コーポレートサイト制作

STUDIOとWordPressを比較:費用・更新・移管で見る企業サイトの選び方

公開 読了 約17分

会社のホームページを作り直すにあたり、制作会社から「STUDIO で作る案」と「WordPress で作る案」の 2 つを出された、社内のデザイン担当が STUDIO で作りたいと言っている、Wix のようなノーコードツールで企業サイトを運用して問題ないのか知りたい。こうした相談は、従業員 10〜300 名規模の BtoB 企業でも増えています。

STUDIO はサーバーや本体の更新を任せられ、デザインの自由度が高い一方、機能とデータの移しやすさはサービスの範囲に縛られるため、ページ数が少なく機能が標準で足りるサイトに向き、製品・事例・記事を増やし続けるサイトや外部システムとつなぐサイトは WordPress が向いています。

この記事では、STUDIO と WordPress を費用・更新のしやすさ・拡張性・権限管理・移管・保守・SEO の 7 つの観点で比べ、STUDIO の料金プラン、5 年間の費用の比べ方、ノーコードのデメリットと向いているケース、中小 BtoB 企業の判断基準を整理します。STUDIO の料金と機能は、2026年10月24日に公式の料金ページとヘルプで確認した内容です。

STUDIO・Wix と WordPress の違いは「サイトを置く場所」と「保守の担い手」

STUDIO や Wix はサービス会社のサーバー上で動くサービス(SaaS 型)で、WordPress は自社で契約したサーバーに設置して使うソフトであり、この違いが費用・保守・移管のすべてに影響します。

項目STUDIO・Wix(SaaS 型のノーコードツール)WordPress(インストール型の CMS)
サイトを置く場所サービス会社のサーバー自社で契約したレンタルサーバー
本体の更新・サーバー管理サービス会社が行う自社か、保守を頼んだ制作会社が行う
料金の払い方サイトごとの月額・年額の利用料ソフトは無料。サーバー・ドメイン・保守の費用
作れるものの範囲サービスが用意した機能の範囲テーマ・プラグイン・独自開発で広げられる
ほかへ移すときサイトそのものは持ち出せないサーバーや制作会社を替えて引き継げる

STUDIO は公式 FAQ で「レンタルサーバーを別途契約・管理する必要はない」と案内しており、SSL も標準で提供されています(Studio:FAQ、Studio:ホスティング)。CMS の種類ごとの特徴や、WordPress が多く使われている理由はCMSとは?WordPressが多く使われる理由と種類・選び方で解説しています。

STUDIO と WordPress の比較表:7 つの観点

費用は STUDIO のほうが読みやすく、保守の手間も小さい一方、拡張性・権限の細かさ・移管のしやすさは WordPress が上回ります。

比較項目STUDIOWordPress(自社契約のサーバーに設置)
費用サイト(プロジェクト)ごとの月額。企業サイト向けの Business は年払いで月 3,980 円。ドメイン代は含まれない本体は無料。サーバー月 1,000〜3,000 円程度、ドメイン年 1,500〜5,000 円程度。有料のテーマ・プラグインは使う場合だけ
更新のしやすさデザイン画面で文字や画像を直接編集できる。レイアウトも動かせるため、更新担当者に触らせる範囲を決めておくブロックエディターや、事例・お知らせなどの決められた入力欄で更新する。作り方によって使いやすさの差が大きい
拡張性Studio の機能と連携の範囲内。カスタムコードは有料プランのみで、head に入れられるのは link・meta・style・script・noscript の 5 種類プラグインや独自開発で、フォームの分岐、会員機能、多言語、CRM・MA などとの連携を追加できる
権限管理メンバーを招待し、ロールや権限を設定できる。高度なメンバー権限は Business プラン以上管理者・編集者・投稿者・寄稿者・購読者の 5 つの権限が標準で用意されている
移管サイトの HTML コードを書き出す機能はない。別の CMS に移るときはページを作り直すサーバーや保守会社を替えて引き継げる。投稿・固定ページ・カテゴリーなどは XML ファイルで書き出せる
保守サーバー・SSL・本体の更新は Studio 側。公開サイトの SLA(稼働率の保証)は Enterprise プランのみ本体・テーマ・プラグインの更新、バックアップ、監視を自社か委託先が続ける必要がある
SEOページごとの title・description・OGP 画像、sitemap.xml、見出し構造、画像の alt に対応。301 リダイレクトは Business 以上で、一括設定はないtitle・description、構造化データ、リダイレクトなどを実装やプラグインで細かく設定できる

STUDIO の内容は、Studio:料金プラン、Studio Help:HTML in Studio.Design、Studio Help:カスタムコードの追加、Studio Help:301 リダイレクトで確認しました。WordPress の権限はWordPress.org:Roles and Capabilities、書き出しはWordPress.org:Tools Export Screenの説明です。サーバー・ドメインの金額は当社の料金ページで案内している実費の目安です。

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STUDIO の料金プラン(2026年10月24日確認)

企業のコーポレートサイトを STUDIO で運用する場合、301 リダイレクトと高度なメンバー権限が使える Business プラン(年払いで月 3,980 円)以上が現実的な選択肢になります。

プラン月額(年払い)月額(月払い)ページ数の上限主な特徴
Free0 円0 円50 ページStudio のサブドメインで公開。独自ドメインの接続は有料プラン
Mini590 円1,290 円2 ページ(404 ページを除く)独自ドメイン、GA・GTM 連携、有人チャットサポート。1 ページのサイト向け
Personal1,190 円1,720 円150 ページCMS(5 モデル)、サイト全体のパスワード制限
Business3,980 円5,460 円300 ページ301 リダイレクト、高度なメンバー権限、CMS 10 モデル、フォーム回答 10,000 件、バージョン履歴 120 日、API 連携 1 件
Business Plus9,980 円12,900 円300 ページCMS 30 モデル、API 連携無制限、アクティビティログ、優先サポート
Enterprise要問い合わせ要問い合わせ無制限SLA 99.9%、IP アドレス制限、請求書払い

料金ページとヘルプで確認できた、契約前に知っておきたい点は次のとおりです(Studio Help:プロジェクトプランの選び方、Studio Help:請求の単位)。

  • 料金はアカウント単位ではなく、サイト(プロジェクト)単位でかかる。コーポレートサイトと採用サイトを分けると、それぞれに料金がかかる
  • 独自ドメインの取得費用は月額料金に含まれない
  • 有料プランの契約後の返金には対応していない。年払いから月払いへの直接の変更もできない
  • 複数のサイトをチームで管理するワークスペースは別契約で、Team プランは年払いで 1 名あたり月 1,450 円(最低 3 名)
  • 料金ページには税込・税抜の表記がないため、見積もりや稟議に載せる前に確認する

なお、Studio は 2024年12月1日に料金プランを改定しています(Studio:料金プラン改定のお知らせ)。SaaS 型のツールは、料金や上限がサービス側の判断で変わることを前提に、年に 1 回はプランの内容を見直します。

5 年間の費用で比べる(例)

ツールとサーバーの費用だけを比べると差は小さく、5 年間の総額を左右するのは「WordPress の保守を誰がいくらで行うか」と「途中で作り直しが起きないか」です。

例:10 ページ前後のコーポレートサイトを 5 年間運用する場合の、制作費を除いた費用です。STUDIO は Business プランの年払い、WordPress のサーバーは月 2,000 円、ドメインは .co.jp で年 4,000 円と仮定しています。

費用の項目STUDIO(Business・年払い)WordPress(保守を自社で行う)WordPress(保守を外注する)
ツール・サーバー月 3,980 円 × 60 か月 = 238,800 円月 2,000 円 × 60 か月 = 120,000 円月 2,000 円 × 60 か月 = 120,000 円
ドメイン年 4,000 円 × 5 年 = 20,000 円年 4,000 円 × 5 年 = 20,000 円年 4,000 円 × 5 年 = 20,000 円
本体の更新・バックアップ・監視Studio 側が行う(利用料に含まれる)社内の担当者の作業時間例:月 20,000 円 × 60 か月 = 1,200,000 円
5 年間の合計(制作費を除く)258,800 円140,000 円+社内の作業時間1,340,000 円

表の保守費は当社の保守ライト(月 20,000 円〜・税別)を当てはめた例です。WordPress の保守を外注すると総額は大きくなりますが、その中には更新作業の代行や障害時の対応も含まれます。STUDIO でも、お知らせの更新やページの修正を外注すれば別に費用がかかります。

もう 1 つ見落とされやすいのが、作り直しの費用です。STUDIO で作ったサイトに「製品検索」「会員向けの資料ページ」「CRM との連携」などが後から必要になり、STUDIO の機能で足りなければ、WordPress などに移すためにページを作り直すことになります。3〜5 年先に必要になりそうな機能を、最初に洗い出しておくことが大切です。WordPress の保守費の内訳と、契約に含まれない作業はWordPress保守の外注費用:月額の内訳と「含まれない作業」一覧で解説しています。

ノーコード(STUDIO・Wix)のデメリット

ノーコードツールのいちばんのデメリットは、サイトがサービスに依存し、機能もデータの持ち出し方もサービスの決めた範囲から出られないことです。

  • サイトを持ち出せない:STUDIO はサイトの HTML コードを書き出す機能がないとヘルプに明記しています。Wix も、サイトは Wix のサーバー上で運用する必要があり、外部のサーバーでのホスティングには対応していないと説明しています(Wix ヘルプセンター:Exporting or Embedding Your Wix Site Elsewhere)
  • 料金・仕様の変更の影響を直接受ける:値上げやプランの上限の変更、機能の終了があったとき、ほかへ移るには作り直しが必要なため、選べる対応が限られます
  • 機能はサービスの範囲内:カスタムコードで補える範囲にも上限があり(STUDIO は head・body に各 10 ブロック、1 ブロック 30,000 文字まで)、外部システムとの API 連携の数もプランで決まります
  • リニューアル時の 301 リダイレクト:STUDIO で 301 リダイレクトを使えるのは Business 以上で、ページごとに 1 件ずつ設定します。今の WordPress サイトから STUDIO に移る場合、旧 URL の数が多いと作業量が増えます
  • 稼働の保証:STUDIO はホスティングのページで 99.9% の稼働実績をうたっていますが、契約として SLA を保証するのは Enterprise プランだけです
  • 更新で崩れるリスク:デザインの自由度が高い分、更新担当者がレイアウトまで動かせてしまいます。権限と更新のルールを決めておかないと、ページごとに見た目がばらつきます

一方で、サーバーの契約や WordPress の更新作業が要らない、SSL が標準、デザイナーがコードを書かずに細かい表現まで作れる、公開までが速い、という利点は大きく、デメリットが問題にならないサイトでは十分に合理的な選択です。リニューアルで URL が変わるときの手順はサイトリニューアルで検索順位を落とさないURL変更とリダイレクトの手順を参考にしてください。

ノーコードが向いているケース・WordPress が向いているケース

判断の軸は「公開後に何を増やすか」と「何とつなぐか」で、増やすものもつなぐものも少なければノーコード、多ければ WordPress です。

状況向いている選択理由
5〜20 ページ程度で、更新はお知らせと採用情報くらいSTUDIO(Business)保守の手間が小さく、更新も画面上で完結する
デザインを重視し、社内か外部にデザイナーがいるSTUDIOコードを書かずに細かい表現を作れる
展示会やキャンペーン用の LP、期間限定の採用ページSTUDIO(Mini・Personal も選択肢)短期間で公開でき、終了後に止めやすい
製品・導入事例・技術記事を毎月増やすWordPress入力欄を決めた投稿の種類を作れ、ページ数が増えても管理しやすい
資料ダウンロード、図面添付のフォーム、CRM・MA・求人媒体との連携WordPressプラグインや開発で必要な機能を追加できる
多言語、会員向けページ、部署ごとの承認WordPress権限と機能を細かく組み合わせられる
将来、制作会社や保守会社を替える可能性があるWordPress対応できる会社が多く、サーバーごと引き継げる

Wix で企業サイトを作る場合に確認すること

Wix も STUDIO と同じ SaaS 型で、サーバー管理が不要な代わりに、サイトを Wix の外へ移せないことを前提に選びます。

Wix のヘルプでは、Wix で作ったコンテンツは利用者のものとしつつ、サイトの運用は Wix のサーバー上に限られると案内しています。独自ドメインを使うには有料プランへのアップグレードが必要です。契約する前に、日本向けの公式の料金ページで、日本円の金額・契約期間・共同管理者の人数の上限を確認してください。STUDIO と比べるときも、「ページ数の上限」「フォームの回答数」「リダイレクトの可否」「権限」「解約時の扱い」を同じ表に並べると判断しやすくなります。

中小 BtoB 企業の判断基準:契約前の 7 つの質問

ツールの好みではなく、3 年後のサイトの姿を社内で言葉にしてから選ぶと、作り直しを避けられます。

  1. 公開後に更新するのは誰で、月に何回くらいか(広報・人事・営業のどの担当者か)
  2. 3 年以内に増やしたいページは何か(製品、導入事例、記事、採用情報、拠点など)
  3. 問い合わせ・資料請求・応募のフォームに、分岐や添付、自動返信の出し分けが必要か
  4. CRM・MA・求人媒体・予約システムなど、つなぎたい外部システムはあるか
  5. 多言語、会員向けページ、部署ごとの承認など、権限を細かく分ける必要があるか
  6. 今のサイトの URL を引き継ぐ必要があるか(旧 URL の数と、検索から来ているページ)
  7. 制作会社や保守会社を将来替える可能性があるか。ドメインとアカウントの名義を自社で持てるか

2〜5 に「はい」が多いほど WordPress、ほとんど「いいえ」で 1 の担当者がデザイン画面に慣れているなら STUDIO が合います。どちらを選ぶ場合も、ドメインとサービスのアカウントは自社の名義で契約し、管理者の権限を自社で持っておきます。

よくあるご質問

STUDIO でも SEO 対策はできますか?

できます。公式 FAQ によると、ページごとの title・description・OGP 画像の設定、sitemap.xml、見出し構造や画像の alt 属性に対応しています。検索順位を左右するのは、ツールの種類よりも、検索する人の疑問に答える内容と表示速度などの基本です。構造化データなどをコードで細かく入れたい場合は、有料プランのカスタムコードの範囲でできるかを事前に確認してください。

STUDIO で作ったサイトを、あとから WordPress に移せますか?

移せますが、STUDIO にはサイトの HTML コードを書き出す機能がないため、WordPress 側でデザインとページを作り直すことになります。独自ドメインを自社の名義で持っていれば、ドメインはそのまま使えます。URL が変わるページには、新しい WordPress 側で旧 URL からの 301 リダイレクトを設定します。

WordPress のサイトを STUDIO に移すことはできますか?

できます。公式 FAQ では、WordPress の XML ファイルを使って、投稿記事や固定ページ、カテゴリー、タグなどの一部のデータを STUDIO の CMS に取り込めると案内しています。デザインは STUDIO で作り直し、旧 URL を引き継ぐ場合は Business 以上のプランで 301 リダイレクトを 1 件ずつ設定します。

Personal プランで会社のサイトを作ってもよいですか?

Studio のヘルプでは、Personal プランもビジネス目的で使えると説明しています。ただし、301 リダイレクトと高度なメンバー権限は Business 以上の機能です。リニューアルで旧 URL を引き継ぐ場合や、複数の担当者で更新する場合は Business を選びます。

制作会社に頼む場合、STUDIO と WordPress のどちらが安くなりますか?

制作費の大部分は、設計・デザイン・原稿・写真にかかる人の作業で決まるため、ツールの違いだけで大きく変わるとは限りません。差が出やすいのは公開後で、WordPress は保守の費用、STUDIO は利用料と作り直しのリスクを見込みます。見積もりは、公開後 5 年間の費用まで並べて比べてください。

まとめ

STUDIO と WordPress は、どちらが優れているかではなく、サイトの役割で選び分けるものです。

  • STUDIO・Wix はサービス会社のサーバーで動き、保守の手間が小さい代わりに、機能と持ち出し方はサービスの範囲に限られる
  • STUDIO で企業サイトを運用するなら、301 リダイレクトと高度なメンバー権限が使える Business(年払いで月 3,980 円・2026年10月24日確認)以上が現実的
  • 5 年間の費用は、ツール代より WordPress の保守費と作り直しのリスクで差が出る
  • 製品・事例・記事を増やす、外部システムとつなぐ、将来委託先を替える可能性があるなら WordPress
  • どちらでも、ドメインとアカウントは自社の名義で持つ

当社のコーポレートサイト制作は WordPress で実装し、お知らせや事例を管理画面から更新できるように作っています。サイトの役割と 3 年後に増やしたいページを伺ったうえで、作り方と費用をご提案しますので、コーポレートサイト制作をご覧ください。公開済みの WordPress サイトの更新・バックアップ・監視は、他社で制作したサイトも含めてWEBサイト運用保守・集客改善でお受けしています。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2026年10月26日 に公開し、2026年10月26日 に内容を確認・更新しました。