制作会社から「まずサイトマップを作りましょう」と言われた。SEO の記事を読むと「XML サイトマップを Search Console に送信する」と書いてある。サイトの下の方には「サイトマップ」というページへのリンクがある。同じ「サイトマップ」という言葉が別のものを指しているため、何を誰が作ればよいのか分からなくなる発注者は少なくありません。
Contents
サイトマップとは:3つの意味の違い ページ構成図(制作用のサイトマップ)の作り方 ページ構成図の見本(例:従業員50名の部品加工メーカー) HTML サイトマップの作り方と、必要なサイト XML サイトマップの作り方 XML サイトマップが必要なサイトと、なくてもよいサイト Google が定めている XML サイトマップのルール WordPress の場合 Search Console での XML サイトマップの送信と確認 サイトマップでよくある間違いと確認ポイント よくあるご質問 XML サイトマップを送信すると検索順位は上がりますか? 10ページほどの小さなサイトでも XML サイトマップは必要ですか? ページ構成図は発注者が作るものですか? HTML サイトマップはどこに置けばよいですか? まとめ
「サイトマップ」には、制作の設計で作る「ページ構成図」、サイト上に置く利用者向けの「HTML サイトマップ」、検索エンジンに渡す「XML サイトマップ」の3つがあり、発注者が中身に関わるのはページ構成図で、XML サイトマップは WordPress などで自動生成して Search Console から送信すれば足ります。
この記事では、3つのサイトマップの違い、ページ構成図の作り方と見本、HTML サイトマップが必要なサイトと作り方、XML サイトマップの作成と Search Console での送信・確認の手順、よくある間違いを、Google の公式ドキュメントで確認した内容をもとに解説します(2026年10月時点)。
サイトマップとは:3つの意味の違い
サイトマップは「サイトの全体像を一覧にしたもの」という意味の言葉で、使う場面によって、制作の設計図・利用者向けのページ・検索エンジン向けのファイルの3つを指します。
種類 何のために作るか 誰が見るか 形式 いつ・誰が作るか
ページ構成図(制作用のサイトマップ) ページの数・階層・つながりを関係者で合意し、見積もりとデザインの前提にする 発注者と制作会社 表計算ソフトの一覧、ツリー図 情報設計の段階(デザインの前)。制作会社が作り、発注者が確認・承認する
HTML サイトマップ 利用者が目的のページを探せるようにする サイトの利用者 サイト内の Web ページ(リンクの一覧) 公開時に制作会社が作る。ページを追加したら更新する(自動更新の仕組みもある)
XML サイトマップ 検索エンジンに、検索結果に出したいページの URL と更新日を伝える Googlebot などのクローラー XML 形式のファイル 公開時に設置する。多くの CMS が自動で作り、更新する
「サイトマップは2種類(HTML と XML)」と説明されることも多いですが、ホームページの制作を発注する立場では、設計の段階で作るページ構成図を加えた3つで考えると混乱しません。制作会社との打ち合わせで「サイトマップ」という言葉が出たら、どれのことかを確かめましょう。
ページ構成図(制作用のサイトマップ)の作り方
ページ構成図は、目的と閲覧者を決めたうえで、載せる情報を洗い出し、グループに分けて階層と URL を決める順で作り、形式は表計算ソフトの一覧で十分です。
目的と閲覧者を書き出す:例:見積もり依頼を増やす。閲覧者は取引を検討する購買・技術の担当者、求職者、取引先。
載せる情報を洗い出す:今のサイト、会社案内、営業資料、展示会のパネル、営業がよく受ける質問から、載せたい情報を付箋や一覧に書き出します。
グループに分けてページにする:近い情報をまとめ、1ページ1テーマを目安にページ名を付けます。ページ名は社内の呼び方ではなく、閲覧者が探す言葉にします(例:「技術紹介」より「加工技術」)。
階層を決める:第1階層がグローバルナビゲーション(サイト上部のメニュー)になります。主要なページにはトップページから2〜3回のクリックで行けるようにします。
URL を決める:英小文字で短く、内容が分かる語にします。リニューアルの場合は、今の URL と新しい URL の対応表もここで作ります。
各ページの役割を書き添える:誰に何を伝えるページか、対策キーワード、最後に促す行動(問い合わせ・資料ダウンロードなど)、原稿の事実を確認する社内の担当者を一覧に加えます。
ページ構成図の見本(例:従業員50名の部品加工メーカー)
BtoB の製造業のコーポレートサイトを想定した見本です。会社名・URL は例です。表計算ソフトにこの列で書けば、そのまま制作会社との打ち合わせに使えます。
階層 ページ名 URL(例) 役割・載せる内容 最後に促す行動
1 トップ / 何をしている会社か、強み、主な製品と実績、各ページへの入口 製品ページへ・問い合わせ
1 製品・加工技術 /products/ 対応できる加工と材質の一覧 各製品ページへ
2 切削加工 /products/cutting/ 対応サイズ・精度・ロット、加工例 見積もり依頼(図面添付)
2 試作・小ロット /products/prototype/ 対応できる数量と納期の目安、依頼の流れ 見積もり依頼
1 設備一覧 /facilities/ 設備名・台数・加工範囲 見積もり依頼
1 品質管理 /quality/ 検査体制・測定機器・認証 資料ダウンロード
1 導入事例 /cases/ 課題 → 提案 → 結果の事例(掲載許可を得たもの) 問い合わせ
1 会社案内 /company/ 会社概要・代表挨拶・沿革・拠点 採用情報へ
2 会社概要 /company/profile/ 社名・所在地・設立・資本金・事業内容 ―
1 お知らせ /news/ 展示会出展、休業日、新設備の導入 ―
1 採用情報 /recruit/ 募集職種・仕事内容・働く環境 応募
1 よくあるご質問 /faq/ 図面がない場合の相談、最小ロット、納期 問い合わせ
1 資料ダウンロード /download/ 会社案内・設備リストの PDF ダウンロード
1 お問い合わせ /contact/ 見積もり依頼と一般の問い合わせのフォーム 送信
フッター プライバシーポリシー・サイトマップ /privacy/・/sitemap/ 個人情報の取り扱い、全ページの一覧 ―
この一覧で決めておくと、後の工程が楽になります。
ページ数:見積もりの金額はページ数で大きく変わるため、一覧があると見積もりを比べやすくなります。
URL:公開後に URL を変えると、リダイレクトの設定が必要になります。最初に決めておけば変更が少なくなります。
原稿の担当:ページごとに事実を確認する担当者を決めておくと、原稿の確認が止まりません。
当社の制作では、情報設計・ワイヤーフレームの工程(2週間が目安)で、検索キーワードの調査をもとにサイトマップとページ構成を決め、全ページのワイヤーフレームと対策キーワード一覧とあわせて確認・承認いただいています。必要なページの選び方は「コーポレートサイトに必要なページ構成一覧 」、構成図から導線や計測まで決める設計の全体は「サイト設計とは? 」で解説しています。
Service
運用保守・集客改善のご相談はフェニックスデザインへ ナレッジベースを運営するフェニックスデザインが、今のサイトの数字を見るところから対応します。URLを入れるだけの無料簡易診断から。
HTML サイトマップの作り方と、必要なサイト
HTML サイトマップは、サイトの全ページを利用者向けに一覧にしたページで、ページ数が多いサイトや、閲覧者によって探し方が違うサイトでは置く価値があり、10ページ前後でメニューから全ページに行けるサイトでは、ほかの手段で代わりになることもあります。
アクセシビリティの国際的なガイドラインである WCAG 2.1 では、達成基準 2.4.5「複数の手段」(レベル AA)で、ページを探す手段を2つ以上用意することを求めており、その方法の1つとしてサイトマップが挙げられています。ほかの方法には、サイト内検索、関連するページへのリンク、目次、トップページから全ページへのリンクなどがあります(W3C:Understanding Success Criterion 2.4.5 )。公共団体や、アクセシビリティへの対応を求められるサイトでは、HTML サイトマップかサイト内検索のどちらかを用意しておくと、この基準を満たしやすくなります。
作り方 向いているサイト 注意すること
固定のページとして作る ページ数が少なく、追加があまりないサイト ページを追加・削除したときに更新を忘れやすい
CMS のテーマの機能で自動生成する お知らせや事例など、ページが増え続けるサイト 載せたくないページ(サンクスページなど)が出ないように設定する
WordPress のプラグインで自動生成する テーマに機能がない WordPress のサイト 最終更新日と、使っている WordPress のバージョンでの動作確認を見てから選ぶ。プラグインは必要なものに絞る
作るときは、次の点をそろえると使いやすくなります。
ページ構成図と同じ階層・同じページ名にする
閲覧者が多いサイトは、グループに閲覧者向けの名前を付ける(例:「お取引をご検討の方」「採用をご検討の方」)
フッター(ページの一番下)からリンクする
フォームの送信完了ページ、テストページ、公開を終えたページは載せない
XML サイトマップの作り方
XML サイトマップは、検索結果に出したいページの URL を一覧にしたファイルで、WordPress では標準の機能か SEO 系のプラグインが自動で作るため、手作業で書く必要はほとんどありません。
XML サイトマップが必要なサイトと、なくてもよいサイト
Google は、サイトマップが特に役立つ場合として、サイトが大きい場合、新しく外部からのリンクが少ない場合、動画や画像が多い・Google ニュースに表示されている場合を挙げています。反対に、検索結果に出したいページがおよそ500ページ以下の小さなサイトで、内部リンクから全ページに行ける場合は、なくてもよい可能性があるとしています。ただし、ほとんどの場合はサイトマップを用意すると有益だとも説明しているため、中小企業のサイトでも設置しておくのが一般的です(Google 検索セントラル:サイトマップについて )。
なお、サイトマップは Google にページの存在を伝える手段で、送信しても、すべての URL がクロールされたり、検索結果に登録されたりする保証はありません。検索順位を上げるためのものではない点にも注意します。
Google が定めている XML サイトマップのルール
項目 Google の説明(要約)
サイズの上限 1つのサイトマップで圧縮前 50MB または 50,000 URL まで。超える場合は分割し、サイトマップ インデックス ファイルでまとめる
URL の書き方 「https://example.co.jp/company/」のように、ドメインから書いた完全な絶対 URL で書く
載せる URL 検索結果に表示したい正規の URL だけを載せる。同じ内容のページが複数の URL にある場合は、1つを選んで載せる
文字コード UTF-8 でエンコードする
lastmod(最終更新日) ページの重要な更新の日時を入れる。正確で一貫していると確認できる場合に使われる。著作権表記の年の変更などは重要な更新にあたらない
priority・changefreq Google はこの2つの値を使わない
置き場所 サイトのルート(トップの階層)に置くことがすすめられている
出典:Google 検索セントラル:サイトマップの作成と送信
WordPress の場合
WordPress は、バージョン 5.5 から XML サイトマップを標準で出力します。サイトマップ インデックスは「/wp-sitemap.xml」に置かれ、公開している投稿タイプとタクソノミー(カテゴリーなど)、著者のアーカイブ、ホームページが含まれます。WordPress が出力する robots.txt にもサイトマップの場所が書き込まれます(Make WordPress Core:New XML Sitemaps Functionality in WordPress 5.5 )。
管理画面の「表示設定」で、検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする設定にしていると、標準のサイトマップは無効になります。テスト環境のときの設定のまま公開していないか、公開時に確認します。
SEO 系のプラグインを入れていると、プラグインが別の URL にサイトマップを出し、標準のサイトマップを止めていることがあります。どの URL のサイトマップを使っているかを制作会社に確認し、Search Console にはその1つを送信します。
お礼ページや、検索結果に出す必要のない投稿タイプが含まれていないかを、サイトマップを開いて確認します。
WordPress 以外の CMS でも、サイトマップを自動で用意しているものが多くあります。CMS が作らない場合は、制作会社に作成と更新の方法を相談します。
Search Console での XML サイトマップの送信と確認
XML サイトマップの送信は、Search Console の「サイトマップ」レポートに URL を入力するだけで、送信後は「ステータス」と「検出されたページ数」を確認し、実際の登録状況は「ページのインデックス登録」レポートで見ます。
サイトマップの URL をブラウザで開き、ページの URL の一覧が表示されることを確認します(例:https://example.co.jp/wp-sitemap.xml)。
Search Console で、そのサイトのプロパティのオーナー権限を持っているかを確認します。サイトマップ レポートでの送信にはオーナー権限が必要です。
Search Console 上部の検索窓(URL 検査)にサイトマップの URL を入れ、「公開 URL をテスト」でページの取得が成功することを確かめます。
左のメニューの「サイトマップ」を開き、「新しいサイトマップの追加」にサイトマップの URL を入力して「送信」を押します。
送信済みのサイトマップの一覧で、ステータスと検出されたページ数を確認します。
ステータス 意味 対処
成功 エラーなく読み込まれ、URL がクロールの対象に加わった そのままでよい。登録状況はページのインデックス登録レポートで確認する
エラーがあります 読み込めたが、1つ以上のエラーがある。エラーのない URL は処理される クリックしてエラーの一覧を見て、制作会社に修正を依頼する
取得できませんでした 何らかの理由でサイトマップを取得できなかった URL の誤り、アクセスの制限、サーバーのエラーを確認し、直してから再送信する
出典:Search Console ヘルプ:サイトマップ レポート
「検出されたページ数」は、サイトマップに書かれていた URL の数で、検索結果に登録されたページの数ではありません。登録されたかは、ページのインデックス登録レポートをそのサイトマップで絞り込んで確認します。サイトマップを大きく変えたときは再送信がすすめられていますが、それ以外は Google の通常の再クロールに任せて問題ないとされています。オーナー権限がない場合は、robots.txt に「Sitemap:」の行でサイトマップの URL を書く方法もあります。
以前は、決まった URL にアクセスしてサイトマップの更新を知らせる「ping」という方法もありましたが、Google は2023年6月にこの受け付けを終了すると発表しています(Google Search Central Blog )。古い記事やプラグインの説明にある「更新を自動で通知」という機能を前提にしないようにします。
当社も自社サイトのリニューアルの後に、Search Console でサイトマップを再送信し、主要なページの登録をリクエストしました。登録のリクエストには1日の上限があるため、数日に分けて行っています。送信したのに登録されないページがある場合の考え方は「「インデックス登録されましたがサイトマップに送信していません」の解決方法 」や「Googleでインデックスされないのはなぜ? 」で解説しています。
サイトマップでよくある間違いと確認ポイント
サイトマップの間違いの多くは、3つの意味の取り違えと、公開時の設定の確認漏れから起きるため、公開前と公開直後に次の点を確認します。
よくある間違い 起きること 確認・対処
ページ構成図を作らないまま、デザインの相談を始める ページ数が決まらず、見積もりやデザインがやり直しになる デザインの前にページ構成図を承認する
テスト環境の「インデックスしない」設定のまま公開する 標準のサイトマップが無効になり、検索エンジンにもインデックスしないよう求めたままになる 公開日に表示設定と robots.txt を確認する
WordPress 標準とプラグインの2つのサイトマップを送信する どちらを見ればよいか分からなくなる 使っているサイトマップを1つに決めて送信する
テスト環境の URL や「http://」の URL が入っている 不要な URL がクロールの対象になる サイトマップを開いて URL の先頭を確認する
削除したページや転送元の旧 URL が残っている Search Console でエラーや警告が出る リニューアル後は新しい URL だけになっているか確認する
送信したら検索結果に出ると考える 登録されないページの原因を見落とす ページのインデックス登録レポートで、登録されない理由を確認する
よくあるご質問
XML サイトマップを送信すると検索順位は上がりますか?
上がるものではありません。XML サイトマップは、Google にページの URL と更新日を伝える手段で、送信してもすべての URL がクロール・登録される保証はありません。検索結果に表示されるかどうかは、ページの内容やサイトの内部リンクなども含めて判断されます。
10ページほどの小さなサイトでも XML サイトマップは必要ですか?
Google は、検索結果に出したいページがおよそ500ページ以下で、内部リンクから全ページに行けるサイトでは、なくてもよい可能性があるとしています。ただし、WordPress などでは自動で作られ、手間もほとんどかからないため、設置して Search Console に送信しておくのがおすすめです。
ページ構成図は発注者が作るものですか?
制作会社が作り、発注者が確認・承認するのが一般的です。ただし、載せたい情報やページの案を発注者が表計算ソフトで下書きしておくと、ヒアリングと見積もりが早く進みます。この記事の見本の列を使って書き出してみてください。
HTML サイトマップはどこに置けばよいですか?
全ページのフッターからリンクするのが一般的です。ページ数が少なく、メニューから全ページに行けるサイトでは必須ではありませんが、サイト内検索がない大きなサイトや、アクセシビリティへの対応を求められるサイトでは用意しておくと探しやすくなります。
まとめ
サイトマップは、ページ構成図・HTML サイトマップ・XML サイトマップの3つを分けて考えると、何を誰が作るかがはっきりします。
ページ構成図は、目的と閲覧者を決め、情報を洗い出してグループに分け、階層と URL を決めて、デザインの前に承認する
HTML サイトマップは、ページ数が多いサイトや探し方が多様なサイトで用意し、フッターからリンクする
XML サイトマップは、検索結果に出したい正規の URL だけを載せ、WordPress では標準機能かプラグインのどちらか1つを使う
Search Console の「サイトマップ」レポートで送信し、ステータスとページのインデックス登録レポートで登録状況を確認する
公開日には、「インデックスしない」設定が残っていないかを必ず確認する
当社のコーポレートサイト制作では、情報設計の工程でサイトマップ・ワイヤーフレーム・対策キーワード一覧を作って合意し、実装の工程で XML サイトマップと構造化データを設定しています。ページ構成から相談したい方は、コーポレートサイト制作 のページで内容と料金をご確認ください。
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