期間で比べたい場合は、A/B テストを使います。以前よく使われていた Google オプティマイズは 2023年9月30日に提供を終了したため、現在は他社の A/B テストツールや、CMS・LP 作成ツールに備わっている機能を使います。進め方はA/B テストのやり方と目的で解説しています。効果が確認できた改善は、ほかのページにも広げます。

数字を見るときの注意点

CVR は計測の設定や件数の少なさで大きく動くため、数字が変わったときは、改善の効果と判断する前に計測の条件を確かめます。

  • 件数が少ない:問い合わせが月 10 件なら、1 件の違いで 10% 増減します。率だけでなく件数も並べて見ます。
  • サイトの外で起きた成果は GA4 に出ない:電話、メール、紹介からの問い合わせは記録されません。社内の受付記録と並べ、問い合わせの際に「何で知ったか」を聞くと、サイトの貢献が分かります。
  • 計測されない訪問がある:Cookie の同意バナーで計測を拒否した人や、広告ブロッカーを使う人の訪問は記録されない場合があります。同意バナーを入れた時期と数字が減った時期が重なっていないか確認します。
  • 計測が止まっている:フォームや完了ページを変更すると、キーイベントが記録されなくなることがあります。月に 1 回はテスト送信して、記録されるかを確認します。
  • 社内のアクセスが混ざっている:社員や制作会社の閲覧を除外していないと、CVR が低く見えます。
  • 定義の違う数字を比べている:UA と GA4 では、セッションや直帰率の定義が違います。UA 時代の数字と GA4 の数字を並べて比べないようにします。

アクセス解析に使う主なツール

CVR 改善では、GA4 を中心に、検索での見え方は Search Console、ページ内の動きはヒートマップ、毎月の報告は Data Studio と、役割を分けてツールを使います。

ツール分かること・できること費用
Google アナリティクス 4(GA4)サイトに来た後の行動、流入元、キーイベントの件数と率無料(大規模向けの有料版もある)
Google Search ConsoleGoogle 検索での表示回数、クリック数、検索語句、掲載順位無料
Google タグ マネージャーボタンのクリックや電話番号のタップなどを、サイトのコードを書き換えずに計測する無料
ヒートマップツール(例:Microsoft Clarity)ページのどこまで読まれ、どこがクリックされたか無料のものと有料のものがある
Data Studio(旧 Looker Studio)GA4 や Search Console の数字をまとめた月次レポートの作成基本機能は無料(有料版の Data Studio Pro もある)

Looker Studio は 2026年4月に「Data Studio」へ名称が戻り、既存のレポートはそのまま引き継がれています(Google Cloud ブログ)。古い解説記事で「Google データポータル」と書かれているのも同じツールです。

よくあるご質問

CVR の平均や目安はどのくらいですか?

業種、成果の定義(問い合わせか資料請求か)、流入元によって大きく変わるため、一律の目安はあてになりません。他社の平均と比べるより、自社の過去の数字や、ページ別・流入元別の CVR の差を見るほうが、どこを直すべきかの判断に直結します。

UA(ユニバーサル アナリティクス)時代のデータと比べられますか?

比べられません。UA は 2023年7月1日に計測を終了し、2024年7月以降は管理画面と API にもアクセスできなくなりました(アナリティクス ヘルプ:UA から GA4 への置き換え)。UA のデータを書き出していなかった場合、比較できるのは GA4 を導入した時点以降の数字です。

アクセスが少ないサイトでも、アクセス解析は役に立ちますか?

役に立ちます。問い合わせの件数が少ないと率が不安定になるため、期間を長めに取り、フォームページへの到達や資料のダウンロードなどの途中の行動を合わせて見ます。訪問そのものが少ない場合は、CVR の改善と並行して、Search Console で検索での表示を確認し、見つけてもらうための改善も進めます。

アクセス解析と改善を外部に頼むことはできますか?

できます。当社の運用改善プラン(改善ライト:月8万円〜・税別、最低契約6か月)では、GA4・Search Console・検索順位・AI 検索での引用・表示速度をまとめた月次レポートと、月 1 回 60 分の定例ミーティングで、次に直すところを毎月決めています。運用改善は、診断レポート(20万円・税別)で現状を数字にしてから始めます。

まとめ

アクセス解析で CVR を改善するには、成果(キーイベント)と途中の行動を決めて正しく計測し、訪問が多いのに成果につながっていないページを見つけ、目標到達プロセスデータ探索やヒートマップで原因を確かめてから、1〜2 点ずつ直して前後の数字で効果を確かめます。GA4 では「コンバージョン」が「キーイベント」に、「コンバージョン率」が「キーイベント率」に変わっているため、UA 時代の解説や数字とは分けて考えることも大切です。

数字は見ているが、何から直せばよいか決められない場合は、当社のWEBサイト運用保守・集客改善で、計測の整備から月次レポート、改善作業までお手伝いします。まずは自社サイトの状態を知りたい場合は、URL を入れるだけの無料簡易診断をご利用ください。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2022年12月5日 に公開し、2026年10月23日 に内容を確認・更新しました。