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エックスサーバーのPHPバージョン変更(PHP Ver.切替)の手順と戻し方

公開 読了 約13分

エックスサーバーでWordPressサイトを運用していて、PHPを新しいバージョンに上げたいものの、サーバーパネルのどこで変えるのか、変えた後に表示が崩れたらどう戻すのかが分からない。PHP 8.2のサポート終了(2026年12月31日)を前に、こうした確認が必要になる場面が増えています。

エックスサーバーのPHPは、サーバーパネルの「PHP Ver.切替」でドメインごとに変更でき、表示が崩れた場合も同じ画面で元のバージョンを選び直せば戻せます。切り替えの前に、今のバージョンの記録、バックアップ、テスト用のコピーでの確認を済ませておくと、戻すことになっても慌てずに済みます。

この記事では、選べるバージョン、切り替える前の確認、「PHP Ver.切替」の手順、切り替え後の確認、表示が崩れたときの戻し方、ドメインごとの設定の注意を、エックスサーバーの公式マニュアルとお知らせ(2026年10月時点)をもとに解説します。当社のサイトもエックスサーバーで運用しています。PHPのサポート期限やWordPressとの関係は、PHPのバージョンとサポート期限で扱っています。

エックスサーバーで選べるPHPのバージョン(2026年10月時点)

エックスサーバーでは8.5から5.1.6までのPHPを選べますが、WordPressサイトで選ぶのは、マニュアルで「WordPress推奨」とされ、php.netのサポートも続いている8.3・8.4・8.5です。

バージョンマニュアルでの区分php.netのセキュリティサポート選ぶ目安
8.5.xWordPress推奨2029年12月31日までテーマとプラグインが対応していれば、最も長く使える
8.4.xWordPress推奨2028年12月31日まで8.5で問題が出る場合の候補
8.3.xWordPress推奨2027年12月31日まで2025年7月28日の変更で、新しく追加するドメインの初期値になった。1年後に再び切り替えが必要
8.2.x旧バージョン(今後バージョンアップの予定はなく、新規での利用は推奨しない)2026年12月31日まで年内に8.3以上へ切り替える
8.1.x〜5.5.x同上終了使っている場合は早めに切り替える
5.4.x、5.3.3、5.1.6旧バージョン(OSベンダーのパッチで、影響の大きな脆弱性を中心に修正)終了同上

「Xアクセラレータ Ver.2」が有効な場合に選べるのは8.5〜7.2系で、どのバージョンでもFastCGIとキャッシュモジュール(APC/OPcache)が標準で有効です(PHPのバージョンについてのマニュアル)。2025年7月28日以降、新しく追加するドメインの初期値は8.3とされていますが(その後の変更は公式のお知らせで確認できます)、すでに動いているサイトのPHPは自動では変わりません(推奨バージョン変更のお知らせ)。前から使っているドメインほど、当時の設定のまま残っていることがあります。php.netのサポート期限はサポート中のバージョン一覧で確認できます。

切り替える前に確認すること

切り替えの前に、今のバージョンの記録、バックアップ、WordPressとプラグインの更新、独自の設定の保存、テスト用のコピーでの確認の5つを済ませます。

  1. 今のバージョンを記録する:「PHP Ver.切替」の画面で、ドメインごとの現在のバージョンを控えます。戻すときは、この番号を選びます。
  2. バックアップを取る:エックスサーバーは全プランで、Web・メールのデータとMySQLを過去14日分、1日1回自動でバックアップしています(自動バックアップ)。ただし公式も、確実な保全を保証するものではないとして、利用者自身でのバックアップを勧めています。切り替えの直前に、WordPressのファイルとデータベースを手元にも保存します。保管の考え方はサーバーのバックアップと復元で解説しています。
  3. WordPress本体・テーマ・プラグインを更新する:先に最新にし、ライセンスが切れて更新できない有料のテーマ・プラグインがないかを確かめます。
  4. 独自の設定を保存する:サーバーパネルの「php.ini設定」でメモリやアップロードの上限などを変えている場合は、値を控え、切り替えた後も意図どおりかを確かめます。公式のよくある質問では、PHPのバージョンが変わってしまう原因として.htaccessの上書きを挙げているため、.htaccessの中身も保存しておきます。
  5. テスト用のコピーで試す:サーバーパネルの「WordPress簡単インストール」の一覧から使える「WordPressのサイトコピー」は、動作確認用のテストサイトにも使える機能です。PHPのバージョンはドメインごとの設定なので、本番と同じドメインの中(例:ドメイン名/wp)にコピーした場合は、PHPを変えると本番にも影響します。テスト用のサブドメインなど本番とは別のドメインをコピー先に選べるかは、画面で確かめてから使います。一部のファイルではURLが置き換わらない場合があると案内されているため、コピー先の表示も確かめます。確認が終わったテストサイトは削除します。

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「PHP Ver.切替」でバージョンを変更する手順

操作はサーバーパネルの「PHP Ver.切替」で行い、対象のドメインのペンアイコンから「変更後のバージョン」を選んで「設定する」を押せば完了します。

  1. サーバーパネルにログインし、「PHP Ver.切替」を開きます。
  2. 変更したいドメインの右側にあるペンアイコンを押します。
  3. 現在のバージョンを確かめ、「変更後のバージョン」から切り替えたいバージョンを選びます。
  4. 「設定する」を押します。
  5. サイトを開いて表示を確かめ、WordPressの「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」で、PHPのバージョンが変わったことを確認します。

旧サーバーパネルでは画面の構成が違い、「変更後のバージョン」を選んだ後に「変更」を押します。複数のドメインを切り替える場合は、まとめて変えずに1つずつ切り替え、そのつど確認します。不具合が出たときに、どのサイトのどの変更が原因かを切り分けやすくするためです。

8.2から8.5のように系列をいくつもまたぐ場合は、間の系列のすべての変更が影響します。テスト用のコピーでエラーが多いときは、8.3、8.4と1系列ずつ上げて、どの段階で問題が出るのかを絞り込みます。

切り替えた後に確認すること

切り替えた直後に、ページの表示、問い合わせフォーム、管理画面、エラーの4つを確かめ、問題がなければ数日間は問い合わせの通知が届いているかを見ます。

確認すること方法問題があったとき
ページの表示トップと主要なページ、ブログ記事、問い合わせのページを、パソコンとスマートフォンで開く。ブラウザーのキャッシュを消して見る白い画面や「重大なエラー」が出たら、すぐに元のバージョンに戻す
問い合わせフォームテスト送信し、通知メールと自動返信が届くかを確かめる届かない場合は元に戻し、フォームのプラグインの対応状況を確かめる
管理画面ログイン、投稿の保存、画像のアップロード、主なプラグインの設定画面を開く一部の画面だけ動かない場合は、どのプラグインの画面かを記録する
エラーサーバーパネルの「エラーログ」で、対象のドメインのログを表示する。WordPressの管理者のメールアドレスに、エラーを知らせるメールが届いていないかも見るFatal errorが出ていれば、ログに出ているファイルの場所から、原因のプラグインやテーマを絞り込む

エラーログはドメイン単位で提供され、毎日午前3時頃に過去7日分のファイルが日別に作られます(エラーログのマニュアル)。それより前のログが必要な場合は、「ユーザー領域への保存設定」で保存期間を設定すると、ログをサーバー上に残せます。

表示が崩れたときの戻し方

不具合が出たら、まず「PHP Ver.切替」で切り替える前のバージョンを選び直してサイトを戻し、原因はテスト用のコピーで調べます。

エックスサーバーの推奨バージョン変更のお知らせでも、PHPを変えた後に異常が見られた場合は、同じ手順で元のバージョンへ戻すことで復旧できると案内されています。

  1. PHPを元に戻す:「PHP Ver.切替」で対象のドメインのペンアイコンを押し、記録しておいた元のバージョンを選んで「設定する」を押します。
  2. 表示を確かめる:ブラウザーのキャッシュを消してから、表示とフォームを確認します。
  3. 戻らない場合は.htaccessを確かめる:プラグインの処理やFTPでのアップロードで.htaccessが上書きされると、PHPのバージョンが意図しないものに変わることがあります(よくある質問)。保存しておいた.htaccessと見比べます。
  4. それでも戻らない場合はバックアップから復元する:サーバーパネルの「自動バックアップの取得・復元」でWeb領域などをドメイン・ディレクトリ単位で、「MySQLバックアップ取得・復元」でデータベースを日付を選んで復元できます。復元すると対象は上書きされ、バックアップの日より後に作ったファイルは削除されるため、範囲は必要な部分に絞ります(自動バックアップからの復元)。
  5. 原因を調べて直す:テスト用のコピーで新しいバージョンに切り替え、エラーログから原因のプラグイン・テーマ・コードを特定し、更新・置き換え・修正のどれで対応するかを決めてから、あらためて切り替えの日を決めます。

PHPを上げた後にプラグインを更新していた場合は、PHPだけを戻すと、そのプラグインの新しい版が求めるPHPを満たさなくなることがあります。切り替えてから戻すまでの間に行った更新も記録しておきます。また、WordPressそのものが壊れてログインできない場合に備えて、サーバーパネルには「WordPressリカバリー」の機能もありますが、完全な復旧を保証するものではないと明記されており、WordPress 5.0より前の版とマルチサイトでは使えません。

ドメインごとの設定で気をつけること

PHPのバージョンはドメインごとの設定なので、1つのドメインを切り替えても、同じサーバーにあるほかのサイトは切り替わりません。

  • すべてのドメインを洗い出す:採用サイト、キャンペーンのLP、テスト用のドメインなど、同じサーバーにあるドメインのバージョンを「PHP Ver.切替」の一覧で確かめます。
  • 新しく追加したドメインの初期値を確かめる:2025年7月28日のお知らせでは、以降に追加するドメインの初期値は8.3とされています。追加したら「PHP Ver.切替」で実際の値を確かめます。テスト用に追加したドメインは、本番と同じか、試したいバージョンに合わせます。
  • .htaccessを不用意に書き換えない:公式のよくある質問でも、サイトの更新やプログラムの処理で.htaccessを削除・上書きしないよう注意しています。サーバーパネルの「.htaccess編集」を使うときも、心当たりのない記述は消さないようにします(.htaccess編集のマニュアル)。
  • 記録を残す:ドメインごとに、いつ、どのバージョンからどのバージョンにしたか、何を確認したかを残し、次の期限(8.3なら2027年12月31日)を予定に入れます。

よくあるご質問

エックスサーバーでは、どのバージョンを選べばよいですか?

WordPressサイトなら、マニュアルで「WordPress推奨」とされている8.3・8.4・8.5の中から、テーマとプラグインが対応している範囲でなるべく新しいものを選びます。新しい系列ほどphp.netのサポートが長く、次の切り替えまでの期間を延ばせます。今8.2を使っている場合の期限までの進め方は、PHP 8.2のサポート終了への対応で解説しています。

10月に公表されたPHPの脆弱性のために、バージョンを変える必要はありますか?

エックスサーバーの告知によると、2026年10月21日に公表された脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)に対して、エックスサーバー・XServerビジネス・XServer for WordPressでは、10月26日6時20分までにPHP 8.2〜8.5を同じ系列の修正版に更新し、5.1〜8.1には修正パッチを適用したため、急いでバージョンを変える必要はないと案内されています。ただし、サポートの終わった系列や、年末で終わる8.2を使い続けてよいという意味ではありません。なお、XServer VPSなどのVPSは利用者がPHPを管理するため、利用者自身での対応が必要とされています。

PHPのバージョンを変えると、メールやデータベースに影響しますか?

PHPを切り替える操作そのもので、メールの送受信の設定やデータベースの中身が書き換わることはありません。ただし、問い合わせフォームのようにPHPのプログラムからメールを送る仕組みや、データベースを使うプラグインは、新しいPHPに対応していないと動かなくなることがあります。切り替えた後は、フォームのテスト送信を忘れずに行います。

切り替えた後、どのくらい様子を見ればよいですか?

直後の確認で問題がなくても、数日から1週間ほどは、問い合わせの通知メールが届いているか、エラーログに新しいエラーが出ていないかを見ます。月末だけ動く処理や、特定のページでしか使わない機能は、直後の確認では気づきにくいためです。

まとめ

エックスサーバーのPHPは、サーバーパネルの「PHP Ver.切替」でドメインごとに変更でき、選ぶのはマニュアルで「WordPress推奨」とされる8.3・8.4・8.5です。切り替えの前に今のバージョンを記録し、ファイルとデータベースを保存し、テスト用のコピーで試してから、1ドメインずつ切り替えます。不具合が出たら同じ画面で元のバージョンに戻し、戻らない場合は.htaccessと自動バックアップからの復元を確かめ、原因はテスト用のコピーで調べます。

切り替えと確認を社内で行う時間がない場合は、当社のPHP更新の代行で、PHPの更新と動作確認をお受けしています。料金は55,000円〜(税別。不具合の修正は別途お見積り)で、保守プラン(月2万円〜・税別)と同時にお申し込みの場合は半額です。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2026年10月27日 に公開し、2026年10月27日 に内容を確認・更新しました。