Webサイトの制作を依頼すると、制作会社から「デザインをFigmaで共有します」とリンクが届くことがあります。Figmaを使ったことがないと、アカウントは必要なのか、料金はかかるのか、どこを見て、どうやって修正を伝えればよいのか、戸惑うかもしれません。
Contents
Figmaとは Figmaの主な製品と機能 Figmaは日本語に対応している? Adobe XDとの違いと現状 Figmaの料金プラン:発注者は無料で参加できる シート(利用者の権限)の種類 Figmaのはじめ方:アカウント作成からファイルを開くまで デザインデータの見方 プロトタイプで動きと画面の流れを確かめる コメントで修正を依頼する方法と書き方 コメントの付け方 伝わる修正依頼の書き方 知っておくと話が早いFigmaの用語 社内担当者がFigmaでできる簡単な作業 Figmaを使うときの注意点 よくあるご質問 Figmaのアカウントは必要ですか? 無料のスタータープランのまま使い続けられますか? Figmaのデザインデータは納品してもらえますか? Figmaで作ったデザインを、そのままWebサイトとして公開できますか? まとめ
発注者や社内担当者がFigmaで覚えることは「デザインを見る」「プロトタイプで動きを確かめる」「コメントで修正を伝える」の3つで十分で、閲覧とコメントは無料で行えます。
この記事では、Figmaとは何か、日本語への対応、Adobe XDの現状、料金プランと「シート」の違い、アカウントの作り方、デザインデータの見方、プロトタイプの確認方法、コメントでの修正依頼の書き方、知っておくと話が早い用語、社内担当者ができる簡単な作業、使うときの注意点を、2026年10月時点の公式情報をもとに解説します。
Figmaとは
Figmaは、Webブラウザ上で動くクラウド型のデザインツールで、複数の人が同じデザインデータを同時に見て、編集し、コメントでやり取りできることが最大の特徴です。
従来のデザインソフトは、パソコンにインストールしたソフトでデータを作り、画像やPDFに書き出してメールで送る、という使い方が一般的でした。Figmaでは、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートと同じようにデータがクラウド上にあり、URLを共有するだけで相手が最新のデザインを見られます。WindowsでもMacでもブラウザから使え、デスクトップアプリも用意されています。こうした共有のしやすさから、Webサイトやアプリの画面デザインに、多くの制作会社が使っています。
Figmaの主な製品と機能
Figmaには、画面デザインのツールのほかにも複数の製品があります。2026年10月時点の主なものは次のとおりです。
製品・機能 できること 発注者との関係
Figma Design Webサイトやアプリの画面デザイン、プロトタイプ(画面の移り変わりを再現した試作)の作成 制作会社から共有されるデザインデータの多くはこれ
FigJam オンラインのホワイトボード。付箋や図で意見を出し合える サイトの目的や構成を整理する打ち合わせで使われることがある
Dev Mode エンジニアが、デザインの寸法・色・書き出し方法を確認するための表示 発注者が直接使うことは少ない
Figma Slides プレゼンテーション資料の作成 提案書や報告資料の共有に使われることがある
Figma Make 文章で指示すると、動くプロトタイプやWebアプリの試作を作るAI機能 構想の段階でイメージを共有するときに使われることがある
Figma Sites デザインからWebサイトを作って公開する機能(2026年10月時点ではベータ版) サイトの作り方の選択肢の一つ
このほか、デザイン作業を補助するAI機能の追加も続いています。製品の構成や提供状況は変わりやすいため、詳しくは公式サイトで最新の情報を確認してください。
Figmaは日本語に対応している?
対応しています。Figmaの画面表示は2022年7月に日本語に対応し、2026年10月時点では、英語・日本語・韓国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語(ブラジル)から選べます。ブラウザ版での切り替え手順は次のとおりです(Figma公式ヘルプ:言語の変更 )。
ファイル一覧の画面で、左上の自分のアイコン(アバター)をクリックする
「設定」を選び、「言語」の項目で「言語を変更」をクリックする
「日本語」を選んで保存する
ファイルを開いている画面の右下にあるアイコンからも、言語を変更できます。日本語の書体も使えます。Google Fontsにある和文フォント(Noto Sans JPなど)はそのまま使え、パソコンにインストールしているフォントも、ブラウザ版ではFigmaのフォントインストーラーを入れると使えるようになります。手順はFigmaでフォントを綺麗に見せる方法とローカルフォントの利用方法 で解説しています。
Adobe XDとの違いと現状
以前はWebデザインのツールとしてAdobe XDも広く使われていましたが、2026年10月時点で、アドビの公式ページには「Adobe XD は現在メンテナンスモードです」と表示されています(Adobe XD 公式ページ )。単体プランの販売も2023年1月に終了したと報じられています(窓の杜 )。これから新しく導入するツールとしては選びにくい状況です。XDで作った既存のデザインデータがある場合は、今後の修正をどのツールで行うかを制作会社と確認しておくと安心です。
Figmaは、ブラウザで開ける、URLで共有できる、コメントがデザインの該当箇所に残る、という点で、発注者と制作会社のやり取りに向いています。
Figmaの料金プラン:発注者は無料で参加できる
Figmaには無料のスタータープランと3つの有料プランがあり、有料プランでは「シート」と呼ばれる利用者ごとの権限に料金がかかりますが、デザインを見てコメントするだけの発注者は無料で参加できます。
2026年10月時点の公式料金ページ(米ドル表示)の内容を整理すると、次のとおりです(Figma 料金プラン )。料金や条件は変わることがあるため、契約する前に公式ページで確認してください。
プラン 料金(フルシート1人あたり) 主な対象・特徴
スターター 無料 個人での利用や試用向け。チームで共有できるのは1チーム・1フォルダ・3ファイルまで。バージョン履歴は30日分。共有ライブラリやDev Modeは使えない
プロフェッショナル 月16ドル〜 小規模なチーム向け。ファイル数の制限がなくなり、デザインの部品を共有するライブラリなどが使える
ビジネス(英語版ではOrganization) 月55ドル(年払い) 組織全体でデザインやライブラリを一元管理したい企業向け
エンタープライズ 月90ドル(年払い) 大規模な組織向け。高度なセキュリティと管理機能
スタータープランの制限はFigma公式ヘルプのプラン比較 に記載されています。
シート(利用者の権限)の種類
有料プランでは、利用者ごとに次の4種類の「シート」を割り当てます(Figma公式ヘルプ:シートの種類 )。
シート できること 料金(プロフェッショナルの場合) 向いている人
閲覧(View) アクセスできるファイルの閲覧とコメント 無料 デザインを確認する発注者・決裁者
コラボ(Collab) FigJamとFigma Slidesでの作成、閲覧とコメント 月3ドル〜 打ち合わせのボードや資料を一緒に作る担当者
Dev Dev Modeの利用、FigJamでの作成 月12ドル〜 実装を担当するエンジニア
フル Figma Designでの編集を含むすべての機能 月16ドル〜 デザインを作る・直す人、社内で画像を編集する担当者
制作会社が自社のアカウントでデザインを作り、発注者を招待する場合、発注者側は閲覧の権限で十分です。社内でバナーなどのデザインを編集したい場合は、フルシートが必要になります。
Service
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Figmaのはじめ方:アカウント作成からファイルを開くまで
制作会社から共有されたデザインを見るには、届いたリンクを開き、無料のアカウントを作るだけで始められます。
招待メールまたは共有リンクを受け取る :制作会社から、メールでの招待か、ファイルのURLが届きます。
ブラウザでリンクを開く :Google Chrome、Microsoft Edge、Safariなどのブラウザで開きます。ソフトのインストールは不要です。
アカウントを作成してログインする :メールアドレスかGoogleアカウントで登録します。招待メールが届いたアドレスと同じアドレスで登録すると、招待された権限がそのまま反映されます。
表示を日本語に切り替える :前述の手順で言語を変更します。
ファイルを開く :一覧から共有されたファイルを開きます。頻繁に使う場合は、デスクトップアプリを入れてもかまいません。
デザインデータの見方
Figmaのファイルは、大きな作業領域(キャンバス)の上に画面(フレーム)が並んでいる構造で、拡大・縮小しながら確認したい画面を探して見ます。
ページ :画面左側のページの一覧で、「トップページ」「下層ページ」「スマートフォン」などに分けられていることが多くあります
フレーム :1つの画面にあたる枠です。パソコン用とスマートフォン用が並べて置かれているのが一般的です
レイヤー :画面左側の一覧で、文字・画像・図形などの部品の重なりを確認できます。発注者は見なくても問題ありません
確認のときに覚えておくと便利な操作は次のとおりです(WindowsのCtrlキーは、Macでは⌘キーです)。
操作 方法
画面を移動する スペースキーを押しながらドラッグ、またはトラックパッドやマウスでスクロール
拡大・縮小する Ctrlキーを押しながらマウスのホイールを回す、または倍率の表示から選ぶ
すべての画面が収まるように表示する Shift+1
選んだ部分に合わせて拡大する Shift+2
等倍(100%)で表示する Shift+0
コメントを書く Cキー、またはツールバーの吹き出しのアイコン
デザインは等倍(100%)で表示すると、実際の画面に近い大きさで、文字の読みやすさを確認できます。
プロトタイプで動きと画面の流れを確かめる
プロトタイプは、ボタンを押すと次の画面に移るといった動きを再現した試作版で、実際のサイトに近い感覚で「迷わず目的のページにたどり着けるか」を確かめられます。
ファイルを開いて画面右上の再生ボタン(▷)をクリックする、または制作会社から届いたプロトタイプ用のリンクを開く
表示された画面で、ボタンやメニューをクリックし、画面の移り変わりを確認する。押せない場所をクリックすると、押せる箇所が青く示される
スマートフォン用のプロトタイプは、スマートフォンでリンクを開くと、実際の画面の大きさで確認できる
プロトタイプは本番のサイトではないため、すべてのリンクがつながっているとは限りません。確認する前に、「どの画面の、どの流れを見てほしいか」を制作会社に聞いておくと効率的です。
コメントで修正を依頼する方法と書き方
修正の依頼は、メールや電話で伝えるより、Figmaのコメント機能で該当する場所に直接書き込むほうが、「どこを、どう直すか」の行き違いが減ります。
コメントの付け方
ツールバーの吹き出しのアイコンをクリックする(またはCキーを押す)
修正してほしい場所をクリックし、内容を書いて送信する
特定の人に知らせたいときは、「@」に続けて名前を入れる(メンション)
対応が終わったコメントは解決済みにして、未対応のものと区別する
伝わる修正依頼の書き方
コメントは、1つの指摘につき1件とし、「何を」「どうしたいか」「なぜか」を書くと、制作会社が意図をくみ取りやすくなります。
伝わりにくい例 伝わりやすい例
「もう少し目立たせてください」 「問い合わせボタンが写真に埋もれて見えにくいので、背景との差がはっきりする色にしてください」
「なんとなくイメージと違います」 「全体に暗い印象です。設計書で決めた『親しみやすさ』に合うよう、写真をもう少し明るいものにできますか」
複数の指摘を1件のコメントにまとめて書く 指摘ごとにコメントを分け、該当する文字や画像の上に付ける
「社名が違う」 「正式な社名は『株式会社〇〇』です(『株式会社』が前)。会社概要の表記も同様に直してください」
社内の複数の人が、それぞれ別々に指示を書き込む 担当者が社内の意見を取りまとめ、矛盾がない状態にしてから書き込む
また、「事実の誤り(社名・数字・制度など)」と「見た目の好み」を分けて書くと、制作会社が優先順位をつけやすくなります。見た目についての指摘は、合意したコンセプトや設計書に照らして伝えると、好みの押し付け合いになりません。
知っておくと話が早いFigmaの用語
Figmaの用語をいくつか知っておくと、制作会社の説明が理解しやすくなり、修正の依頼もしやすくなります。
用語 意味 発注者にとっての意味
フレーム 画面や部品をまとめる枠 「トップページのPC版のフレーム」のように、確認する画面を指すときに使う
オートレイアウト 中身の量に合わせて、要素の並びや余白を自動で調整する機能 文字の量が変わってもレイアウトが崩れにくく、修正が速い
コンポーネント ボタンや見出しなど、何度も使う部品を登録したもの 元の部品(メインコンポーネント)を直すと、使っている全画面に反映される
インスタンス コンポーネントを複製して配置した部品 個別に変更した部分は、元の部品を直しても反映されないことがある
バリアント 1つの部品に、色や大きさの違うパターンをまとめたもの ボタンの通常時とマウスを重ねたときの見た目などを整理できる
スタイル・変数 色や文字の大きさなどの設定を、名前を付けて登録したもの 「メインカラーを変える」修正を、サイト全体に一度で反映できる
プロトタイプ 画面の移り変わりやクリックの動きを再現した試作 本番の前に、操作の流れを確認できる
バージョン履歴 ファイルの過去の状態の記録 以前の案に戻したいときに使える(スタータープランでは30日分)
たとえば「すべてのボタンの色を変えたい」という依頼は、デザインがコンポーネントやスタイルで作られていれば短時間で反映できますが、そうでなければ1つずつ直す作業になります。Figmaでのレイアウトの仕組みはFigmaのオートレイアウト入門 で詳しく解説しています。
社内担当者がFigmaでできる簡単な作業
フルシートがあれば、社内担当者でも、バナーやSNS用画像の文字の差し替え、画像の書き出し、簡単なモックアップ画像の作成といった作業をFigmaで行えます。
テンプレートの文字・写真の差し替え :制作会社にバナーやSNS用画像のテンプレートを作ってもらうと、社内では文言や写真を差し替えるだけで新しい画像を作れます
画像の書き出し :選んだ部品や画面を、PNG・JPG・SVG・PDFの形式で書き出せます。画面右側のパネルの「エクスポート」で形式と倍率を選びます
簡単な画像の調整 :画像のトリミングや、明るさ・コントラストなどの調整ができます。背景の差し替えなどのAIによる画像編集機能もベータ版として追加されていますが、人物の切り抜きなど本格的な写真の加工は、画像編集ソフトのほうが向いています。Figmaでの画像編集の例はFigmaで簡単モックアップ画像を作る方法 で紹介しています
打ち合わせの資料・ホワイトボード :Figma SlidesやFigJamで、構成案の整理や社内の意見出しができます
Figmaを使うときの注意点
Figmaは共有が簡単な分、共有範囲の設定、データの保管と納品、フォントの扱い、デザインと実際の表示の違いに注意が必要です。
共有範囲を確認する :共有リンクを「リンクを知っている全員」が見られる設定にしていると、転送されたリンクから第三者も見られます。公開前の情報や社外秘の数字を含むファイルは、招待した人だけが見られる設定にします
編集権限を広げすぎない :確認だけの人は閲覧の権限で招待し、意図しない変更を防ぎます
デザインデータの扱いを契約で確認する :Figmaのファイルを納品物に含めるか、公開後に誰のアカウントで保管するかは、制作会社によって異なります。将来の修正や別の会社への依頼も考え、見積もりの段階で確認しておきましょう
フォントのライセンスを確認する :デザインで使ったフォントを、Webサイトでも同じように使えるかどうかを確認します
最終確認は実際のサイトで行う :Figma上のデザインと、ブラウザで表示した実際のサイトでは、文字の折り返しや見え方が少し異なることがあります。公開前のテスト環境で、パソコンとスマートフォンの両方で確認します
当社のコーポレートサイト制作では、デザインデータ(PC・スマートフォン)を納品物としてお渡しします。デザインはトップページ→下層ページの2段階で確認いただき、実装後はテスト環境で全ページを確認いただいてから公開します。工程ごとの成果物とお願いすることは制作の流れ にまとめています。
よくあるご質問
発注者・社内担当者の方からよくいただく、Figmaについてのご質問にお答えします。
Figmaのアカウントは必要ですか?
デザインを確認してコメントで修正を伝えるには、Figmaのアカウントを作っておくのが確実です。アカウントはメールアドレスかGoogleアカウントで無料で作れます。招待された場合は、招待メールが届いたアドレスで登録してください。
無料のスタータープランのまま使い続けられますか?
スタータープランは無料で、期限なく使えます。ただし、チームで共有できるファイルの数やバージョン履歴の期間に制限があります。発注者として制作会社のファイルを閲覧・コメントするだけなら、発注者側が有料プランを契約する必要はありません。
Figmaのデザインデータは納品してもらえますか?
制作会社や契約の内容によって異なります。公開後に別の会社へ修正を依頼する可能性もあるため、デザインデータを納品物に含めるか、どの形式で受け取るかを、見積もりや契約の段階で確認しておきましょう。
Figmaで作ったデザインを、そのままWebサイトとして公開できますか?
Figmaには、デザインからWebサイトを作って公開できるFigma Sitesという機能がありますが、2026年10月時点ではベータ版です。コーポレートサイトは、お知らせや実績の更新、検索エンジン対策、アクセス解析の設定など、公開後の運用まで含めて作り方を選ぶ必要があります。当社では、更新しやすい管理画面を備えたWordPressで実装し、構造化データやGA4・Search Consoleの設定まで行ってから公開しています。
まとめ
Figmaは、ブラウザで開けてURLで共有でき、デザインに直接コメントを残せるため、発注者と制作会社のやり取りを速く確実にしてくれるツールです。
発注者が覚えるのは「見る」「プロトタイプで確かめる」「コメントで伝える」の3つ。閲覧とコメントは無料
画面表示は日本語に切り替えられ、和文フォントも使える
Adobe XDは公式に「メンテナンスモード」と案内されており、新しく導入するツールとしては選びにくい
有料プランは利用者ごとのシートで料金が決まる。社内で編集するならフルシートが必要
修正依頼は1件ずつ、何を・どうしたいか・なぜかを書き、社内の意見は取りまとめてから伝える
共有範囲、デザインデータの納品、フォントのライセンスは事前に確認する
当社のコーポレートサイト制作 では、各工程の成果物を確認いただき、合意してから次の工程に進めます。デザインの確認の進め方も含めて、お気軽にご相談ください。
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