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Webデザインの最適化とは?見た目だけで終わらせない改善の進め方

公開 更新 読了 約13分

「デザインが古いので、おしゃれにしたい」「流行のデザインにリニューアルすれば、集客できるはず」と考えて、見た目の刷新を検討する会社は少なくありません。しかし、見た目を新しくしても、問い合わせや応募が増えないことはよくあります。原因の多くは、見た目ではなく、載せている情報や操作のしやすさにあります。

Webデザインの最適化とは、見た目を整えることではなく、サイトの目的と訪れる人に合わせて「載せる情報・並べる順番・操作のしやすさ・表示の速さ」を調整し、数字で確かめながら直し続けることです。

この記事では、Webデザインの最適化の意味、見た目だけのWebサイトでは成果が出ない理由、人の心を動かす情報とは何か、UI・UXの考え方、見せ方の手法の使いどころ、端末・表示速度・アクセシビリティへの対応、海外向けサイトでの考え方、改善の進め方までを解説します。

Webデザインの最適化とは

Webデザインの最適化とは、サイトの目的(問い合わせ、応募、資料請求など)と訪れる人(誰が、どの端末で、何を知りたいか)に合わせて、Webサイトの情報・構成・見た目・操作性・表示速度を調整することです。

Webデザインという言葉は色や写真の見た目だけを指すように思われがちですが、実際には、サイト全体の構成を決める情報設計から、画面のレイアウト、ボタンやメニューの操作性、スマートフォンでの表示、実装(コーディング)までを含む広い作業です。最適化は、これらを「目的に対して効いているか」という基準で見直すことを指します。

範囲主な内容最適化の観点
情報設計サイトマップ、ページ構成、載せる情報訪れた人の疑問に答える情報がそろっているか
導線メニュー、リンク、ボタンの配置目的のページや問い合わせまで迷わず進めるか
UI(画面の部品)ボタン、フォーム、文字の大きさ、配色押しやすく、読みやすく、分かりやすいか
端末対応スマートフォン・タブレット・パソコンでの表示どの端末でも崩れずに操作できるか
表示速度画像・動画の容量、プログラムの読み込み待たされずに表示されるか
アクセシビリティコントラスト、画像の代替テキスト、キーボード操作年齢や利用環境に関係なく使えるか

見た目だけのWebサイトでは成果が出ない理由

見た目だけを整えたWebサイトで成果が出ないのは、問い合わせや応募の数が「訪れる人の数」と「行動する人の割合」の掛け算で決まり、見た目はそのうちの一部にしか影響しないからです。

たとえば、月1,000人が訪れて1%が問い合わせれば、問い合わせは月10件です。デザインを整えて問い合わせ率が上がっても、検索で見つからなければ訪れる人は増えません。反対に、広告や検索で訪れる人を増やしても、ページで伝わらなければ問い合わせ率が下がり、件数は変わりません。デザインの最適化は、この掛け算のうち「行動する人の割合」を上げる取り組みで、集客の施策と同時に考える必要があります。

見た目を重視するあまり、使い勝手が悪くなっている例として、次のようなものがあります。

よくある例起きること
デザインに凝りすぎて、知りたい情報が見つからない比較の段階で候補から外れる
大きな画像や動画が多く、表示が遅い表示を待たずに離脱される
文字が小さい、背景との明るさの差が少ない読まれない。年齢の高い閲覧者ほど読みにくい
スマートフォンで表示が崩れるスマートフォンから訪れた人が離脱する
どれがリンクやボタンなのか分からない次のページや問い合わせに進めない
サイトの構造が分からない今どこにいるのか分からず、目的のページにたどり着けない
文章を画像の中に入れているスマートフォンで読みにくく、検索エンジンにも内容が伝わりにくい

Webサイトにおける「良いデザイン」とは、見た目がおしゃれなデザインではなく、集客や問い合わせといった目的に役立つデザインです。

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人の心を動かす情報とは

人の心を動かすのは、印象的な言葉や装飾ではなく、訪れた人が「自分の課題を解決してくれそうか」「この会社に任せて大丈夫か」を判断するための具体的な情報です。

BtoBの取引でも採用でも、訪れた人は複数の会社を比べながら検討しています。比べるときに使われるのは、「高品質」「お客様第一」といった抽象的な言葉ではなく、確かめられる事実です。デザインの最適化は、こうした情報を見つけやすく、読みやすく配置することから始まります。

情報の種類具体例置く場所の例
自分ごとだと思える課題「こんなことでお困りではありませんか」と、閲覧者の状況を言葉にするトップページ、サービスページの冒頭
根拠となる事実実績の件数、対応できる範囲、設備、資格・認証強みのページ、会社案内
具体的な事例どんな課題に、何をして、どうなったか導入事例・実績のページ
比較に使える情報料金の目安、期間、進め方、対応エリアサービスページ、料金ページ、よくある質問
人の顔と言葉代表メッセージ、担当者や社員の写真、お客様の声会社案内、事例、採用ページ
次にすること相談の流れ、問い合わせ後に何が起きるか問い合わせボタンの近く、フォームの前

とくに「次にすること」は見落とされがちです。問い合わせた後に営業の電話がかかってくるのか、まず資料が届くのか、相談は無料なのかが分からないと、行動をためらう人は少なくありません。

UIとUXの考え方

UIは画面の部品の使いやすさ、UXはサイトを通じて得られる体験全体のことで、良いUXはUIの細かな設計の積み重ねで生まれます。

UI(ユーザーインターフェース)

UIは、文字の書体や大きさ、配色、メニュー(グローバルナビゲーション)、ボタン、画像、フォームなど、利用者が画面上で目にして操作するものすべてを指します。UIデザインでは、次の3点を確認します。

  • 目的のコンテンツに迷わずたどり着けるか
  • 知りたいことに答える情報がそろっているか
  • 押す・入力する・戻るといった操作がしやすいか

UX(ユーザーエクスペリエンス)

UXは、サイトやサービスを利用する中で生まれる「使いやすい」「分かりやすい」「不安だった」「面倒だった」といった体験や感情のすべてです。Webサイトでいえば、次のような体験がUXにあたります。

  • 文字がちょうどよい大きさで、読みやすかった
  • 問い合わせボタンが分かりやすく、スマートフォンでも押しやすかった
  • フォームの入力項目が少なく、すぐに送信できた
  • スマートフォンで電話番号をタップすると、そのまま電話をかけられた
  • 問い合わせ後の返信が早く、丁寧だった

最後の例のように、UXはサイトの外の対応も含みます。サイトの改善とあわせて、問い合わせ後の対応の流れも見直すと効果が高まります。UXの詳しい解説はUXとは?UIとの関係をご覧ください。

見せ方の手法と使いどころ

フラットデザイン、ゴーストボタン、余白や配色のルールといった見せ方の手法は、それ自体が目的ではなく、「読みやすさ」と「押すべき場所の分かりやすさ」を高めるために使います。

フラットデザイン

立体的な影や質感を最小限にし、平面的な形と色で構成するデザインです。シンプルで読みやすく、画面の大きさが変わっても表示を調整しやすいことから、多くのサイトやアプリで使われています。ただし、平面的にしすぎると、どこが押せるボタンなのかが分かりにくくなります。ボタンにはわずかに影をつける、形や色で周囲と区別するなど、押せることが伝わる工夫を加えます。

ゴーストボタン

塗りつぶしがなく、枠線と文字だけで作るボタンです。写真や動画の上に置いても邪魔にならず、洗練された印象になります。一方で、背景に溶け込んで目立ちにくいため、問い合わせなど最も押してほしいボタンには塗りつぶしたボタンを使い、ゴーストボタンは「詳しく見る」などの補助的なボタンに使うと、優先順位が伝わります。

余白・行間・配色のルール

  • 要素の間に余白を取ると、まとまりが分かりやすくなり、伝えたい部分が目立つ
  • 本文に十分な行間を取ると、スマートフォンでも読み疲れしにくい
  • 使う色は、背景などのベース、企業らしさを表すメイン、ボタンなどのアクセントの3つの役割に絞る
  • 問い合わせボタンの色はサイト全体で統一し、ほかの装飾には使わない

シンプルな導線

「サービスの詳細を見て、気になることをよくある質問で確認し、問い合わせる」というように、訪れた人の行動の順番に沿ってリンクとボタンを置きます。気になることがあるのによくある質問が見当たらない、問い合わせフォームへの入口がページの最後にしかない、といった状態では、途中で探すのをやめてしまいます。導線の考え方はサイト「導線」とは?設計のポイントで解説しています。

端末・表示速度・アクセシビリティの最適化

デザインの最適化では、どの端末でも崩れずに操作でき、待たされずに表示され、年齢や環境にかかわらず読めることを、見た目と同じ重さで確認します。

  • スマートフォン対応:画面の大きさに合わせて表示を切り替えるレスポンシブデザインが基本です。Googleもモバイル対応の方法としてレスポンシブデザインを推奨しています。ボタンは指で押しやすい大きさにし、メニューや表がスマートフォンで使いやすいかを実機で確認します
  • 表示速度:画像の圧縮やWebPなどの軽い形式への変換、使っていないプログラムの削除で速くします。Googleは、読み込みの速さ(LCP)、操作への反応の速さ(INP)、表示のずれ(CLS)を「Core Web Vitals」という指標で示しています
  • アクセシビリティ:文字と背景のコントラスト、画像の代替テキスト(alt属性)、文字を大きくしても崩れないレイアウト、キーボードだけでも操作できるかを確認します。ウェブアクセシビリティの国際的なガイドライン(WCAG)では、通常の大きさの文字で4.5:1以上のコントラスト比が求められています(レベルAA)

海外向けサイトの最適化:日本と海外のデザインの違い

海外向けのサイトは、日本語のサイトを翻訳するだけでなく、閲覧者の文化や習慣に合わせて情報量・写真・色・表記を調整する「ローカライズ」が必要です。

一般に、日本のWebサイトは情報量が多く、メニューやリンク、バナーを多く並べる傾向があり、海外のサイトは大きな写真と短い文章で「何を伝えたいか」を絞る傾向があると言われます。どちらが正しいということではなく、閲覧者が慣れている見せ方に合わせることが大切です。海外向けのサイトでは、次の点を確認します。

  • 翻訳した文章が長くなったり短くなったりしても、レイアウトが崩れないか
  • その国・地域の人に意味が伝わる写真や色を使っているか
  • 日付・通貨・単位・住所の書き方が、現地の形式に合っているか
  • 問い合わせの手段や対応時間が、現地の閲覧者にとって使いやすいか

なお、複数の言語や地域に対応できる仕組みをあらかじめ作ることを「国際化(i18n)」、特定の言語や地域に合わせて内容を調整することを「ローカライズ(l10n)」と呼んで区別します。日本と海外のサイトデザインの比較は海外サイトと日本のデザインの比較で詳しく紹介しています。

Webデザインの最適化の進め方

最適化は、目的と指標を決め、数字で現状を確かめ、影響の大きいところから1つずつ直し、結果を測るという順番で、公開後も繰り返し行います。

  1. 目的と指標を決める:問い合わせ、資料請求、応募など、何を成果として数えるかを決め、GA4で計測できる状態にします。
  2. 現状を数字で確認する:GA4でページごとの閲覧数・離脱・問い合わせ数を、Search Consoleで検索結果での表示回数と流入キーワードを確認します。ヒートマップツールがあれば、ページのどこまで読まれ、どこがクリックされているかも確認します。
  3. 課題を切り分ける:そもそも人が来ていない(届いていない)のか、来ているのに行動されない(伝わっていない)のかを分けます。
  4. 優先順位をつけて直す:影響が大きく、手間の小さいものから着手します。たとえば、問い合わせボタンの位置と文言、フォームの項目数、スマートフォンでの表示、表示速度などです。
  5. 変更の前後を比べる:変更した日と内容を記録し、同じ指標で前後を比べます。可能であれば、ABテストで2つの案を比べます。

当社の運用保守・集客改善では、月次レポートで「伝わっていないのか、届いていないのか」を切り分け、その月に直す項目を決めて改善を続けています。アクセス解析の数字の使い方はアクセス解析でCVR改善で解説しています。

よくあるご質問

Webデザインの最適化について、よくいただくご質問にお答えします。

Webデザインの最適化は、リニューアルしないとできませんか?

リニューアルしなくてもできることは多くあります。問い合わせボタンの文言や位置、フォームの項目数、よくある質問の追加、事例の追加、画像の圧縮などは、今のサイトのまま改善できます。サイトの構造やデザインのルールそのものに問題がある場合や、更新の仕組み(CMS)が古く修正が難しい場合は、リニューアルを検討します。

社内でも取り組める最適化には、何がありますか?

スマートフォンの実機で自社サイトを操作し、問い合わせまで迷わず進めるかを確かめることから始められます。そのうえで、古い情報の更新、実績や事例の追加、よくある質問の追加、写真の差し替え、フォームの不要な項目の削除などは、社内で取り組みやすい改善です。

どの数字を見れば、最適化の効果が分かりますか?

最も重要なのは、問い合わせや応募などの成果の数と、訪問数に対する成果の割合です。GA4では、成果にあたる行動を「キーイベント」として設定して計測します。あわせて、トップページから主要なページに進んだ割合、問い合わせフォームのページに到達した数と送信された数を見ると、どこで止まっているかが分かります。

日本のサイトは、情報が多すぎるのでしょうか?

情報が多いこと自体が悪いわけではありません。BtoBの取引では、比較や社内での説明のために詳しい情報が必要とされる場面も多くあります。問題は、情報が整理されずに並んでいて、知りたいことが見つからない状態です。見出しで区切る、表にまとめる、詳細は別のページに分けるといった工夫で、情報量と読みやすさは両立できます。

まとめ

Webデザインの最適化は、見た目を新しくすることではなく、目的と訪れる人に合わせて情報・導線・操作性・表示速度を整え、数字で確かめながら改善を続けることです。

  • 成果は「訪れる人の数」と「行動する人の割合」の掛け算で決まり、見た目はその一部にしか影響しない
  • 人の心を動かすのは、課題への共感、根拠となる事実、事例、比較に使える情報、人の顔、次にすることといった具体的な情報
  • UIの細かな設計の積み重ねが、良いUXを生む
  • フラットデザインやゴーストボタンなどの手法は、読みやすさと押す場所の分かりやすさのために使う
  • 端末、表示速度、アクセシビリティ、海外向けの表記も最適化の対象
  • 目的と指標を決め、数字で確かめ、1つずつ直すことを公開後も繰り返す

当社のWEBサイト運用保守・集客改善では、アクセス解析と検索の数字から課題を切り分け、月次レポートで翌月に直す項目をご提案しています。今のサイトのどこから直せばよいかを知りたい場合も、お気軽にご相談ください。

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フェニックスデザイン株式会社WEB制作会社が運営するナレッジベース編集部

コーポレートサイト・採用サイト・サービスサイトの制作と、公開後の運用保守・集客改善の現場で得た知見をもとに、発注する側の視点で記事を制作・更新しています。運営会社の所在地・事業内容は会社案内、制作の考え方はブランディング×マーケティング論をご覧ください。

この記事は 2022年11月15日 に公開し、2026年10月23日 に内容を確認・更新しました。