運用保守・集客改善

Googleタグマネージャー(GTM)とは?メリット・注意点とGA4の設定手順

公開 更新 読了 約16分

GA4、広告のコンバージョン計測、ヒートマップなど、サイトに入れるタグが増えてくると、どのページに何が入っているのか社内で誰も把握できなくなり、タグを 1 つ追加するたびに制作会社へ HTML の修正を頼む、という状態になりがちです。

Google タグ マネージャー(GTM)は、サイトに一度コードを入れておけば、GA4 や広告のタグを管理画面から追加・変更・停止できる無料のツールで、複数のタグを使う会社や、問い合わせボタンのクリックなどサイト内の行動を計測したい会社に向いています。

この記事では、GTM の仕組み、メリットと注意点、導入手順、2023年9月以降の「Google タグ」を使った GA4 の設定手順、問い合わせや電話タップの計測例、Cookie の同意モードの扱いまでを、2026年10月時点の公式ヘルプにもとづいて解説します。GA4 のレポートの見方はGoogleアナリティクス(GA4)の見方と初期設定で解説しています。

Google タグ マネージャー(GTM)とは

GTM は Google が無料で提供するタグ管理ツールで、サイトの全ページに GTM のコードを 1 回入れておけば、その後のタグの追加や変更を GTM の管理画面で行えます。

ここでいう「タグ」は、アクセス解析や広告の効果測定のためにページへ埋め込む短いプログラムのことです。たとえば GA4 の Google タグ、Google 広告のコンバージョン タグ、SNS 広告の計測タグ、ヒートマップツールのタグなどがあります。GTM を使わない場合は、タグごとにサイトの HTML やテンプレートを編集して貼り付ける必要があります。

GTMの文字と、タグの管理やデータの分析を表す人物のイラスト

GTM は Google アカウントがあれば誰でも無料で使えます。大企業向けには有料版の「タグ マネージャー 360」もありますが、中小企業のコーポレートサイトであれば、通常は無料版で必要な機能がそろいます。

なお、以前は Yahoo!タグマネージャー(YTM)と比較されることもありましたが、YTM は 2024年6月30日に提供を終了しています(LINEヤフー for Business:Yahoo!タグマネージャーのサービス終了について)。サイトに YTM のタグが残っている場合は、削除しておきます。

GTM の仕組み:タグ・トリガー・変数

GTM は、「タグ(何を送るか)」「トリガー(いつ動かすか)」「変数(条件や値)」の 3 つを組み合わせて動きます。

要素役割例
タグ計測や広告のためのコードGoogle タグ(GA4)、GA4 イベント、Google 広告のコンバージョン
トリガータグを動かす条件全ページの表示、特定のページの表示、ボタンのクリック、フォームの送信、スクロール
変数トリガーの条件や、タグに渡す値ページの URL、クリックされたリンクの URL、クリックされた文字
コンテナタグ・トリガー・変数をまとめた入れ物。サイトごとに 1 つ作るwww.example.com
ワークスペース・バージョン編集中の作業場所と、公開した設定の履歴「GA4 導入」「電話タップ計測を追加」などの版

たとえば「問い合わせ完了ページが表示されたら(トリガー)、GA4 に問い合わせ完了のイベントを送る(タグ)。完了ページかどうかはページの URL(変数)で判定する」という組み合わせで設定します。トリガーには、ページビュー、クリック(すべての要素/リンクのみ)、フォームの送信、スクロール距離、要素の表示、YouTube 動画、タイマー、カスタム イベントなどの種類があり、目的に合わせて選びます。

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GTM でできること・メリット

GTM を使う最大のメリットは、HTML を書き換えずにタグを追加・変更でき、公開前に動作を確認でき、問題があれば以前の版に戻せることです。

タグを一か所でまとめて管理できる

サイトで使っているタグが GTM の画面に一覧で表示されるため、何のタグがどの条件で動いているかを把握できます。担当者が替わっても、GTM を見れば現状が分かります。

HTML を編集せずにタグを追加・変更できる

最初に GTM のコードを設置した後は、テンプレートを触らずにタグを追加できます。HTML を誤って書き換えて表示が崩れる、といった事故を防げます。

公開前にプレビューで動作を確認できる

プレビュー機能(Tag Assistant)で、設定したタグがどのページで、どの操作のときに動いたかを、公開前に確認できます。キャンペーンの開始日に計測が動いていなかった、という失敗を防げます。

変更の履歴が残り、以前の版に戻せる

公開するたびにバージョンが作られ、誰がいつ何を変えたかが記録されます。新しいタグで不具合が出た場合も、以前のバージョンに戻せます。

担当者ごとに権限を分けられる

コンテナごとに、利用者の権限を分けられます(タグ マネージャー ヘルプ:ユーザー権限)。

コンテナの権限できること
読み取りタグ・トリガー・変数を見られるが、変更はできない
編集ワークスペースを作って編集できるが、バージョンの作成と公開はできない
承認バージョンの作成と編集ができるが、公開はできない
公開編集、バージョンの作成、公開まですべてできる

たとえば、広告代理店には「編集」、社内の担当者には「公開」を付けると、社外の人が設定した内容を社内で確認してから公開する運用ができます。

クリックやスクロールなどの行動を計測できる

ボタンのクリック、電話番号のタップ、特定の要素の表示など、ページの表示だけでは分からない行動を、プログラムを書かずに画面の操作でイベントとして計測できます。

GTM の注意点:速度・二重計測・管理のルール

GTM を入れただけでサイトの表示が速くなるわけではなく、タグを入れすぎると遅くなり、管理のルールがないと計測が壊れる原因にもなります。

  • 表示速度:GTM で入れたタグも、ページを開いた人のブラウザで実行されます。Google の web.dev は、タグ マネージャーの容量が大きいほど INP(操作への反応の速さ)が悪くなる傾向を指摘し、使わないタグは例外トリガーで止めるのではなく、一時停止か削除をすすめています(web.dev:タグとタグ マネージャーのベスト プラクティス)。
  • 二重計測:GA4 のタグを HTML に直接入れたまま GTM でも設定すると、ページビューが約 2 倍に数えられます。GTM に移すときは、直接入れたタグを外します。
  • アカウントの持ち主:制作会社や担当者個人の Google アカウントで GTM を作ると、契約終了や退職のときに管理できなくなります。会社で管理する Google アカウントを管理者にし、外部の人にはユーザーとして権限を付けます。
  • カスタム HTML タグ:自由にコードを書けるタグは便利ですが、表示速度やセキュリティに影響しやすいため、提供元の分からないコードは入れません。

運用では、公開時のバージョン名に変更内容を書く、年に 1 回はタグを棚卸しして使っていないものを一時停止・削除する、使っているタグの一覧表を作っておく、の 3 つをルールにしておくと、担当者が替わっても困りません。表示速度の改善全体についてはWebサイトの表示速度の基準と改善方法で解説しています。

GTM を使うべきか:直接設置との比較

GA4 だけを入れるなら直接設置や CMS の機能で足りますが、イベントの計測や広告のタグを増やす予定があるなら、最初から GTM を使うほうが管理しやすくなります。

サイトの状況おすすめの方法
GA4 だけを使い、ページの閲覧数と問い合わせ完了ページの表示だけ分かればよいGoogle タグを直接設置、または CMS・プラグインに測定 ID を入れる
問い合わせボタンのクリック、電話番号のタップなどを計測したいGTM
Google 広告や SNS 広告など、複数のタグを使うGTM
社内の担当者と制作会社・広告代理店など、複数の人がタグを扱うGTM(権限とバージョン管理を使う)
Cookie の同意バナーで、利用者の選択に応じてタグを制御したいGTM の同意設定と、同意管理ツール(CMP)を組み合わせる

GTM の導入手順

GTM の導入は、アカウントとコンテナを作り、表示された 2 つのコードをサイトの全ページに貼り付ければ完了します。

  1. GTM の管理画面(tagmanager.google.com)に、会社で管理する Google アカウントでログインします。
  2. 「アカウントを作成」を選び、アカウント名(会社名など)と国(日本)を入力します。
  3. コンテナ名にサイトの URL(例:www.example.com)を入力し、ターゲット プラットフォームで「ウェブ」を選びます(ほかに iOS、Android、AMP、サーバーがあります)。
  4. 「作成」を押し、利用規約に同意します。
  5. 表示された 2 つのコードのうち、1 つ目を各ページの head 内のできるだけ上に、2 つ目を body 開始タグの直後に貼り付けます。WordPress では、テーマの設定やプラグインに GTM のコンテナ ID(GTM- で始まる)を入れる方法もあります。

アカウントとコンテナの作り方はタグ マネージャー ヘルプ:アカウントとコンテナを作成するに記載されています。通常、アカウントは 1 社に 1 つ、コンテナはサイトごとに 1 つ作ります。

GTM で GA4 を設定する手順(Google タグを使う現在の方法)

GTM で GA4 を計測するには、タグの種類で「Google タグ」を選んで GA4 の測定 ID(G- で始まる)を入れ、全ページで動くトリガーを指定し、プレビューで確認してから公開します。

2023年8月以前の解説記事では「Google アナリティクス: GA4 設定」というタグを使う手順が紹介されていますが、このタグは 2023年9月から「Google タグ」に置き換わり、既存の設定は自動で移行されました(タグ マネージャー ヘルプ:Google タグについて)。現在の手順は次のとおりです。

  1. GA4 の「管理」→「データの収集と修正」→「データストリーム」でウェブのストリームを開き、測定 ID(G- で始まる)を控えます。
  2. GTM の「ワークスペース」で「タグ」→「新規」を選びます。
  3. 「タグの設定」でタグの種類に「Google タグ」を選び、「タグ ID」に測定 ID を入力します。
  4. 「トリガー」で、初期化のトリガー(Initialization – All Pages)を選びます。
  5. タグに分かりやすい名前(例:GA4_Google タグ)を付けて保存します。
  6. 右上の「プレビュー」を押すと Tag Assistant が開くので、サイトの URL を入力して接続します。開いたサイトで Google タグが動いていることを確認し、GA4 の「リアルタイム」レポートにも自分のアクセスが表示されるかを見ます。
  7. 右上の「送信」を押し、バージョン名と説明(例:GA4 導入)を入力して公開します。

手順の詳細はタグ マネージャー ヘルプ:タグ マネージャーで Google アナリティクスを設定するに記載されています。GA4 の拡張計測機能(スクロール、外部リンクのクリック、ファイルのダウンロードなど)は、GTM 経由で設置しても GA4 のデータストリームの設定どおりに動きます。

問い合わせ・電話タップを計測する設定例

企業サイトでは、問い合わせの完了と電話番号のタップを GTM でイベントとして GA4 に送り、問い合わせ完了を GA4 でキーイベントにするのが基本です。

計測したいことトリガーの種類条件の例イベント名の例
問い合わせの完了(完了ページがある場合)ページビューPage Path に /contact/thanks/ を含むgenerate_lead
電話番号のタップクリック – リンクのみClick URL が tel: で始まるphone_tap
問い合わせボタンのクリッククリック – すべての要素Click Text が「お問い合わせ」に等しいcontact_click
資料(PDF)のダウンロードGTM の設定は不要GA4 の拡張計測機能で自動計測file_download

イベントを送るタグは、タグの種類で「Google アナリティクス: GA4 イベント」を選び、測定 ID とイベント名を入れて、上の表のトリガーを指定します(タグ マネージャー ヘルプ:GA4 イベントタグについて)。クリックの条件に使う Click URL や Click Text は、初期状態では使えないため、「変数」→「組み込み変数」の設定で有効にしておきます。

フォームの送信トリガーは、ページを切り替えずに送信が完了するフォームでは反応しないことがあります。その場合は、完了ページの表示を使うか、フォームの仕組みに合わせたイベントを使います。イベントが GA4 に届いたら、GA4 の「管理」→「データの表示」→「イベント」(または「キーイベント」)で、問い合わせ完了のイベントをキーイベントとしてマークします。キーイベントにした数字の読み方と改善の進め方は、アクセス解析でCVRを改善する5つの手順で解説しています。

同意モードと Cookie 同意バナーの扱い

Cookie の同意バナーを使うサイトでは、GTM の同意設定と Google の同意モードを使い、利用者の選択に応じて GA4 や広告のタグの動きを変えます。

同意モードは、利用者が同意したかどうかを Google のタグに伝え、タグの動きを調整する仕組みです。主な同意の種類は次の 4 つです(Google タグ プラットフォーム:同意モードの概要)。

  • analytics_storage:アクセス解析のための情報(Cookie など)の保存
  • ad_storage:広告のための情報の保存
  • ad_user_data:広告の目的で利用者のデータを Google に送ること
  • ad_personalization:パーソナライズド広告

同意モードには、同意が得られるまでタグを読み込まない「基本モード」と、タグを読み込んだうえで、同意がない間は Cookie を使わない情報だけを送る「詳細モード」があります(Google 広告 ヘルプ:同意モードについて)。欧州経済領域(EEA)の利用者のデータを Google 広告などで使う場合は、EU ユーザーの同意ポリシーに沿って同意を得て、その同意の状態を Google に送ることが求められています(Google 広告 ヘルプ:EEA 内のトラフィックに使用する同意モードの更新)。

GTM 側では、次の機能を使います(タグ マネージャー ヘルプ:同意モードのサポート)。

  • 同意管理ツール(CMP)のテンプレート:同意バナーのサービスの多くが、GTM のコミュニティ テンプレート ギャラリーにテンプレートを用意しています。
  • 同意の初期化トリガー:同意バナーや同意の初期値を設定するタグには「Consent Initialization – All Pages」を使います。ほかのすべてのタグより先に動きます。
  • タグごとの同意設定:各タグの「詳細設定」→「同意設定」で、特定の同意がある場合だけ動くように追加の条件を付けられます。
  • 同意の概要:「管理」→「コンテナの設定」で同意の概要を有効にすると、同意の設定をしていないタグを一覧で確認し、まとめて設定できます。

国内の法律では、2023年6月に施行された改正電気通信事業法の外部送信規律や、個人情報保護法の個人関連情報の規定が関係します。どのサイトが対象になり、何を公表すればよいかはサードパーティークッキーの規制と企業サイトの対応で解説しています。

よくあるご質問

Google タグ マネージャーは無料で使えますか?

無料で使えます。Google アカウントがあれば、アカウントとコンテナを作ってすぐに使い始められます。大企業向けの有料版(タグ マネージャー 360)もありますが、中小企業のサイトであれば通常は無料版で十分です。

GTM を入れるとサイトの表示は速くなりますか?

速くはなりません。GTM で入れたタグもページを開いた人のブラウザで実行されるため、タグが増えるほど表示や操作への反応は遅くなります。使わなくなったタグを一時停止・削除し、同じタグを HTML と GTM の両方に入れないことが大切です。

「Google アナリティクス: GA4 設定」というタグが見つかりません。

2023年9月に「Google タグ」へ置き換わったためです。現在は、タグの種類で「Google タグ」を選び、タグ ID に GA4 の測定 ID を入れます。以前に作った GA4 設定タグは自動で Google タグに移行されているので、作り直す必要はありません。

制作会社に GTM の設定を頼むとき、何を確認すればよいですか?

GTM のアカウントの管理者が自社の Google アカウントになっているか、制作会社に付ける権限(編集か公開か)、設定したタグの一覧と目的、公開したバージョンの説明、の 4 点を確認します。契約が終わった後も自社で管理を続けられる状態にしておくことが重要です。

まとめ

Google タグ マネージャーは、タグ・トリガー・変数の組み合わせで、GA4 や広告のタグを HTML を書き換えずに管理できる無料のツールです。GA4 は「Google タグ」に測定 ID を入れて設定し、問い合わせ完了や電話タップは「GA4 イベント」タグで送って、問い合わせ完了を GA4 でキーイベントにします。一方で、GTM を入れても表示は速くならず、タグの入れすぎや二重計測、管理者の不在は計測の不具合につながるため、権限とバージョン、タグの棚卸しのルールをあわせて決めておきます。

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関連記事:GA4のセッションとは?UU・PVとの違い/Google Search Console(サーチコンソール)の活用法/WordPressのアクセス解析のやり方

フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2022年9月20日 に公開し、2026年10月23日 に内容を確認・更新しました。