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サーバーのバックアップと復元:自動バックアップで足りる範囲と保管の決め方

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「サーバーに自動バックアップがあるので、うちのサイトは大丈夫」と考えている会社は少なくありません。ところが、改ざんに気づいたのが数週間後だった、間違えてメールまで古い状態に戻してしまった、といった場面では、サーバーの自動バックアップだけでは戻せないことがあります。

結論から言うと、サーバーの自動バックアップは直近2週間ほどの事故からサーバーの上で早く戻すための備えで、気づくのが遅れた改ざんやサーバーの契約・設備のトラブルに備えるには、サーバーとは別の場所に、複数の世代のバックアップを自社で決めたルールで保管する必要があります。

この記事では、サーバーの自動バックアップで戻せること・戻せないこと、エックスサーバーの自動バックアップの仕様(2026年10月時点)、復元の手順、保管のルールの決め方を解説します。WordPressのセキュリティ対策の中でのバックアップの位置づけは、WordPressのセキュリティ対策チェックリストで扱っています。

サーバーの自動バックアップで戻せること・戻せないこと

サーバーの自動バックアップで戻せるのは、保持期間(エックスサーバーでは14日分)の中で、バックアップの対象になっているデータだけです。

起きたことサーバーの自動バックアップで戻せるか理由と補う方法
プラグインを更新したら表示が崩れ、その日のうちに気づいた戻せる前日までのファイルとデータベースから戻せる。更新の直前に自分でもバックアップを取っておくと、より新しい状態に戻せる
ページや画像を誤って消し、数日後に気づいた保持期間の中なら戻せる保持期間を過ぎると戻せないため、気づいたらすぐに作業する
改ざんされていたことに1か月後に気づいた改ざんが14日より前に始まっていれば戻せない正常な状態がサーバーに残っていない。より古い世代を別の場所に保管しておく
POPで受信してサーバーから消えたメール、削除したメール戻せないバックアップの時点でサーバーに残っていないメールは保存されない。必要なメールはメールソフト側で保存する
データベースが壊れていた、テーブルの数が1,000を超えている戻せないバックアップの対象外。データベースは自分でも定期的にダウンロードする
サーバーの契約が切れた取り出せない契約が有効でない状態では、バックアップデータを申し込めない。契約の更新を会社で管理する
災害などでサーバーの設備そのものが使えないサービスによるXServerビジネスとXServer for WordPressには、別の場所に保存する遠隔地バックアップがある。自社でも別の場所に保管する

エックスサーバーのバックアップの説明には、サーバー会社が行うバックアップはデータの確実な保全を保証するものではなく、利用者自身でもバックアップを行うことを強く勧めると書かれています。WordPressのキャッシュのフォルダ、debug.log、PHPのセッションのファイルなども対象外です。サーバーの自動バックアップは「ないと困るが、それだけに頼らないもの」と考えます。

エックスサーバーの自動バックアップの仕様(2026年10月時点)

エックスサーバーとXServerビジネスは、Web・メールのデータとMySQLのデータベースを1日1回自動でバックアップして14日分を保持し、サーバーパネルから無料で取り出しと復元ができます。

項目エックスサーバーXServerビジネスXServer for WordPress
対象Web・メールのデータ、MySQLWeb・メールのデータ、MySQLWebのデータ、MySQL(メールの機能はない)
頻度と保持期間毎日・14日分(一部の古いサーバーはWeb・メールが7日分)毎日・14日分毎日・14日分
別の場所への保存機能一覧に記載なし遠隔地バックアップあり遠隔地バックアップあり
自分で作るバックアップデータベースを管理画面からダウンロードできる(1つ5GBまでが目安)データベースを管理画面からダウンロードできる(1つ5GBまでが目安)手動バックアップ(ベーシックは3個・30日、プランにより最大20個・60日)
取り出し・復元の費用無料無料復旧用のデータとして使える(方法と費用は公式の機能一覧で確認)

エックスサーバーとXServerビジネスでは、2020年9月24日から、それまで有料(5,000円・税抜)だったWeb・メールのデータの提供も無料になり、データベースを含めて取り出しと復元が無料でできます(エックスサーバーのお知らせ)。XServerビジネスとXServer for WordPressの遠隔地バックアップは、使っているサーバーとは別の場所にバックアップを保存して、災害などのときにも復旧に備える機能です(XServerビジネス 機能一覧、XServer for WordPress 機能一覧)。サイトとメールを同じサーバーで運用していて、サーバー会社の側でも別の場所にデータを置いておきたい場合は、XServerビジネスが候補になります。

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バックアップから復元する手順

復元は、問題が起きた時期を確かめて戻す日付を決め、今の状態を保存してから、ファイルとデータベースを同じ日付で戻すのが基本です。

  1. 何が、いつから起きているかを確かめる:表示の崩れ、改ざん、データの消失のどれか。いつの時点までは正常だったか
  2. 今の状態を保存する:改ざんの場合は、原因の調査に使うため、戻す前のファイルとデータベースも残しておく
  3. 戻す日付を選ぶ:問題が起きる前の日付を選ぶ。保持期間の14日を過ぎそうなら、すぐに作業する
  4. ファイルを戻す
  5. データベースを、ファイルと同じ日付で戻す
  6. 表示、問い合わせフォーム、管理画面へのログインを確かめる
  7. 原因に対処する:パスワードの変更、プラグインの更新や削除など。戻しただけでは同じことが起きる

WordPressの公式ドキュメント(Backups)は、一般的なWordPressサイトを元に戻すにはファイルとデータベースの両方が必要だとしたうえで、バックアップはデータベース→ファイルの順に取り、復元はファイル→データベースの順に行う方法を紹介しています。改ざんされたときの初動(公開を止めるかどうかの判断、証拠の保全、関係先への連絡など)は、ホームページが改ざん・乗っ取りされたときの対処で解説しています。

エックスサーバーでの復元の操作

Web・メールのデータは、サーバーパネルの「自動バックアップの取得・復元」で「自動バックアップデータから復元」を選び、戻すバックアップと復元の方法を選んで実行します(自動バックアップからのデータ復元)。「対象を指定して復元」を選ぶと、ドメインごとに「Web領域」(public_htmlの中)、「Web用設定ファイル」(public_html以外)、「メール領域」(mailの中)を分けて戻せます。データベースは、サーバーパネルの「MySQLバックアップ取得・復元」で、戻すデータベースとバックアップの日付を選び、処理の種類で「自動バックアップデータから復元」を選んで実行します(データベースの復元)。

  • 復元すると、対象のファイルはバックアップの内容で上書きされ、バックアップの日より後に作られたファイルは削除される
  • サイトの不具合を直したいだけなら、「Web領域」だけを選ぶ。全体を戻すとメール領域も上書きされ、バックアップの日より後に届いたメールが消えるおそれがある
  • バックアップの容量分の空きがサーバーにないと、復元に失敗することがある
  • データの量やサーバーの混み具合によって、復元に時間がかかることがある。進み具合は「履歴」で確かめる

どの日付に戻すか迷うときは、先に取り出して確かめる

どの日付に戻すか迷うときは、「自動バックアップデータの取得」でバックアップをサーバー上の「/userbackup」に取り出し、FTPなどでダウンロードして中身を確かめる方法があります(自動バックアップからのデータ取得)。取り出したデータは24時間で自動的に削除され、すでに取り出したデータがある場合は古いものが消えるため、必要なものはすぐにダウンロードします。この方法は、サーバーとは別の場所に保管する世代を作るときにも使えます。

保管のルールの決め方

保管のルールは「頻度」「世代数」「保管場所」「対象」「担当と記録」「復元テスト」の6つを決め、サーバーの自動バックアップとは別に、もう1か所以上へ保存します。

前述のWordPressの公式ドキュメントは、更新の少ない小規模なサイトは週1回、更新の多いサイトは毎日バックアップし、更新作業の前にも取ることを勧めています。また、直近の3〜5世代以上を、サーバー、クラウドストレージ、手元のパソコンなど別々の場所に置く例を挙げています。これをもとに、会社のサイトでは次のように決めます。

決めること目安補足
頻度更新の少ないサイトは週1回、お知らせや記事を頻繁に更新するサイトは毎日。WordPressやプラグインを更新する前にも取る問い合わせや予約のデータをサイトで受けている場合は、失ってよい期間から逆算する
世代数直近の3〜5世代以上改ざんは気づくまで時間がかかることがあるため、例:月1回分を数か月残すなど、古い世代も一部残す
保管場所サーバーとは別の場所にも置く(クラウドストレージ、社内のパソコンなど)同じサーバーの中だけに置くと、サーバーの障害や契約の終了で一緒に失う。公開フォルダ(public_html)の中に置いたままにしない
対象ファイル一式とデータベースを同じ時点でそろえる。メールは必要に応じてメールソフト側で保存するWordPressはファイルとデータベースの両方がないと元に戻せない
担当と記録誰が取るか、どこに置いたか、いつ取ったかを記録する保守を外注する場合は、頻度・保管場所・復元の費用を契約で確かめる
復元テスト年1回以上、実際に戻せるかを試すテスト用の環境に戻して表示を確かめ、かかった時間と手順を記録する

バックアップのデータベースには、問い合わせフォームの送信内容や会員の情報など、個人情報が含まれることがあります。保管先は閲覧できる人を絞り、保管の期間を決めて、不要になった古い世代は削除します。

よくあるご質問

サーバーの自動バックアップがあれば、別にバックアップを取らなくてもよいですか?

別にも取ることをお勧めします。サーバーの自動バックアップは、保持期間が14日分で、サーバーの契約や設備の状態に左右されます。サーバーの自動バックアップは直近の事故から早く戻すため、別の場所に置く世代はより古い時点に戻すためやサーバーそのものに問題が起きたときのため、と役割を分けて考えます。

自動バックアップから復元すると、メールも元に戻りますか?

全体を復元すると、メール領域も上書きされます。エックスサーバーでは、「対象を指定して復元」で「Web領域」だけを選べば、メールには影響しません。サイトの不具合を直すための復元では、メール領域を選ばないようにします。

14日より前のデータを、エックスサーバーから取り寄せることはできますか?

できません。提供できるのは、申し込みを確認した時点から14日前までのデータで、保管期間を過ぎたデータは提供されません。保管期間の終わりに近い日付のデータが必要な場合は、すぐに申し込みます。

エックスサーバーで、バックアップの取り出しや復元に費用はかかりますか?

かかりません。エックスサーバーとXServerビジネスの全プランで、Web・メールのデータとデータベースの取り出し・復元が無料です。

サーバーの契約が切れると、バックアップはどうなりますか?

契約が有効でない状態のサーバーでは、バックアップデータを申し込めません。更新の案内が担当者個人のメールアドレスに届いていて気づかなかった、ということがないよう、契約者は会社にし、更新の通知は会社の共有アドレスで受け取り、自動更新を設定するなどして期限を管理します。

まとめ

サーバーの自動バックアップで戻せるのは、保持期間(エックスサーバーでは14日分)の中の、対象になっているデータだけです。気づくのが遅れた改ざんや、サーバーの契約・設備のトラブルに備えるには、ファイルとデータベースをそろえて、サーバーとは別の場所に複数の世代を保管し、年1回以上は復元を試します。復元するときは、戻す日付を決めてから今の状態を保存し、エックスサーバーでは「Web領域」だけを選ぶなど、メールを巻き込まないように範囲を指定します。

当社のWEBサイト運用保守・集客改善では、保守ライト(月2万円〜・税別)で週次バックアップと復元、稼働監視(停止・改ざんの検知)、障害時の一次対応を行い、契約中のサイトが改ざんされたり表示されなくなったりした場合は、バックアップからの復元と原因の調査を行います。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

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この記事は 2026年10月27日 に公開し、2026年10月27日 に内容を確認・更新しました。